ペルー大阪ロードショー2025、観光戦略と持続可能性を提示

ペルー大阪ロードショー

開催日:8月8日

ペルー大阪ロードショー
このロードショーって何のために開かれたの?
大阪・関西万博と連動し、パンデミック後にペルーが日本やアジア市場へ本格的に再アプローチするための商談イベント。観光商品と持続可能性を訴求し、販売や提携の具体化を目指した。
日本向けにはどんな観光商品が提案されたの?
文化体験型の周遊やマチュピチュ保全に結びつくツアー、アマゾンのエコロッジやラグジュアリーなリバークルーズなど、FIT向けの高付加価値で環境配慮型の商品が中心だった。

大阪・関西万博と連動した「ペルー大阪ロードショー2025」の狙いと開催概要

ペルー貿易観光推進庁(PROMPERÚ)は、2025年8月8日(金)にリーガロイヤルホテル大阪で旅行業界関係者を対象とした「ペルー大阪ロードショー2025」を開催しました。プレスリリースはペルー貿易振興局東京事務所が2025年8月13日18時36分に発表しています。本イベントは大阪・関西万博の開催に合わせて実施され、パンデミック以降、ペルーが日本市場で実施する初の本格的な商談イベントに位置づけられます。

当日は全国から旅行会社、ランドオペレーター、メディア関係者が多数来場し、会場は活気にあふれました。イベントは午前と午後の2部構成で行われ、アジア市場向けの販売機会の創出や新たな連携に向けた具体的な商談が多数行われています。本章では開催の目的、日時、会場、構成といった基本事項を整理します。

  • 開催日:2025年8月8日(金)
  • プレスリリース発表日時:2025年8月13日 18:36
  • 会場:リーガロイヤルホテル大阪
  • 主催:ペルー貿易観光推進庁(PROMPERÚ)
  • 対象:旅行会社、ランドオペレーター、メディア関係者など旅行業界関係者

イベントの位置づけと目的

このロードショーは、パンデミック後に本格化したペルーの対日商談の再始動を象徴する催しです。特に大阪・関西万博という国際的な注目イベントと連動させることで、ペルーの観光資源をアジア市場で改めて強く訴求することを目的としています。

目的は明確で、地域活性化、雇用創出、持続可能な成長という観光を通じた国づくりに寄与する点をアピールすること、ならびにアジア市場に向けた長期的なビジネスパートナーシップを構築することです。これらは主催者や業界代表の発言からも一貫して示されています。

出展企業と紹介された観光商品 — 多様な提案と持続可能性の重視

当日はペルーを代表する13社の旅行関連企業が来日し、アジア市場向け観光商品や持続可能な観光の取り組みを紹介しました。出展企業はB Corp認証を持つ企業からラグジュアリーなクルーズ事業者、現地密着型の体験を重視する事業者まで多岐にわたります。

紹介された商品群は、文化体験型、環境配慮型、ラグジュアリーFIT(個人旅行)向け、没入型ツアー、リバークルーズなど多様です。各社は環境や地域社会への配慮を明確に打ち出し、責任ある観光(responsible travel)を前提にした提案を行いました。

出展企業一覧と各社の特徴

出展した13社は次の通りです。以下のリストは、各社の主な特性を併記しています。

  • Nassf Travel(B Corp):B Corp認証を取得し、社会的責任と持続可能性を組み込んだ商品提案。
  • Condor Travel:総合的な旅行手配能力と日本市場向けの対応力。
  • Aqua Expeditions:ラグジュアリーなリバークルーズを提供。
  • Amazon Explorama Lodges:アマゾン地域でのエコロッジ運営と現地体験。
  • Latin American Trips DMC:地域ネットワークを活かしたDMC(デスティネーションマネジメント)機能。
  • Lima Tours:首都リマを拠点とした文化観光や周遊プラン。
  • Perú Jamuy Travel:没入型体験を重視するツアーの企画実施。
  • Perú VIP Luxury Travel:高付加価値のプライベート旅行提案。
  • Delfin Amazon Cruises:アマゾン川のラグジュアリークルーズ運航。
  • SATS Peru:地域観光と運営の融合による商品設計。
  • PDS Viajes:現地視点を生かした体験型ツアー。
  • Explorinka:冒険的要素を取り入れたツアー企画。
  • Perú A Travel:日本市場向けの個人手配旅行商品の提案。

これらの企業は単に商品を並べるだけでなく、地域コミュニティの参画や文化遺産保護、環境保全といった観点を商品設計の中心に据え、参加者に対してその具体的な取り組みも説明しました。

具体的な商品例とサステナビリティの取組

紹介された商品には、マチュピチュを含む文化遺産の保護と結びつけたツアー、アマゾン熱帯雨林でのエコツーリズム、ラグジュアリーなアマゾンリバークルーズ、地域文化と深く触れ合う没入型プログラムなどがあります。これらは高付加価値のFIT向け商品として日本市場に提案されました。

特にマチュピチュは「新・世界七不思議」の中で唯一、カーボンニュートラル・デスティネーションとして認証を受けており、ペルー側が掲げる持続可能な観光モデルの象徴と位置づけられています。地域コミュニティの参画や長期的な保全策が観光モデルの中核として説明されました。

商談の内容、参加者構成と主要発言 — アジア市場への具体的な働きかけ

会場にはアジア各国・各都市から多数の旅行会社が参加し、活発な一対一の商談が行われました。参加の内訳としては、インドから7社、韓国から4社、上海から3社、台北から2社、日本から12社、北京から3社と、広域なアジアネットワークが結集しています。

