9月開始の進路支援『ミライステップ』鹿島朝日で始動

通信制高校の現状と「ミライステップ」が目指す役割

鹿島朝日高等学校（以下、鹿島朝日）、株式会社ジンジブ（以下、ジンジブ）、一般社団法人HASSYADAI social（以下、ハッシャダイソーシャル）は、通信制高校に通う生徒の「進路未決定」という課題に対処するための進路支援プロジェクト「ミライステップ」を共同で立ち上げ、鹿島朝日の生徒向けに2025年9月から運用を開始します。発表は2025年8月22日付で行われ、プロジェクト全容を説明するオンライン説明会が2025年8月27日（水）11:00〜12:00に開催されます。

通信制高校は多様な学びの選択肢として生徒数が増加している一方で、進路支援の充実が求められており、特に「進路未決定」のまま卒業するケースが社会的な課題となっています。こうした背景を受け、学校と支援団体が連携して「スキル」と「マインド」の両面から手厚い支援を行う仕組みとして本プロジェクトは設計されました。

プロジェクト立ち上げの直接的な背景には、通信制高校卒業生を対象とした調査結果があり、同調査では2022年卒業時に進路未定だった若者の41.9％が卒業2年後も「何もしていない」状態にあること、さらにそのうち59.2％がその状態を継続していることが示されています（出典：新しい学校の会「第4回通信制高校卒業生アンケート調査」）。この統計は、進路未決定が長期的なキャリアの停滞につながる可能性を示唆しています。

「ミライステップ」は、そのような負の連鎖を断ち切ることを目的に、鹿島朝日に通う進路未定の高校生を対象に個々の状況に合わせた支援を提供する取り組みです。開始にあたってはジンジブとハッシャダイソーシャルがそれぞれの専門性を持ち寄り、学校側と連携しながら進められます。

個別支援の中身：就職コースと就職準備コース

ミライステップは、生徒の希望や現状に応じて2つのコースを用意しています。それぞれのコースは目的に合わせた支援メニューを設け、必要に応じてコース間の移動も可能にすることで、生徒の成長や意向の変化に柔軟に対応します。

2つのコースは具体的に次のとおりです。どちらのコースも個別面談やワークショップを中心に構成され、本人の主体性を引き出すことを重視します。

• 就職コース（ジンジブ担当）
  • すぐに就職活動を開始したい生徒を対象に、内定獲得までの伴走支援を実施。
  • 社会人マインドの育成、履歴書の作成指導、面接練習などを個別対応で提供。
  • 希望者は企業でのインターンシップに参加可能で、現場体験を通じて実践力を高める。
• 就職準備コース（ハッシャダイソーシャル担当）
  • 自分が何をしたいかわからない、就職に対する漠然とした不安を抱える生徒向け。
  • 2ヶ月間のワークショップや個別面談を中心に、自己肯定感の向上と主体的なキャリア形成力を育成。
  • ワークショップ終了後、就職希望者は就職コースへ、進学希望者は進学支援へと移行可能。

支援の全体的な流れは、初回面談で現状と希望を把握し、適性や関心に応じてコースを決定。期間中は定期的な面談と評価を行い、必要に応じてコースを横断して支援が継続されます。卒業年度の生徒を主な対象としてまず実施し、将来的には卒業生や早期離職者を含めたサポートへと拡大する計画です。

以下は支援の流れを整理したものです。各ステップでの具体的な支援内容を明示し、進路決定までの道筋を見える化する工夫が施されています。

初期面談・アセスメント

生徒の学習状況、生活状況、進路意向を把握し、適切なコースを選定します。

コース実施（就職コース／就職準備コース）

個別指導、ワークショップ、模擬面接、履歴書添削、企業インターンなどを通じた実務的支援。

移行・フォロー

必要に応じてコース間の移行を行い、卒業後の状態まで見据えたフォローアップを計画。

関係者コメント：鹿島朝日・ジンジブ・ハッシャダイソーシャルの見解

鹿島朝日高等学校 キャリアサポートセンター長 三澤和馬のコメントでは、「生徒一人ひとりの適性や興味、目標を多角的に分析し、最適な進路選択をサポートする」と説明されています。学校として学力やメンタルなど個別の支援と合わせて、進路の実現に向けた実務的な支援を行う意向が示されています。

三澤氏は、本システムによって生徒が「自信を持ってミライへのステップを踏み出せる」よう支援することを明確に述べています。学校側は本プロジェクトを通じて、在学中の支援を強化し、卒業後の長期的なキャリア安定を目標に据えています。

ジンジブからのコメント（星野 圭美・取締役）

ジンジブは高卒就職支援の実績を持ち、星野氏は「これまで培ってきた高卒採用支援・高卒就職支援のノウハウを活かす」と述べています。具体的には、履歴書指導や面接対策、企業とのマッチング支援をマンツーマンで行い、内定獲得まで伴走する方針です。

星野氏は、ミライステップが通信制高校の生徒にとって「未来への一歩を踏み出すきっかけ」になることを期待するとし、支援の実効性を高めるための現場連携を重視する姿勢を示しています。

ハッシャダイソーシャルからのコメント（森本 瑛・スクール事業部）

ハッシャダイソーシャルは鹿島朝日との連携が5年目に入り、これまでもマインドセット支援や体験型プログラムを展開してきました。森本氏は「ワークショップや個別面談を組み合わせ、スキルとマインドの両面から伴走する」と述べています。

同法人は、若者が自分の人生を自分で選べるようにすることを目的に、教育現場や支援施設での実践を重ねており、今回のプロジェクトでも自己肯定感の醸成と主体的な意思決定支援を中心に据えた支援を行うとしています。

説明会・申し込み方法、連絡先とまとめ

オンライン説明会の開催概要は次のとおりです。対象は鹿島朝日関係者で、保護者や報道機関も参加可能とされています。生徒向けのガイダンスは別途開催される予定です。

説明会の参加申込は指定のフォームから行います。説明会ではプロジェクトの全容や運用スケジュール、参加の流れ、支援内容の詳細について丁寧に説明されます。

• 日時：2025年8月27日（水）11:00〜12:00
• 参加対象：鹿島朝日関係者（保護者・報道機関の参加可）
• 参加方法：申込フォーム https://forms.gle/2oi2jcYefW4QCwQD8
• 生徒向けガイダンス：後日開催（別途案内）

説明会・プロジェクトに関する問い合わせ先は鹿島朝日東京事務局（担当：三澤、徳弘）となります。連絡先は以下のとおりです。

メール

k.misawa@kashima-asahi.ac.jp

電話

03-6709-9266

また、支援団体への個別お問い合わせはそれぞれのフォームから受け付けています。ジンジブの問い合わせフォームは https://share.hsforms.com/1fIDvU6W3QNGKlBLgbhFqMAc7eqs、ハッシャダイソーシャルの問い合わせフォームは https://social.hassyadai.com/contact です。

以下の表は、本記事で取り上げた主要項目を整理したものです。プロジェクトの目的、開始時期、コース構成、説明会情報、問い合わせ先、関係団体の基本情報を一目で確認できます。

以上が本件の主要なポイントと連絡先のまとめです。ミライステップは、通信制高校の生徒が在学中に主体的に進路を描き、卒業後の長期的な安定につなげることを目標としており、まずは卒業年度の生徒に対する手厚い支援を提供する形で運用を開始します。説明会への参加や問い合わせは上記のフォーム・連絡先をご活用ください。