ノウタス×林が初公開 小粒ぶどう「パープルM」誕生

パープルM初公開

開催日:9月16日

パープルM初公開
いつ買えるの?
今すぐ買えません。パープルMはプロトタイプで2025年9月16日に初公開された段階。本格的な量産化には数年かかる見込みで、消費者向けの市場投入はさらに先になります。
どんな味や特徴なの?
紫ぶどう「ブラジル」と欧州系品種の交配で生まれた小粒品種。欧州系のしっかりした食感とブラジル由来の色・香りを融合し、食べやすさと親しみやすさを重視しています。

小粒ぶどうの価値を再定義する「パープルM」誕生の背景

ノウタス株式会社と株式会社林ぶどう研究所のパートナーシップにより、新品種「パープルM(プロトタイプ)」が完成したことが2025年9月16日19時12分に発表されました。本発表はノウタスが大阪・関西万博内「HASSHOKU」で開催したイベント「ノウタスぶどうEXPO」での初公開をもって一般に示されました。

プロジェクトは2年前にプロジェクト発起人で現取締役の村上信五が「パープルMという名前の新品種をつくろう」という挑戦を掲げたことに端を発します。以降、林慎悟氏は独自に研究を進め、ノウタスと林ぶどう研究所が正式にパートナーシップを結ぶことで共同開発が本格化しました。今回のプロトタイプは、紫ぶどうとして知られる「ブラジル」と、味や食感に優れる欧州系品種を掛け合わせた交配から誕生しています。

なぜ小粒ぶどうに注目したのか

近年、大粒ぶどうが市場で注目される一方で、小粒ぶどうには「食べやすさ」と「親しみやすさ」という独自の魅力があります。ノウタスの拠点がある大阪はかつてデラウェアの名産地として親しまれてきた歴史があり、地域の記憶や消費者の嗜好に根ざした品種開発を目指す意義があります。

ノウタスは「みんなが関われる農業」を掲げ、栽培の難易度や果実割れのリスクが増す大粒化の流れに対して、小粒で栽培しやすく農家がもう一度作りたくなる品種づくりを目標にしています。林氏との協働はこのビジョンに基づき、育種技術と地域性を融合させた試みです。

プロジェクト起点
村上信五の提案から開始、林慎悟の研究参画を契機に共同開発へ
交配の組合せ
紫ぶどう「ブラジル」×味や食感に優れた欧州系品種
公開時期
2025年9月16日、ノウタスぶどうEXPO(大阪・関西万博内 HASSHOKU)で初公開

育種の経緯と「パープルM(プロトタイプ)」の特徴

「パープルM」プロトタイプは、育種過程での試作を経て今回の初公開に至りました。林ぶどう研究所が長年培ってきた育種技術とノウタスの現地農園での栽培ノウハウを組み合わせることで、品種特性の確認と実用化に向けた検証を進めています。

プロトタイプの狙いは、ただ単に糖度や大粒化を追求することではなく、懐かしさや親しみを感じさせる食感と味わいを持ちながらも、新たな魅力を与えることにあります。これにより地域の生活文化と結びついた持続可能な生産を目指しています。

プロトタイプの具体的なポイント

  • 親品種:紫ぶどう「ブラジル」と欧州系品種の交配。
  • 味・食感:欧州系のしっかりとした食感と、ブラジル由来の色彩と香りの融合を狙う。
  • 栽培面:小粒の利点である食べやすさや比較的管理しやすい特性を重視。
  • 公開イベント:2025年9月16日、ノウタスぶどうEXPO(大阪・関西万博「HASSHOKU」)で初披露。
  • 量産見込み:本格的な量産には数年を要する見込みで、消費者の市場投入はさらに先となる。

また、開発過程ではノウタス代表が岡山の林ぶどう研究所で育種技術を学ぶ期間があり、そこで築かれた信頼関係が今回の共同プロジェクト実現に貢献しています。3年前に「大阪・関西万博でお披露目できたらいいね」と語り合った夢は、今回の初公開で形になりましたが、量産化と流通の整備はこれから進める段階です。

ノウタスの事業構造と「パープルM」を支える体制

ノウタス株式会社は代表取締役会長・髙橋明久の下、2022年に設立され、理念として「人生に農を足す」を掲げています。農業を単なる生産活動にとどめず、人々の暮らしに楽しさや豊かさを加える存在として再定義することを目指しています。

資本金は2600万円、本社所在地は東京都港区南青山2-15-5、子会社にノウタス高槻農園株式会社があります。多様なバックグラウンドを持つ人材がコンサル・IT・金融・クリエイティブ・農業の領域を横断し、農業×エンタメ×テクノロジーの融合を進めています。

事業ドメインと連携構造

アグリテインメント事業
農業体験やイベント、メディアを通じて農に親しむ場を提供する領域。パープルMの初披露はこの事業領域の一環としてのイベント運営で行われた。
アグリキャリア事業
農業に関わりたい人材や企業をつなぎ、副業・兼業やリモート支援を行う領域。新しい品種の栽培に関する人材発掘や育成が想定される。
アグリサイエンス事業
AIによるぶどう栽培、品種改良などの科学的アプローチを担う領域。林ぶどう研究所との共同育種はこの領域の中核的取り組みである。

これら3つの事業は独立して機能するのではなく、「体験する」→「関わる」→「生産する」という循環をつくることで相互に作用します。ノウタスはこの循環を通じて潜在的な農業関心層を行動に繋げることを目指しています。

加えて、林慎悟氏と協力して独自の流通システムの構築にも取り組む計画が記されています。流通システム、量産化に向けた技術検証、消費者へ届けるための段階的な導入計画の策定が今後の重要課題です。

要点整理とデータ一覧

以下の表は本記事で触れた発表内容、企業情報、品種の概要、今後の見通しを分かりやすくまとめたものです。発表の核心を短く確認したい場合に参照してください。

項目 内容
発表日 2025年9月16日 19:12
発表主体 ノウタス株式会社(代表取締役会長:髙橋明久)
共同開発パートナー 株式会社林ぶどう研究所(所長:林慎悟)
品種名 パープルM(プロトタイプ)
育種の起点 村上信五(現取締役)が2年前に提案したプロジェクト
交配構成 紫ぶどう「ブラジル」と欧州系品種を掛け合わせ
初公開イベント ノウタスぶどうEXPO(大阪・関西万博内 HASSHOKU)
量産化の見込み 本格的量産化には数年を要する見込み
会社設立 2022年(ノウタス株式会社)
所在地・資本金 東京都港区南青山2-15-5/資本金:2600万円
子会社 ノウタス高槻農園株式会社
理念・スローガン 「人生に農を足す」「Win-WinよりもFun-Fun」
事業ドメイン アグリテインメント/アグリキャリア/アグリサイエンス
備考 プレスリリース素材として画像ファイルのダウンロードおよびノウタスのプレスキットが提供されている旨が記載されている

本稿では発表文書に記載されたすべての情報を網羅的に整理しました。パープルMは現時点でプロトタイプであり、今後は技術検証、流通設計、量産化に向けた段階的な取り組みが進む見込みです。関係者間での共同研究と現場での栽培検証を基盤として、地域性と消費者ニーズを踏まえた育成が続けられていきます。