2025年6月10日発表、スーパーコンピュータ「富岳」がGraph500で11期連続世界1位に輝く
ベストカレンダー編集部
2025年6月11日 09:41
富岳Graph500連続1位
開催日:6月10日
スーパーコンピュータ「富岳」の最新ランキング結果
富士通株式会社は、2025年6月10日18時50分に、国立研究開発法人理化学研究所と共同で開発したスーパーコンピュータ「富岳」が、世界のスーパーコンピュータに関するランキング「Graph500」で11期連続の世界第1位を獲得したことを発表しました。この成果は、国際会議「ISC High Performance 2025」で発表されました。
「富岳」は、2020年4月に試行的利用を開始し、2021年3月には本格稼働を開始しました。その後、ライフサイエンスや防災減災、エネルギー、ものづくり、基礎科学、社会経済といった広範な分野で、社会実装レベルの成果を創出し続けています。
「富岳」の各種ランキング結果
「富岳」は、以下のランキングでも高評価を得ています。具体的な順位は次の通りです。
- Graph500:世界第1位(11期連続)
- TOP500:第7位
- HPCG(High Performance Conjugate Gradient):第2位
- HPL-MxP:第6位
これらのランキングは、スーパーコンピュータの性能を示す重要な指標であり、「富岳」の優れた性能が証明されています。
「富岳」の活用事例
「富岳」は、その性能を活かし、さまざまなプロジェクトに寄与しています。特に注目すべきは、国立大学法人横浜国立大学との共同プロジェクトです。このプロジェクトでは、「富岳」を利用して、気象シミュレーターと大規模並列処理技術を組み合わせ、台風に伴う竜巻の予測を世界で初めて成功させました。
このように、「富岳」は気象予測の分野においても新たな可能性を切り開いています。これにより、より正確な気象情報の提供が期待され、災害対策や防災において重要な役割を果たすことが可能になるでしょう。
今後の展望と技術開発
富士通は、「富岳」を実現した優れたテクノロジーを基に、高性能かつ省電力のCPU「FUJITSU-MONAKA」の開発を進めています。このプロセッサは、Arm命令セットアーキテクチャに基づいており、最先端の2ナノメートルテクノロジーを採用しています。
「FUJITSU-MONAKA」は、低電圧技術を活用し、高い電力性能を実現しています。また、OSSコミュニティとの連携を通じて、業界標準ソフトウェアへの対応を進めており、ユーザーが性能を最大限に活用できる環境を構築しています。
まとめ
スーパーコンピュータ「富岳」は、世界的に高い評価を受けており、さまざまな分野での実績を持っています。以下に、この記事で紹介した内容を表にまとめました。
| ランキング | 順位 |
|---|---|
| Graph500 | 1位(11期連続) |
| TOP500 | 7位 |
| HPCG | 2位 |
| HPL-MxP | 6位 |
「富岳」は、今後もその技術を進化させ、さまざまな分野において貢献を続けていくことでしょう。技術の進展が期待される中、今後の動向が注目されます。