猛暑で車両トラブル急増 対策と原因をデータで解説
ベストカレンダー編集部
2025年8月12日 11:20
猛暑で車両トラブル急増
開催日:8月12日
猛暑が招く車両トラブルの現状と背景
ナイル株式会社が運営するWebメディア「カルモマガジン」は、猛暑に伴う車両トラブルの実態をまとめた「猛暑と車両トラブルに関する調査レポート」を2025年8月12日付で公開しました。本レポートは、インターネット調査の結果に加え、一般社団法人日本自動車連盟(JAF)および株式会社オートバックスセブンへの取材を基に、猛暑期に増加するトラブルの傾向、発生メカニズム、予防策を整理したものです。
背景として、気象庁の「気候変動監視レポート」に示される通り、直近6年間の日本の年平均気温は高い偏差で推移しており、2023年・2024年は観測史上の高温偏差を更新しました。こうした異常気象の常態化は、車両の構造や消耗部品に影響を与え、従来の管理方法では対応が難しいトラブルを増やしている点が問題視されています。
調査と取材の方法
本レポートは、インターネット調査の数値に加えて、JAFやオートバックスの現場担当者への取材を統合して作成されています。調査データと現場の声を合わせることで、統計上の傾向と現場での実情の両面から分析がなされています。
調査結果および取材内容は、ドライバーの安全・安心を目的に整理され、メディア関係者や自動車業界関係者が出典を明記すれば利用できる旨が明示されています。ただし、データ内容そのものの加工・改変は不可とされています。
データで見る「猛暑と車両トラブル」—主要結果の詳細
調査の有効回答数は車を所有する全国の男女2,781人で、調査期間は2025年6月17日〜6月20日、調査対象は5,000人に実施しています。結果として、暑さによる車両トラブルを経験したことがあると回答した人は約22%に上りました。
トラブルの内訳では、バッテリー関連トラブルが37.2%、エアコン関連が36.3%、タイヤ関連が5.9%で、これら三カテゴリで全体の約8割を占めるという結果が出ています。さらに、回答者の約4分の1(25%)が何らかの暑さ対策を実施している一方で、誤った対策によりリスクを高めているケースも確認されています。
JAFとオートバックスのデータと現場報告
JAFが実施した2012年の「真夏の車内温度(JAFユーザーテスト)」では、外気温35℃の炎天下で白い車体の車内温度がサンシェード未使用で52℃、アルミ製サンシェードを使用しても50℃に達したことが示されています。サンシェード単体では車内温度上昇の抑制効果が限定的である点が明らかです。
また、JAFのロードサービス救援データ(2020年度〜2024年度)では、「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」による救援件数は8月が最多で、猛暑期に集中している傾向が示されています。オートバックス東雲の現場報告でも、バースト車両が連日レッカーで運ばれてくる状況が続いているとされています。
発生メカニズムと主な原因—部位別の具体的解説
レポートでは、猛暑がどのように車両トラブルを誘発するかを部位別に整理しています。バッテリー・エアコン・タイヤがトラブルの中心であり、それぞれ原因と兆候が異なります。
以下に各部位の発生メカニズムと主な原因をまとめます。
- バッテリー:高温によってバッテリー内部の化学反応が促進され、劣化が進行。結果として始動不能や電圧低下が発生しやすくなる。
- エアコン:冷媒ガスの漏れや水分の混入、エアコンフィルターの目詰まりなど構造的要因が表面化。6月下旬から修理依頼が急増し、7月上旬では1日あたり10件以上の依頼が寄せられている。
- タイヤ:強い紫外線や高温路面によりゴムの油分が抜け、ひび割れや亀裂が進行。空気の膨張や路面との摩擦が加わることでバーストに至る事例が多い。
- 実地データ(JAF検証)
- 外気温35℃で車内温度は50℃超。サンシェード単体の効果は限定的。
- ロードサービス統計
- 2020〜2024年の救援データで8月がタイヤ関連最多。
- オートバックス東雲の現場観察
- 夏場のバースト事例が連日発生。修理や交換の依頼が早期に増加。
具体的な対策と現場からの助言
レポートは、ドライバーが猛暑期に実施すべき具体的な点検項目や日常管理方法を提言しています。単なる一般論ではなく、データと現場の声を踏まえた実務的な助言が中心です。
以下は、レポートで提示された主要な対策です。
