約8割が好意的に評価 学生が重視するリモート勤務の条件

学生のリモート志向調査

開催日:8月18日

学生のリモート志向調査
リモート制度があると本当に志望度って上がるの?
単回答で33.2%、"どちらかと言えば"を合わせると77.5%で約8割が好意的。ただしフルリモートには慎重な意見や運用面の確認を求める声も多く、制度だけで即決する学生ばかりではありません。
企業はどうやって学生にリモートの良さを伝えればいい?
制度の有無だけでなく、出社頻度や業務との整合性、相談体制や評価方法など運用の具体性を示すことが重要。実際の働き方やチームサポートを明確に伝えると効果的です。

リモート勤務制度が学生の志望意欲に与える影響:概況とポイント

株式会社学情は2025年8月18日付で、2027年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象に「リモート勤務」に関するインターネットアンケート結果を発表しました。調査期間は2025年6月30日から7月13日、Web上でのアンケートにより有効回答数は289件です。調査対象はスカウト型就職サイト「Re就活キャンパス」へのサイト来訪者であり、2025年3月1日付であさがくナビからブランドリニューアルしたサイトを含みます。

結果の概要として、リモート勤務制度がある企業について「志望度が上がる」と回答した学生は単回答で33.2%、これに「どちらかと言えば」を合わせると計77.5%となり、学生の約8割がリモート制度を好意的に評価していることが示されました。学生からは「柔軟な働き方ができて生活と仕事のバランスを取りやすくなる」「通勤時間が短縮され、他のことに使える時間が増える」「社員の生活のことを考えている会社だと思える」といった具体的な期待が寄せられています。

8割近い学生、リモート勤務制度がある企業は「志望度が上がる」。優先度は「最優先ではないが重視」が最多。「出社基本でリモートはあったら嬉しい」の声 画像 2

調査の位置付けと背景

調査はコロナ禍で進んだリモートワークの普及と、パンデミック収束後のオフィス回帰という潮流を踏まえて実施されています。コロナ禍を機に普及したリモート会議やオンライン商談、フルリモートや居住地自由といった出社しない働き方が注目される一方で、リアルの価値を再評価する動きも見られます。本調査は2027年卒の学生がリモート勤務をどのように受け止め、就活でどの程度重視するかを明らかにすることを目的としています。

以下では、主要な調査結果を項目ごとに整理し、学生の声や企業側が留意すべき点を具体的に示します。調査はスカウト型就職サイトの来訪者を対象としたWeb調査であり、有効回答数は289件です。なお、各項目の数値は小数点第二位を四捨五入し小数点第一位までを表記しているため、択一式回答の合計が必ずしも100.0%にならない場合があります。

8割近い学生、リモート勤務制度がある企業は「志望度が上がる」。優先度は「最優先ではないが重視」が最多。「出社基本でリモートはあったら嬉しい」の声 画像 3

学生が挙げるリモート勤務の利点と懸念

学生がリモート勤務制度に期待する代表的な利点は、生活と仕事のバランスの取りやすさ、通勤時間の削減、企業の配慮が感じられる点です。これらは志望度の向上に直結しており、働き方の柔軟性を重視する傾向が明確に見えます。

一方で懸念点や条件付きの受容も示されており、特にフルリモートや居住地自由については利点を挙げる声がある一方で「相談体制」「モチベーション維持」「実際に出社したい」という意見もあります。単に制度があるだけでなく、運用面や職務内容との整合性が判断材料になることが示唆されます。

学生の具体的な声(抜粋)

  • 「柔軟な働き方ができて生活と仕事のバランスを取りやすくなる」
  • 「通勤時間が短縮され、他のことに使える時間が増える」
  • 「社員の生活のことを考えている会社だと思える」
  • 「自分の生活スタイルや体調に合わせて柔軟に働ける点に魅力を感じる」
  • 「親の介護で地元に戻る可能性がゼロではないので有利」
  • 「普通に出社したい」「相談しやすい体制があるか確認したい」「フルリモートではモチベーションが下がるかも」

これらの声は、リモート制度が単なる福利厚生ではなくライフステージや仕事の進め方に直結する要素であることを示しています。学生は制度の有無だけでなく、その運用やチーム体制、職務の性質に関する情報を重視しています。

フルリモート/居住地自由の評価と、重視度の内訳

フルリモートや居住地自由の制度がある企業については、単回答で「志望度が上がる」が33.2%、これに「どちらかと言えば」を合わせると計72.6%となり、約7割強が好意的に評価しています。生活スタイルや家族の事情を踏まえた柔軟性が支持されている一方で、完全フルリモートに対する慎重な意見も存在します。

