ヒルトン×YTL提携拡大 ニセコとプーケットに4軒
ベストカレンダー編集部
2025年9月9日 09:43
ヒルトンが4軒加盟
開催日:9月8日
ヒルトンとYTLホテルズの提携拡大:4軒のラグジュアリー/ライフスタイルホテルがブランドに加わる
2025年9月8日11時00分、ヒルトンはYTLホテルズとの複数ホテルに関する契約締結を発表した。今回の合意により、ヒルトンのラグジュアリーおよびライフスタイルブランドのポートフォリオに新たに4軒が加わることになり、ブランド拡張と既存アセットのリポジショニングが進む。
発表では、日本における「タペストリー・コレクションbyヒルトン」の初進出、タイにおける「LXRホテルズ&リゾーツ」の初進出が明記されている。また、既存ホテルのリブランドによる加算と、将来開業予定の物件の計画が含まれる点が特徴である。契約発表に際してはヒルトン側、YTLホテルズ側双方のコメントが示され、戦略的な提携という位置づけが示された。
ニセコとプーケットに広がる4軒の具体的な配置と役割
今回ブランドに加わるホテルは、日本のニセコ地域に3軒、タイのプーケットに1軒の計4軒である。日本の3軒は既存のホテルやコンドミニアムからブランド変更を行うリブランド案件で、2025年中の開業を目指している。一方、プーケットの物件は新たな開業予定として2027年の開業を予定している。
各ホテルは目的地としての特色や立地、規模に応じてそれぞれ異なるヒルトンブランドに割り当てられている。ニセコの3軒はニセコビレッジスキーリゾート内に位置し、スキー場へのアクセスが良好な点が共通する。プーケットの物件は島の南端、静かなビーチフロントに位置する。
カサラ・ニセコビレッジ — LXRホテルズ&リゾーツ
カサラ・ニセコビレッジは、ヒルトンのラグジュアリーブランドである「LXRホテルズ&リゾーツ」に加わる予定である。同施設はニセコ町のアンヌプリ山麓に広がるニセコビレッジスキーリゾート内に位置する。
この物件は既存の〈全8棟のカサラ・ニセコビレッジ・タウンハウス〉からのリブランドとなる。ブランド加入後はLXRのラグジュアリー性を軸に運営される見込みで、ブランドの提供するパーソナライズされた体験やローカルに根差したラグジュアリーが組み込まれる。
- 所在地
- 北海道ニセコ町・アンヌプリ山麓(ニセコビレッジスキーリゾート内)
- ブランド
- LXRホテルズ&リゾーツ(ラグジュアリー)
- 現状
- 既存の8棟タウンハウスからのリブランド
ザ・グリーンリーフ・ニセコビレッジ — タペストリー・コレクションbyヒルトン
ザ・グリーンリーフ・ニセコビレッジは、ヒルトンのライフスタイルブランドである「タペストリー・コレクションbyヒルトン」に加わることが決定した。これは日本におけるタペストリー・コレクションの初進出を意味する。
本物件は客室数200室の既存ホテルからのリブランドであり、地元性を反映した料飲体験や洗練されたデザインを通じてブランドの個性を表現することが期待されている。2025年中の開業を目標としている。
| 所在地 | 北海道ニセコ町・アンヌプリ山麓(ニセコビレッジスキーリゾート内) |
|---|---|
| ブランド | タペストリー・コレクションbyヒルトン(ライフスタイル) |
| 客室数 | 200室(既存) |
| 現状 | 既存ホテルのリブランド(2025年中開業目標) |
ヒノデヒルズ・ニセコビレッジ — キュリオ・コレクションbyヒルトン
ヒノデヒルズ・ニセコビレッジは、ヒルトンのセレクティブな個性を重視する「キュリオ・コレクションbyヒルトン」に加わる予定で、日本国内では2軒目のキュリオ・コレクションとなる見込みである。
こちらもニセコビレッジスキーリゾート内に位置し、地元にインスパイアされたデザインとユニークなストーリー性を打ち出すことが期待される。既存施設からのリブランドとしての位置づけが明らかにされている。
- 所在地
- 北海道ニセコ町・アンヌプリ山麓(ニセコビレッジスキーリゾート内)
- ブランド
- キュリオ・コレクションbyヒルトン
