10月1日予定:オムロン、iCARE子会社化でヘルス事業を強化
ベストカレンダー編集部
2025年9月18日 17:23
iCARE完全子会社化
開催日:10月1日
オムロンがiCAREを完全子会社化し、コーポレートヘルス事業を本格始動
2025年9月18日10時00分、オムロン株式会社は株式会社iCAREの全株式を取得する株式譲渡契約をiCAREの全株主と締結したことを公表しました。本件は、オムロンが保有するデータソリューション能力とiCAREの産業保健領域の知見を統合することで、コーポレートヘルス事業を強化する目的で実施されます。
本リリースが示す狙いは明確で、オムロンは長期ビジョン「SF2030」に掲げる「健康寿命の延伸」の実現を加速するとともに、企業の人的資本向上を支援する事業展開を推進します。iCAREの完全子会社化を通じて、従業員の健康データや人的ネットワークを獲得し、事業の拡大を図る計画です。
- 発表日:2025年9月18日 10:00
- 取得対象:株式会社iCARE(全株式、100%取得)
- 取得完了の予定:2025年10月1日に開催予定の臨時株主総会により完了予定
取得の背景と戦略的意図:健康経営とデータ活用による企業価値向上
日本の多くの企業は従業員の高齢化と深刻な人手不足に直面しており、従業員の健康増進は生産性向上や健保財政の改善に直結する重要な課題となっています。こうした状況の下で、経営視点で従業員の健康に取り組む「健康経営」が注目されています。
オムロンは、データを活用した健康経営領域でのソリューション創出を目指し、すでに2024年7月にiCAREと資本業務提携契約を締結していました。今回の完全子会社化はその延長線上にあり、iCAREが保有する従業員の健康データおよび産業保健領域のノウハウと人的ネットワークを取り込み、データドリブンなコーポレートヘルス事業を強化するための措置です。
補足:「健康経営®」はNPO法人健康経営研究会の登録商標である点もリリース内で明示されています。
- 背景要因
- ・高齢化と人手不足による労働力課題
・企業生産性と健保財政の観点からの健康施策の重要性 - 戦略的狙い
- ・データと産業保健の知見を統合し、企業の人的資本向上を支援
・オムロンの長期ビジョンSF2030に紐づく事業展開
iCAREの現状と今後の体制・サービス開発計画
iCAREの会社概要は以下の通りです。社名、所在地、代表者、事業内容、従業員数、公式サイトのURLが明示されています。iCAREは「働くひとの健康を世界中に創る」をパーパスに掲げ、産業保健・健康経営ソリューションサービスの開発・提供を行ってきました。
オムロングループ傘下となることで、iCAREの売上・利益成長を加速させる方針が示されています。併せて、両社の知見を活用した新サービスの開発を加速し、2026年度のサービス提供開始を目指す計画です。
- 会社名:株式会社iCARE
- 所在地:東京都品川区西五反田2-29-5 日幸五反田ビル5階
- 代表者:山田 洋太(代表取締役CEO)
- 事業内容:産業保健・健康経営ソリューションの開発・提供
- 従業員数:128名(2025年7月末時点)
- URL:https://www.icare-carely.co.jp/
役員体制の予定と実施スケジュール
本株式取得が完了する2025年10月1日開催予定の臨時株主総会を以て、次の役員体制とする予定です。代表取締役CEOは現CEOの山田洋太が継続し、取締役にオムロン側からの役員が就任します。
予定されている役員体制は以下の通りです。組織の上位層にオムロンのデータソリューション部門の責任者が入ることで、両社の連携を強化する意図が明確に打ち出されています。
- 代表取締役CEO:山田 洋太
- 取締役:石原 英貴(オムロン株式会社 執行役員常務 データソリューション事業本部長)
- 取締役:酒井 青良(オムロン株式会社 データソリューション事業本部 コーポレートヘルス事業部長)
事業計画と開発スケジュール
コーポレートヘルス事業部は、データに基づいた健康課題の特定・改善・見直しを行うことで企業の生産性向上に寄与するサービスを開発します。今回のiCARE完全子会社化により、2026年度のサービス提供開始を目指し、2025年11月からデータ分析の実証実験を実施する予定です。
事業の展開は段階的で、まずは企業の健康課題に対するソリューションを提供し、その後、個々の従業員の健康課題へと対象を拡大します。従業員の健康状況をタイムリーに把握することで、心身の健康を高め、生産性や働く環境の改善に寄与することを重視しています。
グループ連携とデータ活用の方向性
オムロンは2023年6月に健康経営アライアンスを立ち上げ、「社員の健康をつうじた日本企業の活性化と健保の持続可能性の実現」をミッションに据え、データに基づく健康経営の実践と普及に取り組んできました。今回のiCARE完全子会社化により、アライアンスの取り組みはより実装段階へと移行します。
さらに、グループ会社である株式会社JMDCとの連携も強化されます。JMDCが有する健康保険領域における分析技術を活用することで、オムロングループとして新たな領域での事業展開を目指すとしています。これにより、より広範なデータを用いた分析やソリューション提供が可能となる見込みです。
- 既存の取り組み
- ・健康経営アライアンス(2023年6月設立)
・データに基づく健康経営の実践・普及 - 今後の連携
- ・JMDCとの分析技術連携強化
・企業→個人へと対象を拡大するサービス提供
要点の整理(表)
以下の表に、本リリースで示された主な事項を整理しました。取得の事実、関係者、スケジュール、事業の狙い、関連リンクなどを網羅しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2025年9月18日 10:00 |
| 取得対象 | 株式会社iCARE(全株式、100%取得) |
| 取得完了予定 | 2025年10月1日(臨時株主総会にて完了予定) |
| iCARE 会社概要 | 所在地:東京都品川区西五反田2-29-5 日幸五反田ビル5階/代表:山田 洋太/従業員数:128名(2025年7月末)/URL:https://www.icare-carely.co.jp/ |
| 予定される役員体制 | 代表取締役CEO:山田 洋太/取締役:石原 英貴(オムロン側)/取締役:酒井 青良(オムロン側) |
| 事業計画とスケジュール | 2025年11月よりデータ分析の実証実験を実施予定/2026年度のサービス提供開始を目指す |
| 事業の目的 | 従業員の健康データと産業保健領域の知見を活用し、企業の人的資本向上と健康寿命延伸に寄与するコーポレートヘルス事業の拡大 |
| グループ連携 | JMDCの分析技術を活用し、健康保険領域でのデータ活用を強化 |
| 関連リンク | オムロン データソリューション(コーポレートヘルス関連):https://datasolutions.omron.com/jp/ja/business/ch/ |
本稿では、オムロンによるiCAREの完全子会社化の事実、背景、予定される体制、事業計画およびグループ連携の方向性を整理しました。発表に含まれる日付、人数、所在地、役員予定などの情報は本文中に記載のとおりです。
参考リンク: