2025年9月1日開始|アルコール依存症向け治療アプリが保険適用に

治療アプリ保険収載

開催日:9月1日

治療アプリ保険収載
このアプリってどうやってアルコール依存症の治療を助けるの?
患者が日々の飲酒量や体調をアプリに記録し、個別化された目標や情報提供を受けることで、減酒に向けた行動変容を促します。医師も患者の状況を遠隔で把握可能です。
この治療アプリはいつから保険適用されるの?
2025年9月1日から公的医療保険の適用が開始されます。これにより患者は保険を使って治療アプリを利用できるようになります。

アルコール依存症治療における新たな一歩

株式会社CureApp(キュア・アップ)は、2025年9月1日(月)より、アルコール依存症の減酒治療を対象とした治療アプリ「CureApp AUD 飲酒量低減治療補助アプリ」が公的医療保険に適用されることを発表しました。この決定は、中央社会保険医療協議会(中医協)によって承認され、国内においてアルコール依存症領域での保険収載は初めての事例となります。

本アプリの導入により、アルコール依存症に悩む多くの患者が早期に治療を受けることが可能になることが期待されています。治療アプリの保険適用は、国内で3例目であり、アルコール依存症に特化したものとしては初めての試みです。

CureApp AUD 飲酒量低減治療補助アプリの特徴

「CureApp AUD」は、減酒を治療目標とする患者に向けて設計されたアプリです。患者は日々の飲酒量や体調を「患者アプリ」に入力し、その情報を基にアプリが疾患に関する情報提供や個別化された目標の提案を行います。このプロセスを通じて、患者は減酒に向けた行動変容を促されます。

医師は「医師アプリ」を用いて、患者ごとのデータや心理社会的治療の支援コンテンツを確認することができ、診察外の時間においても患者の状態を把握することが可能です。これにより、診療の質の向上が期待されます。

患者と医師の新たなコミュニケーションの形

本アプリの導入により、患者は診察外の時間に疾患に関する学習に取り組むことができ、飲酒量を減らす行動を効果的に実践することが可能となります。医師は限られた診察時間の中で患者の日々の飲酒状況や必要な支援を確認することができるため、診療の質の向上が期待されます。

さらに、非専門医療機関でも本アプリが処方されることで、重症化すると治療が難しくなるアルコール依存症への早期アプローチが可能になります。

アルコール依存症の現状と課題

アルコール依存症は、長期間にわたり多量に飲酒した結果、精神依存や身体依存を引き起こす精神疾患です。国内では推計107万人がアルコール依存症を経験しているとされる一方、専門的な治療を受けているのは約5万人に留まっています。未治療の患者は100万人を超えると考えられ、潜在患者数はさらに多いとされます。

アルコール依存症は、高血圧や肝障害、がんなどの重篤な疾患を引き起こす可能性があり、社会的にも事故や事件、家族関係の破綻など深刻な影響をもたらします。治療においては、心理社会的治療が中心となりますが、現在はほぼ専門医療機関でのみ提供されているため、受診のハードルが高いのが現状です。

早期治療の重要性

症状が重篤になる前に早期に治療を開始することが望まれますが、身近に受診できる医療機関が不足しており、専門医療機関を受診することが難しい状況が続いています。このような課題に対して、CureAppの「CureApp AUD」は、患者が早期に治療を受けるための新たな手段となることが期待されています。

株式会社CureAppの取り組み

株式会社CureAppは、2014年に設立された医療系スタートアップで、治療効果が治験で証明された「治療アプリ」の研究開発・製造販売を行っています。これまでに禁煙治療や高血圧症治療においても、世界初の製造販売承認を取得し、保険適用を実現しています。

今後は、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)や慢性心不全、慢性腰痛症など、複数の疾患に対応する治療アプリの開発を進めていく予定です。

会社概要

株式会社CureAppは、東京都中央区に本社を置き、代表取締役社長は佐竹晃太氏です。同社は、プログラム医療機器の開発やモバイルヘルス関連サービス事業を展開しています。

まとめ

アルコール依存症に対する新たな治療法として、CureAppの「CureApp AUD 飲酒量低減治療補助アプリ」が保険収載されることは、患者にとって大きな希望となります。治療の早期導入が可能になることで、アルコール依存症に悩む人々がより良い生活を送るための第一歩を踏み出すことができるでしょう。

項目 詳細
アプリ名 CureApp AUD 飲酒量低減治療補助アプリ
保険収載日 2025年9月1日
承認番号 30700BZX00034000
使用目的 アルコール依存症患者の飲酒量低減治療補助
製造販売元 株式会社CureApp
販売元 沢井製薬株式会社

このように、CureAppの取り組みは、アルコール依存症の治療において新たな可能性を切り開くものとなります。今後の展開にも注目が集まります。

参考リンク: