SDHプロジェクト始動─DLEらが『AINIMAL』『転生奴隷』を配信

新たなIP創出を目指す「SDHプロジェクト」とは

2025年9月19日、株式会社ディー・エル・イー（以下、DLE）は株式会社SANKYOおよび株式会社ハピネット・メディアマーケティング（以下、HMM）と共同で、オリジナルwebtoon作品を開発する製作委員会「SDHプロジェクト」を始動させました。プロジェクト名はそれぞれの社名の頭文字を取ったもので、SANKYO・DLE・HMMの3社が連携してwebtoonコンテンツを企画・制作・二次展開へとつなげる体制を取ります。

webtoonはスマートフォンに特化した縦スクロール型・フルカラーの漫画フォーマットで、グローバル市場での需要が急速に拡大しています。市場規模は2021年の5,300億円から、2028年には3兆8,500億円に達すると予測されており※、今回のプロジェクトはこの成長領域を見据えた取り組みです。なお“webtoon”はNAVER WEBTOON Ltd.の登録商標であり、業界動向に関する数値はQYResearch（2023）『ウェブトゥーンの世界市場レポート2023−2029年』を参照しています。

• プロジェクト名称：SDHプロジェクト（SANKYO / DLE / HMM）
• 開始日：2025年9月19日（配信は同日付および以降）
• 目的：webtoonによるオリジナルIPの創出および遊技機化・映像化など二次展開を視野に入れた育成

第1弾配信作品：AINIMAL — SF×モンスターバトル×バディー

「AINIMAL」は、DLE・SANKYO・HMMの3社が手がけるSDHプロジェクトの配信作品のひとつで、2025年9月19日より配信が始まりました。舞台は近未来の世界で、所有者のDNAに基づき誕生する人工知能生命体「AINIMAL」との絆を軸にしたSFバトル・アクションです。

あらすじは次の通りです。20XX年、世界に新しい人工知能生命体が誕生し、所有者のDNA解析によって生まれる“生涯のパートナー”AINIMAL。幼い頃に両親を火災事故で失った主人公・カイトは、AINIMALのチリペッパーと共に祖父ゲントとスラム街で暮らしている。祖父の手術費用を稼ぐため、カイトはAINIMAL同士のバトル大会「AINIMAL MATCH」に出場することを決意する。強敵の出現、仲間の結集、カイトの過去の秘密、チリペッパーに秘められた世界を救う力が明らかになっていく、という展開です。

スタッフ情報は制作クレジットに従って次の通りです。脚本を皐月彩、キャラクターデザイン・作画をjbstyle.、ネームを青沼蛙、着彩をRegolith plusが担当します。制作はDLEとハピネットファントム・スタジオ、製作著作はSANKYO、DLE、ハピネット・メディアマーケティングとなっています。

• 脚本：皐月彩
• キャラデザイン・作画：jbstyle.
• ネーム：青沼蛙
• 着彩：Regolith plus
• 制作：DLE、ハピネットファントム・スタジオ
• 製作著作：SANKYO、DLE、ハピネット・メディアマーケティング

第2弾配信作品：転生奴隷〜ブラック企業の社員から伝説の王に〜（転生×バトルアクション）

「転生奴隷〜ブラック企業の社員から伝説の王に〜」は、現代日本のブラック企業で働いていた社員が歴史上の英雄に転生するという設定を軸に描くバトルアクション作品です。物語は、現代のド底辺サラリーマン・武井礼央（レオ）がスパルタの英雄レオニダスとして転生したことから始まり、弱者の視点を持つ主人公がスパルタを強国へと導いていく過程が描かれます。

本作もLINEマンガ・ebookjapanでの独占配信となり、配信開始日は2025年9月25日です。初回は17話を配信し、冒頭7話は無料で公開されます。以降は毎週木曜日に最新話が公開されるスケジュールです。

スタッフは脚本を山﨑佐保子、キャラクターデザインを烙雷昇・尾崎圭志、ネーム・作画は尾崎圭志、着彩をGATOONとあめぱが担当します。制作はDLEが主体となり、製作著作はSANKYO、DLE、ハピネット・メディアマーケティングです。

• 脚本：山﨑佐保子
• キャラクターデザイン：烙雷昇、尾崎圭志
• ネーム・作画：尾崎圭志
• 着彩：GATOON、あめぱ
• 制作：DLE
• 製作著作：SANKYO、DLE、ハピネット・メディアマーケティング

企業の役割分担とプロジェクトの意義

SDHプロジェクトは、各社の強みを掛け合わせてIPの創出と二次展開を図ることを目的としています。SANKYOは遊技機（パチンコ・パチスロ機）の製造を主業務とする企業として、エンターテインメント性の高いIPの活用や遊技機化に関する知見を提供します。HMMは映像作品の企画・製作・配給・宣伝、それに伴う二次利用を一貫して手がける組織として、映像化を見据えたプロデュースを担います。DLEはオリジナルIPの開発や制作に強みを持ち、グローバル展開を志向したコンテンツ開発を進めます。

これらの連携により、webtoonというグローバルに通用するフォーマットから始まり、漫画・映像・遊技機化など多面的な二次展開を目指す戦略が明確になっています。DLE側はこれまでに多数のwebtoon制作実績があり、テレビ番組との連動企画や世界的クリエイターとのコラボレーションなど多様な取り組みを推進すると明示されています。加えて、DLEは2025年に既存IPのAI Vtuber化やAIスタジオ開設を行うなど、AIとIPの融合によるさらなる事業拡大を進めています。

SANKYO（本社：東京都渋谷区）

代表取締役社長：小倉 敏男。遊技機のリーディングカンパニーとしてエンタメ領域の知見を提供。

ハピネット・メディアマーケティング（本社：東京都台東区）

代表取締役社長：鶴丸 智康。映像企画製作・配給宣伝から二次利用まで担当するプロデュース力を有する。

株式会社ディー・エル・イー（本社：東京都千代田区）

代表取締役社長CEO・CCO：小野 亮。IP開発とコンテンツ制作を軸にグローバル展開を図る企業。

要点の整理（配信作品とプロジェクト概要）

ここまでに示した情報をまとめると、SDHプロジェクトはSANKYO、DLE、HMMの3社共同によるwebtoon制作の取り組みであり、配信第1弾として「AINIMAL」、第2弾として「転生奴隷〜ブラック企業の社員から伝説の王に〜」がそれぞれLINEマンガとebookjapanで独占配信されます。配信開始日、配信形式、主要スタッフや制作・製作クレジットなどは以下の表に整理しました。

以上が本記事で整理したSDHプロジェクトと、第一弾・第二弾の配信作品に関する主要な情報です。市場規模の成長予測や制作体制、配信スケジュールおよびスタッフ・制作クレジットを踏まえ、今回の取り組みはwebtoonを起点としたIPの多面的展開を志向するものと位置付けられます。

※“webtoon”はNAVER WEBTOON Ltd.の登録商標。市場データ出典：QYResearch〈2023〉「ウェブトゥーンの世界市場レポート2023−2029年」。