2025年8月7日開始｜衛星データ活用で農作物判定業務を効率化

衛星データを活用した農作物作付け状況判定業務の業務連携

2025年8月7日、INCLUSIVE株式会社の子会社であるLAND INSIGHT株式会社（本社：福島県南相馬市、代表取締役社長：藤田誠）は、AIを活用した農地判定・管理アプリを提供するサグリ株式会社（本社：兵庫県丹波市、代表取締役：坪井俊輔）との業務連携を開始したことを発表しました。この連携により、衛星データを用いた農作物の作付け状況判定業務が効率化されることが期待されています。

これまで、全国の自治体や農業団体では、農作物の作付け状況を把握するために現地調査や大量の事務作業が必要でした。このような業務は職員にとって大きな負担となり、また担い手不足や高齢化が進む中で、より少ない人員で正確かつ迅速な業務遂行が求められています。そこで、AIや衛星データを活用した判定手法の導入が進められています。

業務連携の具体的な取り組み

本業務連携の初めての取り組みとして、LAND INSIGHTが福島県南相馬市で行う転作確認業務の支援を行います。具体的には、衛星データ解析結果の可視化に関する連携実証を開始し、これによりLAND INSIGHTが提供する衛星データ解析の結果を、サグリが開発したAI農地判定アプリケーション上で簡単に閲覧できるようになります。

この取り組みにより、市役所や農業団体の関係者はWeb上で解析結果をリアルタイムに確認でき、現場での判断や作業がよりスムーズに進むことが可能となります。このようなデジタル技術の導入は、業務の効率化だけでなく、作業の正確性や透明性の向上にも寄与します。

サグリ株式会社のビジョンとサービス

サグリ株式会社は「人類と地球の共存を実現する」というビジョンを掲げ、2018年に兵庫県で創業した岐阜大学発のインパクトスタートアップです。AIを用いた衛星データ解析技術を主軸に、持続可能な農業の実現と地球環境の課題解決を目指しています。

同社が提供する主なサービスには、以下のようなものがあります：

• アクタバ：耕作放棄地を検出する農地パトロールアプリ
• デタバ：作物の種類を検出する作付け調査アプリ
• ニナタバ：農地所有者と作り手・担い手のマッチングを行うサービス
• Sagri：土壌分析ができる営農アプリ

サグリは、2023年に農林水産省及び経済産業省から令和4年度第2次補正予算「中小企業イノベーション創出推進事業（SBIR）」に採択され、また「ICCサミット KYOTO 2023」カタパルト・グランプリで優勝するなど、注目を集めています。

LAND INSIGHT株式会社の役割

LAND INSIGHT株式会社は、衛星データを活用して第一次産業における地域課題を解決する事業を展開しています。2022年4月に設立されたINCLUSIVE株式会社の子会社であり、地上の課題に対して宇宙からの視点を活用して新しいインサイトを提供しています。

現在、同社は農業行政における現地調査を効率化するサービス「圃場DX」を展開しており、福島県南相馬市での導入事例を基に全国展開を進めています。これにより、農業分野におけるデジタル化の推進を図っています。

関係者のコメント

サグリ株式会社の代表取締役である坪井俊輔氏は、福島スペースカンファレンス2024での共創事例を通じて、南相馬市での作付け調査において協力できることを非常に嬉しく思っているとコメントしています。また、今年の米の統計調査においても衛星データやAIを活用していくことが発表されており、南相馬市の連携事例を通じて未来の農地調査が効率化されることを期待しています。

一方、LAND INSIGHT株式会社の代表取締役副社長である遠藤嵩大氏は、農業課題が注目される中で、サグリ社との協業を非常に心強く感じていると述べています。南相馬市での共創が全国的な農業課題や行政課題解決のモデルケースとなることを目指し、両社の強みを活かして連携を進めていく意向を示しています。

まとめ

今回の業務連携は、衛星データを活用した農作物作付け状況判定業務の効率化を目指した重要な一歩です。自治体や農業団体が直面している課題に対し、AIやデジタル技術を用いることで、業務の正確性や透明性を向上させることが期待されています。以下に、今回の連携に関する情報をまとめます。

このように、衛星データを活用した新たな農業の形が模索されている中、今後の展開に注目が集まります。