- バッテリーの点検と早期交換:高温期はバッテリー劣化が進みやすいため、始動時のチェックや定期点検で予兆を捉える。古いバッテリーは熱で一気に性能低下するため早めの交換を検討する。
- エアコンの事前点検:冷媒漏れやフィルター目詰まりは早期の整備で防げる。6月下旬から修理依頼が増加する傾向があるため、暑さが本格化する前の点検を推奨。
- タイヤの空気圧とゴム面の点検:走行前の空気圧確認、ひび割れの有無確認、製造年や摩耗のチェックを怠らない。高温路面での空気膨張や表面劣化がバーストにつながる。
- 車内温度管理の限界を理解する:サンシェードは一定の効果があるが、車内温度を完全に防ぐものではない。JAF検証の数値(外気35℃で車内50℃超)を踏まえた運用が必要。
これらの対策は、日常的な点検を習慣化することで猛暑によるトラブル発生確率を低減できます。誤った対応によりリスクを高める事例もあるため、専門家の診断を受けることが有効です。
報告書・資料の入手方法、問い合わせ、会社情報と要点の整理
詳細レポートはWeb上で公開されており、記事とPDFレポートの両方が提供されています。記事は以下のURLで、PDF版は別のURLで参照可能です。利用にあたっては出典を明記することが条件とされていますが、データの加工・改変は不可となっています。
- 記事URL:https://carmo-kun.jp/column/newcar/heatwave-car-issues/
- PDFレポート:https://carmo-kun.jp/docs/magazine/heatwave_car_issues_report.pdf
本件に関する問い合わせや取材依頼は以下の連絡先が案内されています。なお、報道関係者等が利用する際は出典明記の条件が適用されます。
問い合わせ先:カルモマガジン編集部(メール)carmo_mag.navi@nyle.co.jp
また、レポートを公開したナイル株式会社の会社概要は以下のとおりです。事業内容として自動車産業DX事業とホリゾンタルDX事業を掲げています。
- 会社名:ナイル株式会社
- 所在地:東京都品川区東五反田1-24-2 JRE東五反田一丁目ビル7F
- 設立:2007年1月15日
- 代表者:代表取締役社長 高橋 飛翔
- URL:https://nyle.co.jp/
以下の表は、本記事で取り上げた主要なデータと要点を整理したものです。数値や出典を明示して、重要な情報を一目で確認できるようにしています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| レポート公開日 | 2025年8月12日 11時00分(ナイル株式会社/カルモマガジン) |
| 調査概要 | 調査対象:5,000人(実施)/有効回答数:車所有者2,781人/調査期間:2025年6月17日〜6月20日/調査方法:インターネット調査(Freeasy使用) |
| 暑さによるトラブル経験率 | 約22% |
| 主なトラブル内訳(割合) | バッテリー 37.2%、エアコン 36.3%、タイヤ 5.9%(合計で約8割) |
| JAF検証(車内温度) | 外気温35℃で車内温度:サンシェード未使用 52℃、アルミ製サンシェード装着 50℃(2012年ユーザーテスト) |
| 救援データの傾向 | 2020〜2024年度のロードサービス救援データで、タイヤ関連(パンク、バースト、エア圧不足)は8月が最多 |
| 現場の報告 | オートバックス東雲:バースト車両のレッカー搬送が連日発生。エアコン修理の依頼は6月下旬から急増、7月上旬で1日10件以上 |
| 資料・リンク | 記事:https://carmo-kun.jp/column/newcar/heatwave-car-issues/ / PDF:https://carmo-kun.jp/docs/magazine/heatwave_car_issues_report.pdf |
| 問い合わせ先 | カルモマガジン編集部:carmo_mag.navi@nyle.co.jp |
| 公開元 | ナイル株式会社(東京都品川区、設立2007年1月15日、代表 高橋 飛翔) |
以上が「猛暑と車両トラブルに関する調査レポート」の要点とデータの整理です。猛暑期に発生しやすいトラブルの傾向と原因、現場での実情、そして対策を具体的に示すことで、ドライバーや関係者が適切な予防・対応を行えるように構成されています。出典を明記することで、報道・参考資料としての利用が可能です。
参考リンク: