HARMAN、Sound United買収完了 主要ブランドが合流
ベストカレンダー編集部
2025年9月24日 06:27
Sound United買収完了
開催日:9月23日
HARMANがSound Unitedを迎え入れ、グローバルなオーディオ地図が再編される
ハーマンインターナショナル株式会社は、2025年9月23日(火)22時00分の発表において、米国時間9月23日にHARMAN International(本社:アメリカ合衆国フロリダ州、ライフスタイル部門プレジデント:Dave Rogers)が、Masimo Corporation(NASDAQ:MASI)の元コンシューマーオーディオ事業であるSound Unitedの買収を完了したことを公表しました。
この買収は単なる企業合併にとどまらず、世界的に評価される複数ブランドの帰属先を変え、HARMANの既存事業領域であるホームオーディオ、エレクトロニクス(アンプ、HiFiコンポーネント、AVR)、ヘッドホン、カーオーディオなどにおける事業規模と技術的可能性を大幅に拡張するものです。発表は日本法人であるハーマンインターナショナル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:桑原拓磨)から行われました。
買収完了の日時・当事者
買収は米国時間で2025年9月23日に完了していますが、日本国内向けの公式発表は同年9月23日22時00分に行われました。売り手はMasimo Corporation(NASDAQ:MASI)、買い手はHARMAN Internationalです。
日本側としてはハーマンインターナショナル株式会社が発表主体であり、代表取締役は桑原拓磨氏が務めています。HARMAN Internationalにおけるライフスタイル部門の責任者はDave Rogers氏で、同氏は本買収について社の戦略を強化する重要な一歩である旨を表明しています。
加わるブランド群と製品領域 — 品揃えと強みの詳細
今回HARMANファミリーに加わったSound Unitedは、以下の主要ブランドを擁しています。これらはいずれも世界的に高い評価を得ているブランドで、各市場における技術・デザイン・音質の面で特色を持っています。
- Bowers & Wilkins
- Denon
- Marantz
- Definitive Technology
- Polk Audio
- HEOS
- Classé
- Boston Acoustics
これらのブランドにより、HARMANはホームオーディオからプロフェッショナル用途までの製品ポートフォリオをさらに拡張します。対象となる製品カテゴリは下記の通りです。
- ホームオーディオ(スピーカー、ワイヤレスオーディオシステム等)
- エレクトロニクス(アンプ、HiFiコンポーネント、AVR)
- ヘッドホンおよびパーソナルオーディオ製品
- カーオーディオ(車載用スピーカー、インフォテイメント統合)
HEOSをはじめとするネットワークオーディオやワイヤレス技術、Classéのハイエンドアンプ技術、Bowers & Wilkinsのスピーカーデザインなどが組み合わさることで、製品ラインナップはより多様かつ高品質になります。
事業拡大の具体的な意義
買収によってHARMANは自社の中核領域であるオーディオ技術をさらに補強します。特にホームオーディオとエレクトロニクス領域では、Sound Unitedが培ってきたブランドごとの技術やデザイン、顧客基盤が直ちに活用される見込みです。
この統合は消費者に対して、製品選択の幅が拡大することに加え、各ブランドの強みを融合した新しい製品やソリューションの投入を促進するとしています。HARMAN側はこれを『より幅広い選択肢、より深いイノベーション、あらゆるリスニング環境での体験向上』として説明しています。
組織体制の維持と統合後の運営方針
重要な点として、Sound UnitedはHARMANライフスタイル部門内において独立した事業部として運営されることが明示されています。これにより、各ブランドの伝統や専門性、築き上げてきた顧客基盤は尊重され、ブランド・アイデンティティの維持が優先されます。
同時にHARMANのグローバルなリソースと支援を享受することで、Sound Unitedの各ブランドはより広範な市場へとアクセスできるようになります。販売チャネル、流通ネットワーク、研究開発、サプライチェーン面での統合効果が期待されます。
運営体制の意図と期待される効果
運営面では、独立事業部としての柔軟性を保ちながら、HARMANの支援によりスケールを追求するハイブリッドな体制を採用します。これによりブランドごとの差別化を維持しつつ、共通のインフラや技術基盤を活用することが可能になります。
HARMANは、Sound Unitedが有する優れた人材と専門知識が加わることで、自社のオーディオ技術の進歩がさらに加速すると述べています。結果として市場における地位が強固になり得るとされています。
HARMANの企業背景と買収による総合的な意義
ハーマンインターナショナルはプレミアム・オーディオ、ビジュアル、コネクテッド・カー向けのソリューションを設計・製造・販売している企業です。保有ブランドにはAKG、Harman Kardon、Infinity、JBL、Lexicon、Mark Levinson、Revelなどが含まれます。
同社のオーディオやインフォテイメント・システムは世界で5,000万台以上の車両に搭載されており、ソフトウェアサービスは何十億台ものモバイル端末やシステムの接続・統合を支えています。ハーマンは全世界に約30,000名の従業員を擁し、2017年3月にSamsung Electronics Co., Ltd.の完全子会社となりました。
今回の買収が企業価値にもたらす効果
Sound Unitedのブランド群と専門性が加わることで、HARMANはサウンド、カルチャー、テクノロジーの領域でのプレゼンスを一層強化することになります。これは製品ラインの充実だけでなく、研究開発や顧客接点、サービス提供の面でも幅広い波及効果が期待されます。
HARMAN側のコメントとして、ライフスタイル部門プレジデントのDave Rogers氏は次のように述べています:「HARMANのビジョンは、卓越したオーディオ体験を通じて人々の生活を豊かにすることです。Sound Unitedの素晴らしいブランド群は、サウンド、イノベーション、そして品質への深い情熱に根ざしており、これらは弊社の価値観とも一致しています。今回の買収は、すべての人にとって意義のある成長を切り開き、オーディオ業界のリーダーとして、かつてない高みへと成長するという弊社の戦略をさらに強化するものです」
主要事項の整理と要点の一覧
ここまでに示した内容をわかりやすく整理すると、買収の事実、加わるブランド、事業領域、組織運営方針、そしてHARMANの企業的背景が主要なポイントになります。以下の表に本記事で触れた主要事項をまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 買収完了日(発表) | 米国時間 2025年9月23日(日本発表:2025年9月23日 22時00分) |
| 買収当事者(買い手) | HARMAN International(HARMANライフスタイル部門:Dave Rogers) |
| 売り手 | Masimo Corporation(NASDAQ:MASI)の元コンシューマーオーディオ事業「Sound United」 |
| 加わるブランド | Bowers & Wilkins、Denon、Marantz、Definitive Technology、Polk Audio、HEOS、Classé、Boston Acoustics |
| 対象製品カテゴリ | ホームオーディオ、エレクトロニクス(アンプ、HiFiコンポーネント、AVR)、ヘッドホン、カーオーディオ等 |
| 運営体制 | HARMANライフスタイル部門内における独立した事業部として運営。各ブランドのアイデンティティを維持 |
| 日本での発表主体 | ハーマンインターナショナル株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:桑原拓磨) |
| HARMANの企業概要(抜粋) | 主要ブランド:AKG、Harman Kardon、Infinity、JBL、Lexicon、Mark Levinson、Revel。世界で約30,000名の従業員、同社のシステム搭載車両は5,000万台超。2017年にSamsung Electronicsの完全子会社に |
以上のように、今回の買収はHARMANの事業領域拡大と技術的シナジーを目的としたものであり、Sound United側のブランド、技術、人材は独立性を保ちながらHARMANのグローバルな資源にアクセスする体制となります。発表は2025年9月23日付で行われ、日本国内ではハーマンインターナショナル株式会社が公式に発表しています。
- 重要キーワード
- ハーマンインターナショナル、Sound United、買収、ホームオーディオ、エレクトロニクス、ヘッドホン、カーオーディオ
- 参考情報
- 売り手:Masimo Corporation(NASDAQ:MASI)。HARMANの親会社:Samsung Electronics Co., Ltd.(完全子会社化は2017年3月)。
この記事では、発表されたプレスリリースの全文に基づき、買収の事実、関係者、加わるブランド群、事業領域の拡大、および今後の運営体制について整理して報告しました。記載した数値や日時、組織名は発表資料の通りです。