午前と午後の2部構成のセッションを通じて、販売機会の創出や新たな連携に向けた具体的な話し合いが多数実施され、商談の場では個別の提携や商品企画の詳細に踏み込んだやり取りが見られました。

開会の挨拶と業界代表の発言

オープニングにはペルー共和国2025年大阪・関西万博政府代表(General Commissioner)であるダニエル・カベロ氏(お名前タイトル確認)が登壇し、「このロードショーは、地域活性化、雇用創出、持続可能な成長といった観光を通じた国づくりの実現に寄与する重要な機会である」と述べました。主催側がイベントの社会的な意義を強調する場となりました。

続いて、ペルー全国観光商工会議所(CANATUR)第一副会頭のマリッツァ・ロドリゲス・ラライン氏は、「本商談会はアジアとペルーの観光事業者の間で新たな連携を育む戦略的プラットフォームである」と述べ、長期的なビジネスパートナーシップの構築に期待を示しました。これらの発言は、単発の商談会に留まらない持続的な協力関係構築の意図を示しています。

ネットワーキングと政府代表の挨拶

イベントの最後に行われたネットワーキングレセプションでは、ペルー共和国通商観光大臣 ウルスラ・デシル・レオン・チェンペン氏が登場し、来場者に向けて挨拶を行いました。同大臣はアジア地域との観光交流をさらに深めたい旨を述べ、訪日関係者への謝意を表しました。こうした政府レベルでの参加は、ビジネスマッチングだけでなく国としての連携姿勢を示す重要な要素です。

また、商談の過程で示されたデータとして、2023年から2024年にかけて日本からペルーへの渡航者数が86.3%増加している点が挙げられています。これは体験型やサステナブル志向の旅行を好む日本人旅行者との親和性が高いことを裏付ける数字として紹介されました。

ペルー貿易観光推進庁(PROMPERÚ)についてとまとめ

ペルー貿易観光推進庁は、国際観光の振興、輸出促進、外国投資の誘致を通じて、ペルーのナショナルブランドを世界に発信する政府の公式機関です。持続可能な観光の推進に力を入れており、ペルーの豊かな文化と自然の魅力を紹介する役割を担っています。

日本向けの情報発信として、日本公式ウェブサイト(www.peru.travel/jp)、日本公式Instagram(@visitperu.jp)、日本公式Facebook(VisitPeru Japan)が案内されています。これらの媒体を通じて、引き続き日本市場への情報提供と連携強化が進められています。

イベントで明らかになったポイント

本ロードショーでは次の点が明確になりました:ペルーは持続可能性と地域コミュニティ参画を観光政策の中核に据えており、マチュピチュのような世界的観光地の長期保全に取り組んでいること、そしてアジア市場向けにラグジュアリーかつ体験重視のFIT商品を積極的に提案していることです。

また、実務面では商談を通じて具体的な販売機会や連携案が提示され、今後の取引や共同商品開発につながる可能性が示唆されました。参加者の国別内訳や各社の取り組み、政府関係者の参加など、イベントの構成要素が一貫してペルーの観光戦略を支える形となっています。

イベントの要点を整理したまとめ表

下表は本記事で紹介した「ペルー大阪ロードショー2025」の主要情報を整理したものです。開催の基本情報、参加企業、参加者構成、特徴的な発言や数値を一覧できるようにまとめています。

項目 内容
イベント名 ペルー大阪ロードショー2025
開催日 2025年8月8日(金)
会場 リーガロイヤルホテル大阪
主催 ペルー貿易観光推進庁(PROMPERÚ)
プレスリリース発表 ペルー貿易振興局東京事務所/2025年8月13日 18:36
出展企業(13社)
  • Nassf Travel(B Corp)
  • Condor Travel
  • Aqua Expeditions
  • Amazon Explorama Lodges
  • Latin American Trips DMC
  • Lima Tours
  • Perú Jamuy Travel
  • Perú VIP Luxury Travel
  • Delfin Amazon Cruises
  • SATS Peru
  • PDS Viajes
  • Explorinka
  • Perú A Travel
参加者構成(国・都市別/主な数) インド7社、韓国4社、上海3社、台北2社、日本12社、北京3社 ほか
セッション構成 午前・午後の2部構成で一対一商談を中心に実施
政府・業界代表の発言 ダニエル・カベロ氏(General Commissioner、表記:ダニエル・カベロ氏(お名前タイトル確認))が地域活性化・持続可能成長への寄与を強調。CANATUR第一副会頭マリッツァ・ロドリゲス・ラライン氏がアジアとペルーの連携促進を示唆。通商観光大臣ウルスラ・デシル・レオン・チェンペン氏がレセプションで挨拶。
注目の数値 2023年→2024年の日本からペルーへの渡航者数は86.3%増加
ペルー側の観光方針 文化遺産保護と環境保全を両立、地域コミュニティ参画を中核に据えた持続可能な観光モデル
日本向け情報 公式サイト:www.peru.travel/jp、Instagram:@visitperu.jp、Facebook:VisitPeru Japan

以上が「ペルー大阪ロードショー2025」の主な内容の整理です。イベントはアジア市場への本格的なアプローチの場として、多様な商品提案と政府・業界による持続可能性の訴求が同時に示された点が特徴です。