就職活動におけるリモート勤務の有無の重視度については、「最優先で重視する」が11.4%、「最優先ではないが重視する」が42.9%であり、「最優先ではないが重視する」が最多となりました。つまり、リモート制度は重要な判断材料ではあるが、仕事の内容やチームとの連携といった別の基準との兼ね合いで総合判断される傾向があります。

重視度に関する学生の考え(代表的意見)

最優先で重視する(11.4%)
勤務形態を最重要視し、企業選定の第一条件とする層。生活と仕事の両立を最優先に考える。
最優先ではないが重視する(42.9%)
働きやすさとして制度を評価するが、仕事内容やチームとの関係性がより重要であり、リモートの有無だけで決定しないとする意見が多い。

これらの内訳は、企業側が制度を提示する際に、その目的や運用方法を明確に伝える必要性を示しています。制度があること自体は志望度向上に寄与するが、具体的な運用やチームサポートの有無が志望度の最終的な判断に影響します。

調査概要、株式会社学情の紹介と主要数値の整理

本章では調査のメタ情報と、発表元である株式会社学情の概要を整理します。調査期間や対象、回答数といった基本情報を記載するとともに、学情の事業背景やサービスについて説明します。

株式会社学情は東証プライム上場で経団連加盟企業です。2004年から「20代通年採用」を提唱し、20代・30代の採用支援サービスを中心に展開しています。会員数260万人の20代向け転職サイト〈Re就活〉(2019年~2024年 東京商工リサーチ調査 20代向け転職サイト 第1位)や会員数60万人のスカウト型就職サイト〈Re就活キャンパス〉などを運営し、若手人材の採用支援に長く関与しています。

調査名 リモート勤務に関するインターネットアンケート
発表者 株式会社学情
発表日時 2025年8月18日 10時00分
調査期間 2025年6月30日~2025年7月13日
調査対象 スカウト型就職サイト「Re就活キャンパス」へのサイト来訪者(2025年3月1日よりブランドリニューアル)
有効回答数 289件
調査方法 Web上でのアンケート調査
データ表記について 各項目の数値は小数点第二位を四捨五入し小数点第一位まで表示。択一式回答の合計が100.0%にならない場合あり。

株式会社学情の事業・沿革の要旨としては、創業1976年、資本金15億円、各種加盟団体(一般社団法人 日本経済団体連合会、公益社団法人 全国求人情報協会等)に属しています。主力サービスの他にも「合同企業セミナー」「転職博」「就職博」の運営や、2019年に立ち上げた外国人材の就職・採用支援サービス『Japan Jobs』など、多様な採用支援サービスを提供しています。詳細は学情の公式サイト(https://company.gakujo.ne.jp)および関連リンク(https://service.gakujo.ne.jp/jinji-library/report/250818/)を参照してください。

本記事のまとめ

本調査は、リモート勤務制度が学生の企業志望度に与える影響を定量・定性の両面から明らかにしています。制度そのものは志望度向上に寄与する一方、フルリモートや居住地自由に関しては活用のしやすさや社内体制、仕事内容との相性が重視される点が確認されました。

以下の表は、本記事で取り上げた主要データとポイントを整理したものです。調査の基本情報、主要な割合、学生の代表的な声を簡潔にまとめています。

項目 内容(要点)
発表 株式会社学情(発表日:2025年8月18日 10時00分)
調査期間 2025年6月30日~2025年7月13日
対象・方法 「Re就活キャンパス」来訪者へのWebアンケート、有効回答289件
リモート制度の志望度 「志望度が上がる」33.2%、”どちらかと言えば”を含めて77.5%
フルリモート等の志望度 「志望度が上がる」33.2%、”どちらかと言えば”を含めて72.6%
重視度の内訳 「最優先で重視する」11.4%、”最優先ではないが重視する”42.9%(最多)
学生の主な期待 生活と仕事のバランス向上、通勤時間削減、企業の配慮を評価
学生の主な懸念 相談体制の有無、モチベーション維持、出社の希望との兼ね合い
学情の事業概要 東証プライム上場、20代向けサービスを中心に会員数260万人など(詳細は公式サイト)

本調査は、リモート勤務制度に対する現時点の学生の意識を示すものであり、企業が採用条件や働き方を設計する際の参考データとなります。制度の有無だけでなく、その運用方法や職務との整合性、チームサポート体制が学生の評価に影響する点が重要です。

参考リンク: