セコムが音声AI「Voice Contact」導入、後処理を短縮

セコムに音声AI導入

開催日:8月29日

Voice Contactって具体的に何ができるの?
通話内容をリアルタイムで高精度にテキスト化し、生成AIで重要ポイントを自動要約。要約はCRM項目に合わせて抽出・表示され、ワンクリックで登録支援まで行う音声AIプラットフォームです。
導入でオペレーターの業務はどう変わるの?
通話終了後の後処理(ACW)が大幅に短縮され、要約を確認してCRMへ登録するだけに。対応件数増加や顧客対応の質向上、運用コスト最適化が見込めます。

セコムのコンタクトセンターに導入された新たな音声AI基盤「Voice Contact」

2025年8月29日16時、Hmcomm株式会社は、セコム株式会社のコンタクトセンター業務へAI音声認識プラットフォーム「Voice Contact」を導入したことを発表しました。本導入は、セコムグループのICT・DX推進を担うセコムトラストシステムズ株式会社およびBPO事業を手掛ける株式会社TMJとの共同プロジェクトとして実施されました。導入に至った経緯、実装された機能、期待される効果、関係各社のコメントなど、プレスリリースの全情報を網羅してお伝えします。

発表元はHmcomm株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長CEO:三本 幸司)で、プレスリリース配信日時は2025年8月29日16時00分です。セコム(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:吉田 保幸)、セコムトラストシステムズ(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:西村 達之)、株式会社TMJ(本社:東京都新宿区、代表取締役:丸山 英毅)が協働して導入を進めました。

導入の背景とプロジェクト体制

セコムのコンタクトセンターでは、緊急対応を含むオペレーター業務の効率化が喫緊の課題でした。特に通話終了後に行う後処理(ACW: After Call Work)はオペレーターの業務負荷を増大させ、処理時間の長期化が顧客満足度の低下を招く可能性がありました。

こうした課題解決のため、Hmcommの「Voice Contact」によるリアルタイム音声認識と生成AIを活用した自動要約の組合せが採用されました。導入決定にあたっては、セコムグループ子会社での導入実績や、個別システムとの柔軟なインテグレーション対応力が評価されています。プロジェクトは技術検証フェーズを経て、約1年間にわたり推進されました。

共同プロジェクトの体制

本プロジェクトには以下の組織が参加しています。各社の役割分担により、システム連携・BPO・運用面の整備が行われました。

  • Hmcomm株式会社:音声認識プラットフォーム「Voice Contact」の提供、生成AI連携の実装・カスタマイズ。
  • セコムトラストシステムズ株式会社:セコムグループのICT・DX推進、システムインテグレーション支援。
  • 株式会社TMJ:BPOサービスの提供・運用支援。
  • セコム株式会社:コンタクトセンター業務要件の提示、運用評価。

Voice Contactの主要機能と実装内容

Voice Contactはコンタクトセンター業務に特化したAI音声認識プラットフォームです。音声認識技術と生成AIを組み合わせ、通話内容のリアルタイムテキスト化から自動要約、既存CRMへの連携まで一連の後処理フローを自動化します。

今回の導入で実装された主な機能は以下のとおりです。セコムのシステム環境と業務フローに合わせた専用設定およびシステム連携開発が行われています。

機能 概要
AI音声認識(リアルタイム) 通話中の音声を高精度でテキスト化し、オペレーターが通話中に内容を把握できる。
生成AI連携による自動要約 通話終了と同時に、重要ポイントを自動で要約・整理。要約はCRMの項目に合わせた形式で抽出可能。
CRM連携 Voice Contact上で要約結果を確認し、オペレーターはワンクリックでコピー&ペーストによりCRMへ登録できる仕組み。
柔軟なカスタマイズ セコム固有の業務特性や緊急対応を考慮した個別設定と連携開発。

技術的特長

Voice Contactは産総研(AIST)の音声処理技術を基盤とする高精度な認識エンジンを採用しています。また、リアルタイム処理が可能で、通話中にテキスト化してその場での情報把握や支援が可能です。生成AIは要約・重要情報抽出を行い、業務に即したフォーマットで出力します。

Hmcommは「Voice Contact」のほか、コンタクトセンター向けの「Terry」や異音検知プロダクト「FAST-D」を保有しており、音声処理・自然言語処理を一貫して提供する体制を整えています。

期待される効果と運用上のメリット

導入によって見込まれる効果は複数あります。主にACW時間の削減、業務効率化、顧客満足度の向上、運用コストの最適化が挙げられています。以下に具体的な効果を整理します。

  1. ACW時間の大幅削減:通話内容は瞬時に要約されるため、オペレーターは要約内容をチェックしてCRMへ登録するだけで後処理が完了します。
  2. 業務効率化の実現:後処理作業に要する時間が短縮されることで、オペレーターはより多くの顧客対応が可能になります。
  3. 顧客満足度の向上:オペレーターが通話対応に集中できることで、対応の質が向上し顧客満足度の改善が期待されます。
  4. 運用コストの最適化:人的リソースの有効活用により、生産性向上とコスト最適化が可能になります。