- 現状
- 既存施設からのリブランド(日本で2軒目のキュリオ導入予定)
ザ・ラワイ・プーケット — LXRホテルズ&リゾーツ(新規開業予定)
ザ・ラワイ・プーケットは、プーケット島の南端に位置するビーチフロントのリゾートで、静かな環境と各種アクティビティへのアクセスの良さが特徴とされる。2027年の開業を予定し、客室数は全275室となる計画である。
この物件のLXRへの加盟は、タイにおけるヒルトンのラグジュアリーブランドの存在感を強化するものであり、プーケットを訪れるラグジュアリー志向の旅行者に向けた選択肢を増やすことになる。
| 所在地 | プーケット島(南端、ビーチフロント) |
|---|---|
| ブランド | LXRホテルズ&リゾーツ(ラグジュアリー) |
| 客室数 | 275室(開業予定:2027年) |
| 現状 | 新規開業予定 |
各ブランドの位置づけと提供されるプログラム
今回加わるブランドは、ヒルトンが定義する「ラグジュアリー」「ライフスタイル」「個性派セレクション」といったカテゴリに位置づけられており、それぞれ異なるゲスト体験を想定している。ブランド毎の規模や特色に関する記述は以下の通りである。
加えて、すべての加盟ホテルはヒルトンの受賞歴のあるゲスト・ロイヤリティ・プログラム「ヒルトン・オナーズ」を利用可能とする点が強調されている。会員向けにはポイントと現金を組み合わせた支払い機能や会員限定割引、Wi-Fiアクセス、モバイルアプリなどの特典が提供される。
LXRホテルズ&リゾーツ
LXRホテルズ&リゾーツは、ラグジュアリーな独立系ホテルを集めたコレクションブランドとして説明されている。発表文には「開業予定のホテルを含め世界で30軒以上展開している」との記述がある一方、ブランド紹介では「受賞歴を誇る16のラグジュアリーホテルからなる成長中のコレクションブランド」との表現も見られる。両方の記述が併記されている点は注意が必要である。
LXRでは「Pursuit of Adventure(冒険への追求)」というブランドシグネチャープログラムを通じて、各デスティネーション固有の体験やパーソナライズされたサービスを提供することが明記されている。LXRはヒルトンのブランドであり、ヒルトン・オナーズの特典が適用される。
- 展開規模(発表文):開業予定を含め世界で30軒以上(発表文)
- ブランド紹介の表記:16のラグジュアリーホテル(ブランド紹介の項目)
- プログラム:Pursuit of Adventure(冒険への追求)
タペストリー・コレクションbyヒルトン/キュリオ・コレクションbyヒルトン
タペストリー・コレクションは170軒以上の独立ホテルからなるライフスタイルブランドとして説明され、各ホテルは地域色ある料飲体験や洗練されたデザインで個性を打ち出すとされている。今回の合意により、日本で初進出となる案件が含まれる。
キュリオ・コレクションは世界で180軒以上を展開する個性派ホテル群として説明され、独自の物語や建築、料飲体験を通じてデスティネーションごとの魅力を表現することが特徴とされる。ヒノデヒルズ・ニセコビレッジの加盟は、日本国内で2軒目の導入例となる。
- タペストリー:世界で170軒以上(ブランド説明)
- キュリオ:世界で180軒以上(ブランド説明)
- 両ブランドともヒルトン・オナーズの特典適用対象
ヒルトン・オナーズ(ゲスト・ロイヤリティ・プログラム)
ヒルトン・オナーズは受賞歴のあるロイヤリティプログラムで、発表文では会員数が2億2,600万人以上と記載されている。会員向けにはポイントと現金を自由に組み合わせるフレキシブル・ペイメント・スライダー、会員限定割引、Wi-Fiアクセス、モバイルアプリ(英語)などが提供される。
加えて、ヒルトンはデジタル技術を取り入れており、デジタル・キーの共有、無料の客室アップグレード事前選択、コンファームド・コネクティングルーム機能など、ゲストエクスペリエンス向上を目的とした機能を導入している。公式チャネルからの直接予約がポイント獲得の対象となる。
