8月2日開催 将棋日本シリーズJTプロ公式戦福岡大会の結果と注目対局
ベストカレンダー編集部
2025年8月3日 05:52
JTプロ公式戦福岡戦
開催日:8月2日
将棋日本シリーズJTプロ公式戦一回戦第四局 福岡大会結果
2025年8月2日、福岡国際センターにおいて行われた「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」の一回戦第四局において、地元出身の佐藤天彦九段が菅井竜也八段を112手で破り、二回戦に進出しました。次戦では、二回戦第四局で伊藤 匠叡王と対局する予定です。
実施概要
本棋戦の実施概要は以下の通りです。
- タイトル:将棋日本シリーズ JTプロ公式戦 一回戦第四局
- 日程:2025年8月2日(土)
- 場所:福岡国際センター(住所:福岡県福岡市博多区築港本町2-2)
対局結果
対局は菅井竜也八段(先手)と佐藤天彦九段(後手)の対戦で行われました。結果は、112手にて佐藤九段の勝利となりました。この対局は、両者ともに振り飛車党であり、初手から激しい攻防が繰り広げられました。
菅井八段の初手は▲7八飛で、これに対し佐藤九段は居飛車で応じました。7手目に菅井八段が▲8八銀とすることで、佐藤九段は角交換という選択肢を選び、早くも乱戦の様相を呈しました。
対局のハイライト
この対局のハイライトは、佐藤九段がジリジリとした第二次駒組みから攻撃を仕掛け、優勢を築いた点です。菅井八段は逆転を狙いましたが、佐藤九段の巧妙な手に寄せつけず、勝ち切ることに成功しました。
両者のコメント
対局前に両者は以下のようなコメントを残しています。
- 佐藤天彦九段
- 「地元福岡での対局は名人戦ではありましたが、『JT杯』では初めてです。公開対局ですから、お客さんの反応もわかって、対局者としても盛り上がります。」
- 菅井竜也八段
- 「公開対局は将棋のすばらしさをより体感していただけるのが魅力だと思います。持ち時間が短いのでスピーディーで華々しい戦いになりやすいのが見どころです。」
勝利した佐藤九段の分析
勝利を収めた佐藤九段は、乱戦の局面について次のように分析しました。
「本譜の乱戦は7手目の▲8八銀に代えて、▲6八銀として△7七角成▲同銀という進行で以前考えていたことがありました。局面が一段落したあとは、先手からすると玉を囲うのが普通だと思います。」
また、持ち時間が短い中での判断が勝利に繋がったことを示唆し、対局の難しさを語っています。特に、攻めの展開に持ち込むことができたことが勝因であると述べています。
講評と振り返り
対局を振り返り、深浦康市九段は「とても面白かったですね。乱戦になり、互いに封じ手以降のバランスの取り方がうまいと思いました。」とコメントしました。また、佐藤九段の巧妙な手法が際立っていたことを評価しています。
「佐藤九段は見たことのない形をまとめるのがうまいですね。△1五歩から上部を攻める手が厳しく、先手が嫌な展開でした。」とし、菅井八段も良い手を選択していたが、佐藤九段の力量が勝ったとしました。
棋譜の詳細
以下は、菅井竜也八段(先手)対佐藤天彦九段(後手)の棋譜です。
| 手数 | 先手 | 後手 |
|---|---|---|
| 1 | ▲7八飛 | △8四歩 |
| 2 | ▲7六歩 | △8五歩 |
| 3 | ▲7七角 | △3四歩 |
| 4 | ▲8八銀 | △7七角成 |
| 5 | ▲同 銀 | △4五角 |
| 6 | ▲3六角 | △6七角成 |
| 7 | ▲6三角成 | △6二飛 |
| 8 | ▲6四歩 | △7二銀 |
| 9 | ▲5三馬 | △4二金 |
| 10 | ▲6二馬 | △同 金 |
| … | … | … |
| 112 | ▲3五歩 | △3四銀 |
この対局は、将棋の戦略や選手の思考過程を深く理解するための貴重な機会となりました。佐藤九段の勝利は、彼の実力を証明するものであり、今後の対局にも注目が集まります。