これらの効果は導入後の運用検証を通じて評価され、セコムではさらなる機能拡張や他拠点への展開、VOC(Voice of Customer)分析によるサービス品質向上も検討されています。

関係者のコメント

セコム株式会社 デジタル推進部 担当部長 藤島知樹様は次のように述べています。

「リアルタイムでの音声認識および、生成AIによる自動要約の実現には、個別システムのインテグレーションを担えるパートナーが必要でした。Hmcomm様は、音声を扱うエキスパートとして類似ケースの実績を有しており、弊社固有のシステム環境や、緊急対応を重視する業務特性をよくご理解いただいた上で、柔軟な対応をしていただきました。生成AIは技術進歩のスピードが早く、業務プロセスへの実装を検討する間に新しいモデルが出るなど、キャッチアップと柔軟な変更対応には苦労がありましたが、技術検証フェーズから約1年間にわたるプロジェクトを最後まで伴走いただき、感謝申し上げます。今後も、生成AIをはじめとした新たな技術を取り入れながら、『変わりゆく社会に、変わらぬ安心を』お届けして参ります。」

Hmcomm代表取締役社長CEO 三本幸司は次のように述べています。

「この度、業界をリードするセキュリティ企業であるセコム様に『Voice Contact』をご導入いただき、大変光栄に思います。当社が持つ生成AI技術と音声認識技術を組み合わせたソリューションが、セコム様の業務効率化に貢献できることを嬉しく思います。AI音声認識技術を活用したコンタクトセンターDXにより、従業員の皆さまの業務負荷を削減し、さらなる付加価値の高い事業の拡大をサポートさせていただければ幸いです。今後も『音』から価値を創出し、革新的サービスを提供することにより社会に貢献してまいります。」

導入の詳細と企業情報、問い合わせ先の明示

今回の導入に関する補足説明資料は「セコム株式会社様 Voice Contact導入について」として提供されています。Hmcommは導入後も継続的な機能改善とカスタマイズ対応を継続し、セコムのコンタクトセンター業務のさらなる効率化を支援していくと明示しています。

以下に、プレスリリースに含まれる各社と製品の要点、連絡先、会社情報を整理します。記事末尾には本件の要点を表形式でまとめていますので、主要事項を素早く確認できます。

プレスリリース発信元
Hmcomm株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長CEO:三本 幸司)
発表日時
2025年8月29日 16時00分
導入先
セコム株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:吉田 保幸)
共同プロジェクト
セコムトラストシステムズ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:西村 達之)、株式会社TMJ(本社:東京都新宿区、代表取締役:丸山 英毅)
問い合わせ(報道関係)
Hmcomm株式会社 IR担当:hm_ir@hmcom.co.jp
問い合わせ(企業向け)
Hmcomm株式会社 営業マーケティング部:sales_team@hmcom.co.jp
電話/FAX
TEL:03-6550-9830 FAX:03-6550-9831

Hmcommの事業概要も明示されています。設立は2012年7月24日、本社所在地は東京都港区芝大門2-11-1 富士ビル2階で、産総研発の音声処理技術を基盤とする研究・開発・サービス提供を行っています。主なプロダクトにコンタクトセンター向け「Voice Contact」「Terry」、異音検知「FAST-D」があります。公式URLはhttps://hmcom.co.jp/です。

導入内容の要点まとめ

以下の表は、本記事で触れた導入の主要事項を整理したものです。導入日、関係者、実装機能、期待効果、問い合わせ先などを一目で確認できます。

項目 内容
発表日 2025年8月29日 16:00
導入先 セコム株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:吉田 保幸)
提供者 Hmcomm株式会社(代表取締役社長CEO:三本 幸司)
共同プロジェクト セコムトラストシステムズ株式会社(西村 達之)、株式会社TMJ(丸山 英毅)
主な導入機能 リアルタイム音声認識、生成AIによる自動要約、CRM連携、柔軟なカスタマイズ
技術基盤 産総研(AIST)由来の音声処理技術を基盤とした認識エンジン/生成AI連携
期待効果 ACW時間削減、業務効率化、顧客満足度向上、運用コスト最適化
導入期間 技術検証フェーズを含め、約1年間のプロジェクト推進
問い合わせ(報道) hm_ir@hmcom.co.jp
問い合わせ(企業) sales_team@hmcom.co.jp / TEL:03-6550-9830 / FAX:03-6550-9831
会社情報(Hmcomm) 設立:2012年7月24日/所在地:東京都港区芝大門2-11-1 富士ビル2階/URL:https://hmcom.co.jp/

今回の導入は、既存のコンタクトセンター運用における後処理負荷の軽減と質の高い顧客対応の両立を目指すものであり、導入後の効果検証と追加的な機能拡張、他拠点展開の検討が予定されています。関係各社は継続的な改善と支援を通じて、業務生産性の向上とサービス品質の維持に取り組む意向を示しています。