契約意図と両社の発言、企業概要の整理
契約発表に際して、ヒルトン アジア太平洋地域 開発担当上席副社長クラレンス・タンは、既存アセットのリポジショニングによって高いリターンが得られるとの観点から、YTLホテルズとの契約締結を歓迎する旨を述べた。発表文の引用では、ヒルトンの商業的な強みとブランドの魅力がリブランドを通じて評価されたことが強調されている。
YTLホテルズ側のエグゼクティブ・ディレクター ダトー・マーク・ヨー・セオク・カーは、ヒルトンのグローバルなネットワークやブランド力を活用することで、各デスティネーションへの観光需要を取り込めると述べている。双方の発言は、相互補完的な提携による需要取り込みとホスピタリティ品質向上を意図した内容である。
ヒルトンの企業データ(発表文より)
発表文にはヒルトンの企業概要として、以下の要点が記載されている。ヒルトンはグローバルなホスピタリティ企業であり、展開規模、従来からの取り組み、テクノロジー導入事例などが列挙されている。
具体的には、ヒルトンは139の国と地域に8,800軒以上(約130万室)のホテルを展開し、ミッションは「世界で最もおもてなしの心に溢れた企業」であるとしている。また、従業員満足やESGの評価指標でも上位に選出された実績が記載されている。
- 展開地域:139の国と地域
- ホテル数:8,800軒以上(約130万室)
- グローバル・ブランド数:24(日本国内では8ブランド・31軒)
- ヒルトン・オナーズ会員数:2億2,600万人以上
- 導入済みのテクノロジー例:デジタル・キー共有、デジタル・チェックイン、客室アップグレードの事前選択など
メディアおよび追加情報の所在
発表文は各ブランドの専用情報ページやヒルトンのストーリーズページ、ソーシャルメディア(Facebook、X、LinkedIn、Instagram、YouTube)を通じて最新情報を提供すると示している。LXR、キュリオ、タペストリー各ブランドの専用ストーリーズページURLも案内されている。
公式チャネルやヒルトン・オナーズのモバイルアプリを通じた予約が、会員向けの特典やポイント付与の対象である点も再度明記されている。
本件の要点まとめ
以下の表は、本記事で触れた主要な情報を項目別に整理したものである。各ホテルの名称、ブランド、所在地、客室数や開業・リブランドの状況、公開された時期や関連ブランドの規模感を一覧で確認できる。
| ホテル名 | ブランド | 所在地 | 客室数(公表) | 現状・開業 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| カサラ・ニセコビレッジ | LXRホテルズ&リゾーツ | 北海道ニセコ町(ニセコビレッジスキーリゾート内) | —(全8棟のタウンハウス構成) | 既存タウンハウスからのリブランド(2025年中開業目標) | LXRブランドとしてのラグジュアリー提供 |
| ザ・グリーンリーフ・ニセコビレッジ | タペストリー・コレクションbyヒルトン | 北海道ニセコ町(ニセコビレッジスキーリゾート内) | 200室(既存) | 既存ホテルのリブランド(2025年中開業目標) | タペストリーの日本初進出案件 |
| ヒノデヒルズ・ニセコビレッジ | キュリオ・コレクションbyヒルトン | 北海道ニセコ町(ニセコビレッジスキーリゾート内) | — | 既存施設のリブランド(日本で2軒目のキュリオ導入予定) | 地元にインスパイアされたデザインを想定 |
| ザ・ラワイ・プーケット | LXRホテルズ&リゾーツ | プーケット島(南端、ビーチフロント) | 275室(開業予定) | 新規開業予定(2027年) | タイにおけるLXRの初進出の一環 |
本記事は、ヒルトンがYTLホテルズと締結した契約内容と、それに伴うブランドの拡張・リブランドの諸点、各ブランドの位置づけや提供される会員プログラムを整理したものである。発表文の記述に基づき、日付・名称・規模・開業時期などの情報を網羅的にまとめている。