2025年6月12日開始、カヤックとTRANBIが地域中小企業の事業承継で業務提携し移住者マッチング強化

カヤックとTRANBIの業務提携について

株式会社カヤック（本社：神奈川県鎌倉市、代表取締役CEO：柳澤大輔、東証グロース：3904）と、事業承継・M&Aマッチングプラットフォーム「TRANBI」を運営する株式会社トランビ（本社：東京都港区、代表取締役：高橋聡）は、2025年6月12日付で業務提携を締結しました。この提携は、地域の中小企業や商店が後継者を探す際に、「地域で働きたい・暮らしたい」と考える移住希望者とのマッチングを強化することを目的としています。

この提携によって、地域で続いてきた企業や商店が地域外の人に受け継がれ、その思いも大切に引き継がれる「“エモい”事業承継」のコンセプトが実現されます。地域課題である後継者不足による廃業の危機に対して、両社が協力し新たな解決策を提案していくことを目指します。

業務提携の背景と地域課題

2025年には、国民の5人に1人が75歳以上となる「2025年問題」が本格化し、事業承継への影響が懸念されています。特に地方では、企業の約99％を中小企業が占めており、後継者不在の問題が深刻化しています。厚生労働省の報告によると、2023年時点で中小企業の約半数が後継者不在という状況にあり、将来を見据えた担い手探しが地域経済の持続に直結する重要な課題となっています。

近年では、黒字経営でありながら後継者が見つからず、やむを得ず廃業を選択する企業が増加しています。2024年には全国で69,019件の企業が休業・廃業・解散し、前年から約1万件（16.8％）の増加が見られました。これらの企業の中には、資産が債務を上回る「資産超過型」企業や、直前期に黒字だった企業も多く含まれています。

カヤック「スマウト」とTRANBIの役割

カヤックが運営する「スマウト」は、地域と関わりたい人と自治体・地域事業者をつなぐプラットフォームとして2018年にサービスを開始しました。移住をはじめ、地域企業への就職、副業・複業、事業承継など、さまざまな「地域との関わり方」を支援しています。一方、TRANBIは2011年に設立され、日本初のM&Aマッチングプラットフォームとして、事業の売り手と買い手をスムーズにマッチングし、後継者不足の解消に貢献してきました。

今回の提携により、両社の強みを活かした「地域 × 事業承継」のアプローチが実現し、事業承継を「地域と関わるきっかけ」として位置づけ、移住と事業承継に関する情報提供やマッチングの幅を広げていく方針です。

提携事業内容と具体的な取り組み

本提携では、主に以下の2つの取り組みが予定されています。

1. 「スマウト」に特設ページを開設
   「スマウト」内に「“エモい”事業承継」の特設ページを新設し、全国の事業承継案件を紹介します。このページでは、事業承継に関する用語集やFAQ（よくある質問集）なども用意され、事業承継に初めて触れる方にも分かりやすい情報を提供します。
2. リアルイベントの開催
   地域 × 事業承継への関心を高めるためのリアルイベントを開催します。第1弾は2025年7月4日に東京・渋谷で開催予定で、事業承継の初心者を対象に、地域に眠る“想いある事業”を次世代へつなぐためのヒントや知識を提供します。

特設ページの内容

特設ページでは、以下のようなコンテンツが提供されます。

• 「2025年問題」や「第三者承継」などを解説する事業承継用語集
• 事業承継に関するFAQ（よくある質問集）
• 具体的なマッチングの場として活用できる出会いのハブページ

この特設ページは、事業承継に興味がある方々にとって、情報の入口としても、具体的なマッチングの場としても機能します。

リアルイベントのプログラム内容

2025年7月4日に開催されるイベントでは、以下のプログラムが予定されています。

1. トークセッション「エモい事業承継はどのようにして生まれるのか？」
2. 講義「事業承継入門講座 ～熊本で事業を買いそびれた話～」
3. 相談会 & ネットワーキング

このイベントは、地域での事業承継に関心がある方々にとって、貴重な情報を得る場となることが期待されています。

カヤックとトランビのコメント

カヤック「スマウト」事業責任者の宮本早織は、「地域には後継者不足で閉じざるを得ない魅力的な事業が多く存在する。これらの事業と意志ある担い手をつなぎ、持続可能な地域の未来をつくっていきたい」と述べています。

一方、トランビの鈴木涼子は、「移住を検討する際、地域の事業を継承することで安定した事業基盤と地域コミュニティとの深いつながりを得られることを多くの方に知っていただきたい」とコメントしています。

まとめ

カヤックとTRANBIの業務提携は、地域の中小企業や商店の後継者不足に対する新たな解決策を提供するものです。特設ページの開設やリアルイベントの開催を通じて、地域とつながる事業承継の重要性を広めていくことが期待されています。

この提携を通じて、地域経済の持続可能な発展に寄与することが期待されています。