柏崎市、バクラクビジネスカード導入で透明性と効率化
ベストカレンダー編集部
2025年8月12日 11:42
柏崎市がバクラク導入
開催日:8月12日
柏崎市が選んだ理由──自治体運用に適合するガバナンス強化と透明性
2025年8月12日、株式会社LayerXは法人向けAIビジネスカード「バクラクビジネスカード」が新潟県柏崎市に導入されたことを発表しました。発表日時は同日午前9時で、導入の背景には自治体特有の法令遵守・会計監査対応と、決済業務効率化の両立を求める要請があります。
柏崎市では、職員がクレジットカードを利用する場合に契約締結や支出負担行為に関する事前の権限委任が必要であり、会計管理者は支出が法令や予算に適合しているか、債務が確定しているかを確認する義務を負っています。このため、決済後の請求に対して誰が支出を行ったかを特定できる仕組みが不可欠でした。
- 導入で期待される効果(要点)
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- 透明性の向上:カード所有者の設定と明細のリアルタイム確認により、どの職員がどの支出を行ったかを把握可能にします。
- 適正な運用:支出命令や検査の権限を有さない職員による不適切な利用を抑止します。
- 業務効率化:経費照合や会計処理の負担を軽減し、事務作業の効率化に寄与します。
バクラクビジネスカードの主な機能と運用上の特徴
バクラクシリーズは稟議、経費精算、法人カード、請求書受取・発行、勤怠管理などを含むAIクラウドサービス群であり、バクラクビジネスカードはその一要素として、カード利用前後の業務を含めた効率化を図ります。製品サイトは https://bakuraku.jp/ にあります。
カードの運用面では、導入自治体の運用制約に合わせて柔軟に設定できる点が特徴です。利用料が無料で、即日追加発行が可能、与信枠については5億円以上の実績があると明示されています。内部統制と証憑管理の効率化を重視した設計で、用途ごとに従業員へ何枚でも発行できる点も運用上の利便性を高めます。
不正利用防止の4つの決済制限とその運用
自治体での導入において最も注目されたのは、不正利用防止機能です。LayerXの自社調査(2025年6月時点)では、バクラクビジネスカードの不正利用防止機能は国内トップクラスと位置づけられています。
4つの決済制限は、利用用途の逸脱を防ぎ、自治体向けの厳格なガバナンス要件を満たすよう設計されています。各カードごとに制限内容をカスタマイズ可能で、決済後すぐに通知が届くため、不正の早期検知につながります。
| 制限項目 | 説明 |
|---|---|
| 決済先 | 許可された事業者やカテゴリにのみ決済を許可し、意図しない決済先への利用を制限します。 |
| 利用上限金額 | 単回または期間単位での上限金額を設定し、高額な不正利用や誤使用を防ぎます。 |
| 利用期間 | 特定の期間のみ利用可能とすることで、用途に応じた一時的な発行やキャンペーン対応を可能にします。 |
| 通貨 | 利用可能な通貨を制限し、海外決済や不適切な通貨利用を抑止します。 |
AIによる経費精算プロセスの効率化と柏崎市での導入方針
バクラクビジネスカードは、カード利用と経費精算の接続をAIで実現します。職員がスマートフォンで領収書を撮影してバクラクにアップロードすると、AIが自動でカード利用明細とマッチングし、経費の照合を迅速に完了させます。領収書は最大100件までまとめてアップロード可能で、1件ずつアップロードする手間を削減します。
AIは過去の仕訳データを学習し、組織ごとの会計ルールに基づいた仕訳データを自動生成します。利用を重ねるほど最適化が進み、記載ミスや仕訳の揺れを抑えることが期待されます。
- 柏崎市の導入スコープ
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- まずは一部の所属で利用を開始し、運用状況を確認しながら活用シーンを段階的に拡大する方針。
- 職員による不正利用の防止を重視し、制限機能とリアルタイム通知を組み合わせた運用を想定。
柏崎市 元気発信課の阿部洋和氏は、SNSやオンライン会議などクレジットカード支払いが必要なサービスの増加に伴い、既存の支払事務から大きく逸脱することなく適正に管理できる仕組みを検討した結果、バクラクビジネスカードを選定した旨をコメントしています。
LayerXの事業概要、関連サービスと導入資料、記事のまとめ
LayerXは「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げるテクノロジー企業で、2018年8月に設立されました。主力のAIクラウドサービス「バクラク」を中心に、SaaS+Fintech領域で事業を展開しています。代表者は代表取締役CEO 福島良典、代表取締役CTO 松本勇気、所在地は東京都中央区築地1-13-1 銀座松竹スクエア5階です。資本金(準備金含む)は132.6億円と公表されています。
LayerXが提供する主な関連サイトとサービスは以下の通りです。
- バクラク(サービス):https://bakuraku.jp/
- バクラクビジネスカード:https://bakuraku.jp/card
- Ai Workforce:https://getaiworkforce.com
- 三井物産デジタル・アセットマネジメント:https://corp.mitsui-x.com/
- オルタナ(ALTERNA):https://alterna-z.com/
- LayerX コーポレートサイト:https://layerx.co.jp/
- お問い合わせ:https://layerx.co.jp/contact
なお、2025年4月に施行された改正旅費法により、全国の自治体で法人向けクレジットカード導入の動きが加速していることも注記されています。LayerXは導入時の不安を払拭するため、導入の選び方や自治体活用事例をまとめた資料を用意しているとしています(資料ダウンロード案内あり)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 導入先 | 新潟県柏崎市(柏崎市長:櫻井雅浩) |
| 発表日 | 2025年8月12日 09:00(LayerX発表) |
| 製品名 | バクラクビジネスカード(バクラクシリーズの法人向けAIビジネスカード) |
| 主な機能 | カード所有者設定、明細のリアルタイム確認、AIによる領収書と明細の自動マッチング、領収書100件一括アップロード、仕訳自動生成 |
| 不正防止機能 | 決済先、利用上限金額、利用期間、通貨の4つの決済制限と決済通知 |
| 運用上の特徴 | 利用料無料、即日追加発行、与信枠5億円以上の実績、用途別に複数発行可 |
| 関連法令等 | 改正旅費法(2025年4月施行)に伴う自治体でのカード導入の加速 |
| 提供企業 | 株式会社LayerX(設立:2018年8月、資本金(準備金含む)132.6億円、所在地:東京都中央区築地) |
本稿はLayerXの発表内容に基づき、柏崎市での導入背景、バクラクビジネスカードの機能および運用方針、LayerXの企業情報と関連資料について整理したものです。導入に際しては自治体の法令・通達に準拠した運用設計が重要であり、今回の導入はその実務的な対応を目指した選択であるとまとめられます。