2025年7月開始、琵琶湖博物館でビワマス新種展示開催
ベストカレンダー編集部
2025年6月27日 21:51
ビワマス新種展示
開催期間:7月19日〜9月28日
琵琶湖固有の新種「Oncorhynchus biwaensis」について
滋賀県立琵琶湖博物館の研究チームは、琵琶湖に生息するビワマスに新たに学名「Oncorhynchus biwaensis(オンコリンカス・ビワエンシス)」を付与しました。この新種記載は2025年6月21日付の国際学術誌に発表され、ビワマスの重要性が再確認されました。
ビワマスは琵琶湖固有の魚であり、1925年に新種として初めて記載されましたが、1990年にはそのタイプ標本が異なる種であることが指摘され、以降ビワマスには学名が存在しない状態が続いていました。しかし、近年の研究により、ビワマスは他の近縁種と明確に異なることが示され、新たに学名が与えられることとなりました。
研究の背景と経緯
ビワマスは琵琶湖のみに生息するサケの仲間で、江戸時代からその存在は認識されていました。最初の記載は1925年で、米国の研究者によって「Oncorhynchus rhodurus(オンコリンカス・ロヅラス)」という学名が付けられました。しかし、1930年代から1960年代にかけて、ビワマスがアマゴの降海型と同一であると考えられ、同じ学名が適用されることとなりました。
その後、1970年代からは形態や生態の研究が進み、1990年代後半から2010年代にかけて遺伝分析が行われ、ビワマスが他のサクラマス種群とは異なることが確認されました。このような研究の積み重ねにより、ビワマスには新たに学名が与えられることとなったのです。
ビワマスの研究史
- 江戸時代:ビワマスの存在が認識される。
- 1925年:米国の研究者により「Oncorhynchus rhodurus」として新種記載。
- 1930年代~1960年代:ビワマスがアマゴの降海型と同一視される。
- 1990年:ビワマスのタイプ標本が異なることが指摘され、学名が不在に。
- 2025年:新たに「Oncorhynchus biwaensis」として学名が付与される。
展示情報とイベント
琵琶湖博物館では、ビワマスの新種記載を記念して、2025年7月19日から9月28日までの期間限定でタイプ標本が展示されます。この展示では、特にホロタイプ標本が展示されるため、貴重な機会となります。展示の詳細は以下の通りです。
| 開催期間 | 2025年7月19日(土)~2025年9月28日(日) |
|---|---|
| ホロタイプ展示期間 | 2025年7月19日(土)~2025年8月3日(日) |
| 開催時間 | 9:30~17:00(最終入館16:00) |
| 開催場所 | 琵琶湖博物館 水族企画展示室 特設コーナー |
| 入場料 | 常設展示観覧料が必要 |
展示室内では、ビワマスの生きた個体が泳ぐトンネル水槽もあり、来場者はその生態を間近で観察することができます。また、展示室の入口にはビワマスの大型個体のはく製も展示されており、ビワマスの魅力を存分に感じることができるでしょう。
マスコミ関係者向けの撮影会
研究成果の発表に伴い、マスコミ関係者向けにタイプ標本の撮影会も行われます。以下の詳細をご確認ください。
- 日時:2025年6月30日(月) 14:00~16:00
- 場所:琵琶湖博物館 応接室
- 内容:ホロタイプの撮影等(詳細は調整中)
今後の展望とビワマスの保護
新たに学名が付与されたビワマスは、琵琶湖の生態系において重要な役割を果たしています。学名が付与されることにより、国際的にもその存在が認識され、保護活動が進むことが期待されます。ビワマスは漁業や食文化においても重要な魚であり、その保全が急務です。
現在、河川改修や近縁種との交雑によってビワマスの生息環境は脅かされていますが、学名が付与されることで、保護対象種としての認知が高まり、保全活動が進展することが期待されます。今後もビワマスの生態や保護に関する研究が続けられ、その重要性が広く知られることが望まれます。
まとめ
今回の研究成果と展示情報を以下にまとめます。
| 内容 | 詳細 |
|---|---|
| 新種学名 | Oncorhynchus biwaensis(オンコリンカス・ビワエンシス) |
| 展示期間 | 2025年7月19日(土)~2025年9月28日(日) |
| ホロタイプ展示期間 | 2025年7月19日(土)~2025年8月3日(日) |
| 開催場所 | 琵琶湖博物館 水族企画展示室 特設コーナー |
| 入場料 | 常設展示観覧料が必要 |
ビワマスの新種記載は、琵琶湖の生態系における重要性を再確認するものであり、今後の保全活動に寄与することが期待されます。詳細な情報は琵琶湖博物館の公式ウェブサイトでも確認できます。
参考リンク: