ジェイコブ&コー エピックXの構造美と革新
ベストカレンダー編集部
2025年8月11日 16:53
エピックX特集公開
開催日:8月11日
エピックX──“X”が示す構造美と哲学
ジェイコブ&コーがシリーズで伝える「JACOB&CO. STORIES」第8回は、ブランドが掲げる革新の象徴である「エピックX」コレクションに焦点を当てます。プレスリリースは2025年8月11日13時05分付で公開されており、ここではその内容を整理し、デザイン的・技術的側面、歴史的変遷、そして派生モデルやコラボレーションまで、全情報を網羅して解説します。
エピックXの最も顕著な特徴は、ラグとムーブメントを支える二本のブリッジがダイヤル上で“X”を描き出す点です。これは単なる装飾ではなく、構造そのものがデザインとなり、時計の意志や哲学を可視化する試みです。スケルトン化されたムーブメントや専用ムーブメントJCAM02の採用を通じて、“X”の哲学は寸分の曇りもなく構造に落とし込まれています。
“X”が意味するもの
“X”は数学の未知数や地図の目的地、運命の交差点といった多義性を持つ記号です。ジェイコブ&コーはこのシンボルを未知・神秘・魅力の象徴とし、エピックXの名にその精神を託しました。ブリッジとラグが描き出すラインは、挑戦心や未来への意志を示す視覚的なメッセージとなっています。
また、スケルトン構造はムーブメントの全貌を露わにし、精巧な建築物を覗くような緊張感を与えます。装飾を削ぎ落としてもなお語る美学、すなわち構造美の極致がここに宿っています。搭載ムーブメントJCAM02は、エピックX専用に開発され、“X”という哲学を構造に落とし込むことでその精神を可視化しています。
エピックの系譜:外装主導から構造主導への転換
エピックX以前、ジェイコブ&コーは「エピックI」「エピックII」といった大型ケースや立体構造を特徴とするスポーツラグジュアリーを展開していました。これらは外装のボリュームと造形でラグジュアリーを語るモデル群であり、ジュエラーとしての華やかさをスポーツウォッチへ落とし込む試みでした。
しかし、ブランドは外装の存在感を極めた先に別の表現があるのではないかと自問し、2015年に“外装から構造へ”と舵を切る形でエピックXを発表しました。初期モデルは現行タイプと異なり、インナーリングを備えないなどディテールにも違いが見られますが、スケルトン構造と“X”を描くブリッジ設計が根底にありました。
初期モデルと現行モデルの差異
- 初期「エピックX」:インナーリングなし、ロゴ位置などに初期的ディテールが存在。
- 現行「エピックX スケルトン ブラックインナーリング」:インナーリングを備え、ディテールが洗練された現行仕様。
この移行は、ジェイコブ&コーがジュエラーから“機械芸術の語り手”へと立ち位置を広げる転換点となり、以後の展開においても構造そのものを見せる設計思想が貫かれています。
多彩な派生とコラボレーションが広げた領域
エピックXは発表以降、多面的に拡張されてきました。モデル群には素材や機構、機能性に応じたバリエーションが含まれ、構造美の多様性を示すコレクションへと進化しています。
以下に挙げる派生モデルと特徴は、プレスリリースの記載内容を網羅しています。
- エピックX ブリッジ ブレスレット
- ブリッジに伝統的装飾技法のクル・ド・パリを施し、ケースは高度な鏡面仕上げで仕立てられたモデル。
- エピックX クロノ 44mm トリコンパックス
- クロノグラフ機能を備えたクロノモデル。機能性と構造美を両立。
- エピックX スポーツ
- セラミックなど軽量素材を用いたスポーティなシリーズ。今年の新作として紹介。
- エピックX トゥールビヨン バゲット ブレスレット
- 三大複雑機構のひとつトゥールビヨンを搭載し、バゲットカットの宝石を配したシリーズの集大成的モデル。
これらの派生は、視覚的な変化だけでなく機械的複雑性や素材選択の多様化を示します。日常生活強化防水、快適な装着感、軽量素材の採用といった実用面も追求されており、エピックXは“機械芸術でありながら日常で着けられる時計”として設計されています。
サッカー界とのコラボレーション
エピックXはサッカー界との結びつきにより、グローバルな注目度を高めました。代表的なコラボレーションとして以下が挙げられます。
- エピックX CR7:クリスティアーノ・ロナウドとのモデル。フライト(飛翔)をテーマにし、スケルトン構造と彼の精神性を融合。
- エピックX クロノ メッシ:リオネル・メッシとのコラボクロノグラフ。限界を超え続けるテーマを反映したエレガンスとパフォーマンスの両立。
- エピックX トゥールビヨン FCバルセロナ125周年記念モデル:クラブカラーのブルーとバーガンディをブリッジやインナーベゼルに取り入れ、トゥールビヨンを搭載。ケースバックに記念ロゴを刻印。
これらのモデルは、時計愛好家のみならずサッカーファンにも訴求する特別な意匠と機構を有しています。
連載構成、最新情報と国内展示について
「JACOB&CO. STORIES」は、JACOB&CO. JAPANが2022年4月に設立されて以降に始動した連載で、代表取締役は福田魁氏です。2025年時点でジャパン設立から3年目を迎え、全24回の予定でブランドヒストリーから現行コレクションまでを掘り下げます。
連載は毎月第2・第4月曜日に公開される予定で、今回のVol.8の続編として
- Vol.9:「スケルトン」「ブリッジ」「CR7」に焦点を当てる予定
- Vol.10:クロノ、セラミック、スポーツ、トゥールビヨン バゲット、ドラゴンなど派生モデルを紹介予定
最新の動きとしては、JACOB&CO.が日本橋三越本店の「ワールドウォッチフェア」に初出展したことが報告されています。出展期間は2025年7月30日(水)〜8月5日(火)で、会場では「アストロノミア ソーラー」「ブガッティ シロン」「ワールド イズ ユアーズ デュアルタイムゾーン」「エピックX」などの代表作が展示されました。
ブランドは1986年設立、2002年に本格的に時計業界へ参入。代表作にはファイブタイムゾーン、アストロノミア、ツインターボ、ブガッティ シロンなどがあります。現在はブガッティやクリスティアーノ・ロナウドなどとパートナーシップ契約を締結し、「不可能を可能に」というコンセプトのもと複雑機構を開発し続けています。
以下に、本稿で触れた主要情報を整理して記事を締めます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プレスリリース発表日 | 2025年8月11日 13:05 |
| 特集 | JACOB&CO. STORIES Vol.8:エピックXの軌跡と哲学 |
| エピックXの核 | ラグとブリッジで描く“X”、スケルトン構造、専用ムーブメント JCAM02 |
| 初期~現行の差異 | 初期:インナーリングなし/現行:「エピックX スケルトン ブラックインナーリング」など洗練化 |
| 主な派生モデル | エピックX ブリッジ ブレスレット、エピックX クロノ44mm トリコンパックス、エピックX スポーツ、エピックX トゥールビヨン バゲット ブレスレット |
| サッカー界コラボ | エピックX CR7(クリスティアーノ・ロナウド)、エピックX クロノ メッシ(リオネル・メッシ)、エピックX トゥールビヨン FCバルセロナ125周年記念モデル |
| 展示会 | 日本橋三越本店「ワールドウォッチフェア」初出展:2025年7月30日〜8月5日 |
| ブランド情報 | 設立1986年、時計業界参入2002年。JACOB&CO. JAPAN設立2022年4月(代表取締役:福田魁) |
| 連載スケジュール | 全24回予定。毎月第2・第4月曜日に公開 |
| 問い合わせ先(日本) | ジェイコブ&コー銀座ブティック 〒104-0061 東京都中央区銀座6-7-9丸喜ビル1階 営業時間:平日12:00〜20:00、土日祝11:00〜20:00 Email:info@jacobandco.jp Tel:03-6281-4777 来店予約/公式LINEは公式サイト参照 |
| 公式サイト | https://jacobandco.jp/ |
この記事はJACOB&CO.が公開したプレスリリースの内容を整理し、エピックXおよび関連情報を包括的に伝えることを目的としています。シリーズの次回(Vol.9・Vol.10)では、スケルトンやブリッジ、各派生モデルの詳細な技術解説と意匠の深掘りが予定されています。
参考リンク: