2025年7月1日完了のトライアルと西友経営統合、その狙いと新体制
ベストカレンダー編集部
2025年7月2日 16:41
トライアル西友経営統合
開催日:7月1日
トライアルホールディングスと西友の経営統合について
2025年7月1日、株式会社トライアルホールディングス(本社:福岡県福岡市、代表取締役:永田 洋幸)は、株式会社西友(本社:東京都武蔵野市)の全株式取得が完了したことを発表しました。この経営統合により、両社の強みを活かした新たなビジネスモデルの構築が期待されています。特に、トライアルホールディングスは流通小売領域での豊富な経験をもとに、今後の戦略を展開していく方針です。
新経営体制の概要
経営統合に伴い、株式会社西友の新社長には、トライアルカンパニーの取締役会長を務めていた楢木野仁司が就任しました。彼は流通小売業界での豊富な経験を持ち、新たな経営体制のもとで西友のさらなる成長を目指します。
楢木野氏は、1987年にトライアルカンパニーに入社し、様々な役職を経て2012年には社長に就任、その後会長を務めるなど、長年にわたりトライアルの発展に寄与してきました。これからは西友の社長として、最大のシナジー効果を発揮するよう尽力する意向を示しています。
経営統合による今後の戦略
トライアルホールディングスと西友の経営統合により、以下の4つの戦略が策定されました。
- 既存店改革:トライアルと西友の商品相互展開
- 出店戦略:関東でのTRIAL GO®の垂直立ち上げ
- 収益性の向上:生産性の高いTRIAL GO®の拡大
- リテールメディア展開:リテールメディアの本格展開
既存店改革
既存店改革では、トライアルと西友の商品の相互展開が計画されています。特に、西友のプライベートブランド「みなさまのお墨付き®」は、消費者テストで支持率80%以上を獲得しており、2025年秋から全国のトライアル店舗でも展開される予定です。これにより、魅力的な価格設定を実現し、客数の増加を図ります。
出店戦略
出店戦略においては、関東地域での「TRIAL GO®」の本格展開が計画されています。これは、都市型・近隣型の小型スマートストアであり、既存の西友の店舗や製造拠点を活用して、エリアシェアを高めることを目指します。このアプローチにより、流通とテクノロジーの強みを結集し、高クオリティかつ低コストの運営を実現します。
収益性の向上
収益性の向上に関しては、関東の都市部において周辺店舗ネットワークを活かした「出来立て総菜」の提供や、テクノロジーによる省人化を図る「TRIAL GO®」の展開が進められます。また、トライアルと西友のプロセスセンター(PC)やセントラルキッチン(CK)拠点を統合し、グループ全体の生産能力と収益性を向上させることを目指しています。
リテールメディアの本格展開
リテールメディアの展開については、トライアルが福岡エリアで実施していたマーケティング手法を本格化させる計画です。これにより、店舗内のIoTデバイスを利用したマーケティングを推進し、メーカーとの共同マーケティングを通じてブランドの売上拡大を図ります。西友は関東圏の店舗を含め、中部エリアの87店舗、関東エリアの195店舗への拡大を目指す見通しです。
株式会社西友の新社長について
株式会社西友の新社長、楢木野仁司氏のプロフィールは以下の通りです。
| 年 | 経歴 |
|---|---|
| 1987 | 株式会社トライアルカンパニー入社 |
| 1996 | 南ヶ丘店・田村店 店長就任 |
| 2006 | 東日本ブロック ブロック長 兼 関東・東北支店長就任 |
| 2009 | 取締役 販売本部長 兼 商品本部長就任 |
| 2012 | 代表取締役社長就任 |
| 2018 | 代表取締役会長就任 |
| 2023 | 株式会社トライアルストアーズ代表取締役社長を兼任 |
| 2025 | 株式会社西友代表取締役社長就任 |
楢木野氏は、長年にわたりトライアルでの経験を積み重ねており、今後の西友の発展に大きく寄与することが期待されます。
株式会社トライアルホールディングスの概要
最後に、株式会社トライアルホールディングスの基本情報を以下に示します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 代表取締役社長 | 永田 洋幸 |
| 本社所在地 | 福岡市東区多の津1丁目12番2号 |
| 設立 | 2015年9月 |
| 資本金 | 197億7,769万2,100円(2024年6月30日現在) |
| 売上高 | 7,179億円(2024年6月期)※グループ連結 |
| URL | https://trial-holdings.inc/ |
トライアルホールディングスは、今後も西友との協力を通じて、さらなる成長を目指していく方針です。両社の経営統合により、消費者にとってより良いサービスが提供されることが期待されます。
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