学生企画15秒CMがファミマ店頭で10代女性の購買促進
ベストカレンダー編集部
2025年9月11日 12:27
学生制作CM店頭放映
開催期間:6月24日〜7月7日
学生主体の15秒CMが店頭でどう機能したか:企画・放映の経緯と概要
株式会社ゲート・ワンと産業能率大学 経営学部 小々馬 敦ゼミによる産学連携プロジェクトでは、ゼミ生が主体となって企画した15秒CM「ファミマル ポテトチップス 絶品うすしお味」が、実際の店頭デジタルサイネージで放映され、その効果が売上データおよび調査データで検証されました。プレスリリースは2025年9月11日付で公表されています。
本プロジェクトの目的は、リテールメディア(小売が保有する顧客データを活用した広告配信)がZ世代の消費行動に与える影響を実践的に検証することでした。学生はZ世代のインサイトを踏まえ、若者言葉や音の表現などを取り入れたクリエイティブを制作しました。
放映の具体的条件
放映は2025年6月24日(火)から7月7日(月)にかけて実施され、首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)のファミリーマート約2,900店舗に設置されたデジタルサイネージ「FamilyMartVision」で流れました。放映の時間帯は昼帯(11:00~17:59)と夜帯(18:00~23:59)に分けて行われ、ターゲティングを考慮した配信が行われています。
FamilyMartVisionについては、ファミリーマート店内の大画面デジタルサイネージとして全国の店舗で導入が進められており、全国47都道府県にある店舗群を通じて毎日1,500万人以上のお客さまが来店する接点を持っています。ゲート・ワンはこの接点を広告メディアとして運用するとともに、エリア別・時間帯別の配信や購買データとの連携を行っています。
- 放映媒体:FamilyMartVision(ファミリーマート店内デジタルサイネージ)
- 放映期間:2025年6月24日~7月7日
- 放映エリア:東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の約2,900店舗
- 放映時間帯:昼帯(11:00~17:59)、夜帯(18:00~23:59)
効果検証の方法と主要な調査結果
売上効果は放映前後の購買データを比較することで検証されました。検証対象はFamilyMartVision設置店(広告接触者)と未設置店(非接触者)で、放映前期間と放映中期間における購買データの伸長率を比較する手法が採用されています。
売上データの検証期間は、放映前が2025年6月10日(火)~6月23日(月)、放映中が2025年6月24日(火)~7月7日(月)でした。検証エリアは放映エリアと同じく首都圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)です。
購買データで確認された顕著な効果
分析の結果、Z世代の特定層においてトライアル購入が促進されていることが確認されました。特に女性10代の購入率が過去の同カテゴリー平均値に対して156.5%となり、大幅に上回った点が注目されています。
その他、男性20代、女性20代についても購入率が過去の同カテゴリー平均を上回る傾向が確認され、学生が企画したクリエイティブが若年層の行動変容に寄与した可能性が示唆されました。
- 検証期間(売上データ)
- 放映前:2025年6月10日~6月23日 / 放映中:2025年6月24日~7月7日
- 検証エリア
- 首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)
- 比較方法
- FamilyMartVision設置店(広告接触者)と未設置店(非接触者)の購買データ伸長率比較
- 注目結果
- 女性10代の購入率:過去同カテゴリー平均比156.5%
消費者アンケート結果と学生クリエイティブの特徴
売上データに加え、広告みなし接触者に対するWebアンケートも実施され、クリエイティブが引き起こした購買意向の理由や印象が定量・定性の両面から整理されました。調査はインテージが実施し、2025年7月8日(火)~7月11日(金)に行われています。
アンケートは広告放映後にリサーチモニターへ配信され、放映期間かつ時間帯に来店した15~29歳の男女を対象に「みなし接触者」の広告認知・評価を確認する形式でした。スクリーニング調査では10,000サンプル、本調査では215サンプルが回収されています。
自由記述に表れた購入意向の理由
自由記述回答からは、味の魅力が伝わる表現やASMR的な音の効果、応援メッセージに対する共感などが、購入動機として挙げられていました。具体的な記述は年代・性別ともにポジティブな言及が多く見られます。
以下にアンケートの自由記述の抜粋を示します。これらは調査で集まった生の声として、クリエイティブのどの要素が反応を引き起こしたかを示す資料になります。
- 「絶品うすしお味の美味しさが伝わり、試してみたくなる魅力ある広告だった」(男性10代)
- 「商品を通じて、親しみやすくて応援してくれるメッセージに共感し、買って試してみたくなる広告」(男性10代)
- 「頑張っている人へのメッセージが込められており、ご褒美として購入を勧めている」(男性20代)
- 「商品を食べている時の音などが入っていて、おいしそうだと思った」(女性10代)
- 「ASMRみたいだから」(女性10代)
- 「インパクトがあった」(女性20代)
プロジェクト概要、関係組織、企業情報および要点の整理
ここまで述べてきた内容を踏まえて、プロジェクトの目的、企画内容、調査方法、企業情報などの主要事項を整理します。プロジェクトは産業能率大学の小々馬ゼミが主体的に関わり、実践的なマーケティング学習と企業側の広告検証を両立させた点が特徴です。
以下に、プロジェクト概要や企業情報、調査概要をまとめた表を示し、本稿の要点を明確に整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プロジェクト名(主体) | 株式会社ゲート・ワン × 産業能率大学経営学部 小々馬 敦ゼミ(産学連携プロジェクト) |
| 発表日 | 2025年9月11日 11:00 |
| 目的 | リテールメディアがZ世代の消費行動に与える影響を実践的に検証 |
| 企画内容 | 小々馬ゼミ学生が15秒CM(「ファミマル ポテトチップス 絶品うすしお味」)を企画。若者言葉やASMR的表現を活用 |
| 放映媒体/期間/エリア | FamilyMartVision/2025年6月24日~7月7日/首都圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)の約2,900店舗 |
| 放映時間帯 | 昼帯(11:00~17:59)、夜帯(18:00~23:59) |
| 売上検証期間 | 放映前:2025年6月10日~6月23日、放映中:2025年6月24日~7月7日 |
| 調査実施機関・期間 | インテージ/2025年7月8日~7月11日(Web定量調査) |
| 調査対象・回収数 | スクリーニング:首都圏在住15~29歳男女 10,000サンプル、本調査:放映期間来店者(みなし接触者)215サンプル |
| 主要な結果 | 女性10代の購入率が過去同カテゴリー平均比156.5%。男性20代・女性20代も平均を上回る増加 |
| 企業情報(株式会社ゲート・ワン) | 所在地:東京都港区芝浦三丁目1番21号、代表:代表取締役社長CEO 藏田 一郎、資本金:990百万円(資本準備金495百万円含む)、設立:2021年9月24日、事業:デジタルサイネージへのコンテンツ配信、Web:https://gate-one.co.jp、問合せ:info@gate-one.co.jp |
本稿では、学生が企画したクリエイティブが実際のリテールメディアにおいて若年層、特に10代女性のトライアル購入を促進した点を中心に報告しました。売上データとアンケートの双方から、その効果が示唆されています。プロジェクトは学術的な学びと実務的な検証を兼ねており、得られた知見は今後の広告・販売施策へと結び付けられることが期待されます。