4割が1年以上悩み続けるキャリア問題の実態と相談の課題

キャリアの悩みに関する調査レポート

株式会社エンセッションは、2025年3月に全国の社会人280名を対象に実施したアンケート調査をもとに、キャリアに関する悩みの実態を明らかにしました。この調査は、社会人が抱えるキャリアの悩みがどのように長期化し、誰にも相談できずに「静かな孤独」に陥っているのかを探るものでした。

調査概要

本調査の概要は以下の通りです。

• 調査名：キャリアに関する悩みのアンケート
• 調査対象：全国の社会人280名（20代〜50代）
• 調査時期：2025年3月
• 調査方法：インターネット調査（複数回答あり）

モヤモヤは長期化

調査の中で最も注目すべき結果の一つは、キャリアについての悩みが長期化していることです。「キャリアについて悩み始めてから、どのくらいモヤモヤが続きましたか？」という設問では、「1年以上」が43.9%と最多でした。これに対し、「3ヶ月未満」は13.6%、「1ヶ月未満」は11.1%であり、比較的短期間で解決した人は約20%にとどまっています。

多くの社会人が違和感や不安を長期にわたって抱え続けている現実が浮かび上がりました。

選択肢の検討と実行

次に、キャリアの悩みを解決するために考えた選択肢についての結果を見てみましょう。「その悩みを解決するために、どんな選択肢を考えましたか？」という設問では、「転職」が42.5%で最多となり、次いで「スキルアップ」が24.3%、さらに「副業をはじめる」が22.1%、そして「今の職場で環境を変える」が20.0%と続きました。

ここで注目すべきは、副業や独立を検討したのは主に男性が多い傾向にあることです。これらの選択肢が実際にどれだけ実行されたかというと、「転職を選んだ人は多いが、実行率は3割止まり」という結果が示されています。「何もせず様子を見た」という人も多く、実行に至らない構造が浮き彫りになっています。

相談相手とその結果

キャリアの悩みを誰に相談したかという設問では、「家族」が32.9%で最多、次いで「友人・同僚」が20.4%、そして「上司・職場の先輩」が16.4%と、身近な人への相談が中心となっていることがわかりました。しかし、「誰にも相談しなかった」という回答も約36.4%にのぼり、無視できない割合です。

相談先がわからない、または相談すること自体にためらいがあるために、悩みを一人で抱え込んでしまう構造が見え隠れしています。さらに、転職を決断したにも関わらず、転職エージェントに相談した人はわずか7.5%にとどまっており、実行されたアクションと相談先との間に大きなギャップがあることが明らかになりました。

相談の効果と専門家へのニーズ

相談した結果、悩みがどう変化したかという問いに対しては、「完全に解決した」と回答したのはわずか8.4%にとどまりました。「少しは解決したがまだ不安」と答えた人は38.2%、「ほとんど変わらなかった」が20.8%、「相談したことで悩みが深まった」という人も5.1%いました。これにより、実に6割超が“モヤモヤを抱えたまま”という状態であることがわかります。

相談が必ずしも解決につながらない現実は、相談内容の複雑さや相談先の専門性の限界を示唆しています。「もし費用や手間を気にせず相談できるなら誰に相談したいか？」という問いでは、「キャリアコーチ・メンター」が12.8%、そして「転職エージェント」が13.9%と上位に浮上しました。一方で、実際の相談先として多かった「家族」や「友人・同僚」は大きく減少し、「誰にも相談したくない」が最多となりました。これは、「本当は専門家に相談したいが、現実にはアクセスできていない」という切実な現状を反映しています。

キャリアセッションの提供

株式会社エンセッションが提供する『キャリアセッション』は、キャリアの“正解”を押しつけるのではなく、「しっくりこない感覚」に耳を傾けるところから始まります。このサービスは、自己理解から選択・行動・定着までを一貫して支援する新しいキャリア支援モデルです。

『キャリアセッション』の3つの約束は以下の通りです。

1. 意思決定・行動・実現までを一貫して支援し、転職・副業・起業など、あらゆる選択肢への一歩を後押しします。
2. 独自の診断「キャリアコアレポート」を用いて、心の奥にある違和感や願いを9つの軸で言語化し、自分の内面と向き合うことで自分らしいキャリアの軸が見えてきます。
3. 国家資格・国際資格を持つ実績豊富なエキスパートが担当し、「あなた専用チーム」を作り、信頼できる仲間がキャリアの道のりをナビゲートします。

まとめ

今回の調査を通じて、キャリアの悩みが長期化し、相談相手が見つからずに孤立している実態が浮き彫りになりました。特に、誰にも相談していない人が3人に1人にのぼり、転職という大きな決断をしているにも関わらず専門家への相談が限られていることが顕著でした。また、相談しても悩みが解消しきれない人が6割を超えていることから、キャリアに関する悩みを抱える多くの人々が、どのように解決の糸口を見出すべきか模索していることが理解できます。

以下に本記事で取り上げた調査内容をまとめます。

この調査結果は、キャリアに関する悩みを抱える社会人にとって、今後のキャリア選択や相談の方法を再考するきっかけとなるでしょう。