10/17発売|T&T TOYAMAの3年熟成『EPISODE 0』2種を初市販
ベストカレンダー編集部
2025年10月2日 21:55
EPISODE 0発売
開催日:10月17日
富山から発信する「ゼロ」への挑戦 — T&T TOYAMAが選んだ自社熟成3年の成果
2025年10月2日、若鶴酒造株式会社のリリースにより、T&T TOYAMA株式会社は設立以降に購入した国内各地のクラフト蒸留所由来のニューポット(原酒)を自社貯蔵庫で3年間熟成させ、その中から厳選した2品を初めて市販することを発表した。発表日時は2025年10月2日11時30分で、発売日は2025年10月17日と明記されている。
この2品は共に「EPISODE 0(エピソード ゼロ)」と銘打たれ、T&T TOYAMAとしての“ゼロ”からの出発、つまり起源を意味する“ORIGIN(オリジン)”の“O”を掲げることが意図されている。国内・海外双方での販売を前提に展開され、ジャパニーズウイスキーの多様性と地域性を世界へ伝える第一歩となる商品群である。
EPISODE 0 — 江井ヶ嶋蒸留所由来のシングルモルト(ファーストフィル バーボンバレル、3年)
1本目のEPISODE 0は江井ヶ嶋蒸留所のニューポットをファーストフィルのバーボンバレルで3年間熟成させたシングルモルトである。蒸留年は2021年、ボトリングは2025年、アルコール度数は59.1%、発売本数は247本、発売日は2025年10月17日、販売先は国内・海外となっている。
このボトルは江井ヶ嶋蒸留所らしいバランス感を基調としつつ、樽由来のウッディな個性がしっかりと表れている点が特長である。度数は高いが口当たりは柔らかく、バランスと力強さが共存する酒質で、限られた本数での出荷となる。
仕様とテイスティングノート(江井ヶ嶋)
以下に本製品の基本仕様とテイスティングノートを整理する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | シングルモルト ジャパニーズウイスキー EPISODE 0(江井ヶ嶋蒸留所) |
| 樽種類 | ファーストフィル バーボンバレル |
| 熟成期間 | 3年(自社貯蔵庫) |
| 蒸留年/ボトリング年 | 蒸留年:2021 / ボトリング年:2025 |
| 度数 | 59.1% |
| 発売本数 | 247本 |
| 発売日 | 2025年10月17日(国内・海外販売) |
テイスティングノートは次の通りである。まず香りはホワイトチョコレートに少量の蜂蜜、少し古いオーク樽感を伴うバニラ、リンゴ、微かに干し椎茸やメンソール、チョコレートシリアルが感じられる。
味わいは度数の印象より口当たりは柔らかいが、後からビターで力強いウッディさが押し寄せる。穏やかな蜂蜜や昆布のニュアンスがあり、後口はウッディでややスパイシー、微かに粉っぽさが舌に残る点が特徴的である。総評としては、江井ヶ嶋らしいバランス感にウッディな個性がしっかり表れている一本として評価されている。
EPISODE 0 — 御岳蒸留所由来のシングルモルト(ファーストフィル バーボンバレル、3年)
2本目のEPISODE 0は御岳蒸留所のニューポットを同様にファーストフィルのバーボンバレルで3年間熟成させたシングルモルトである。こちらも蒸留年は2021年、ボトリングは2025年で、アルコール度数は59.3%、発売本数は217本、発売日は2025年10月17日、販売先は国内・海外となる。
御岳蒸留所由来の本品はクリーンでスムースな酒質がよく表れている点が特長で、雑味が少なく滑らかな飲み口が魅力とされる。やや軽快な印象だが、蜂蜜やバニラの甘みを伴った余韻が続く。
仕様とテイスティングノート(御岳)
本製品の仕様とテイスティングポイントを以下に整理する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | シングルモルト ジャパニーズウイスキー EPISODE 0(御岳蒸留所) |
| 樽種類 | ファーストフィル バーボンバレル |
| 熟成期間 | 3年(自社貯蔵庫) |
| 蒸留年/ボトリング年 | 蒸留年:2021 / ボトリング年:2025 |
| 度数 | 59.3% |
| 発売本数 | 217本 |
| 発売日 | 2025年10月17日(国内・海外販売) |
テイスティングノートは香りにリッチな蜂蜜とバニラ、高級感のある水飴があり、蒸したサツマイモや微かに茹でトウモロコシの芯、梅肉のニュアンスが感じられるとされる。
味わいは滑らかでやや軽快、蜂蜜、リンゴ、バニラに優しいカンロ飴のニュアンスが現れる。雑味が少なく穏やかなスパイシーさが広がり、後口はクリーンでバニラを伴った心地よいウッディさが続く。総評としては、御岳らしいクリーンでスムースな酒質が素直に表現された一本である。
T&T TOYAMAの設立背景と主要メンバーの紹介
T&T TOYAMAは2021年に稲垣 貴彦(Inagaki Takahiko)と下野 孔明(Shimono Tadaaki)によって共同プロジェクトとして始められた。富山県からウイスキーの魅力を世界へ発信するという志を掲げ、スコットランドの大手老舗ボトラーズを理想像として模倣した仕組みづくりを志向している。
2022年には富山県南砺市に熟成庫を新設しており、以後は新興蒸留所の初期資金回収への貢献や、オフィシャル商品とは異なる環境で熟成された商品の発売を通じてウイスキーの多様性や魅力を国内外に発信する活動を進めている。今後も中小規模蒸留所との連携を図り、ジャパニーズウイスキー文化の裾野を広げる展開を進める方針である。
主要メンバーのプロフィール
主要メンバー2名の経歴と現職を以下に整理する。
- 稲垣 貴彦(Inagaki Takahiko) — 代表取締役CEO
- 1987年生。若鶴酒造株式会社 代表取締役CEO、三郎丸蒸留所 マスターブレンダー&マネージャーも兼務。2015年に実家である富山に戻り、曾祖父の稲垣小太郎が1952年に始めたウイスキー造りを継承した。2017年にクラウドファンディングで三郎丸蒸留所を改修して再興、2019年には高岡銅器の技術を活用した鋳造製ポットスチル「ZEMON」を発明した。2024年9月には『ジャパニーズウイスキー入門 ~現場から見た熱狂の舞台裏~』(角川新書)を出版している。
- 下野 孔明(Shimono Tadaaki) — 代表取締役社長 COO
- 1983年生。株式会社とやま健康生きがいセンター 代表取締役社長、並びにシングルモルト通販モルトヤマの店主でもある。20歳のころにウイスキーと出会い、2013年から『シングルモルト通販モルトヤマ』を運営。コアなシングルモルトやプライベートボトルを中心に販売し、2022年時点で選定した樽は100樽を超える。TWSC(The Whisky Shop Competitionなど)2019〜2023の公式審査員や、ウイスキー文化研究所認定のウイスキープロフェッショナル・ウイスキーレクチャラーとしての活動歴がある。
これらの人物と富山を拠点とする体制により、T&T TOYAMAは地域資源を活かしたボトラーズ活動を展開している。今回のEPISODE 0はその成果を示す具体的な製品として位置づけられている。
発売概要の要点整理とまとめ
ここまで記載した情報を分かりやすく整理するとともに、製品ごとの主要データを表でまとめる。以下の表は、発売日や本数、度数、熟成情報など本リリースで提示された主要項目を網羅している。
| 項目 | EPISODE 0(江井ヶ嶋) | EPISODE 0(御岳) |
|---|---|---|
| 商品名 | シングルモルト ジャパニーズウイスキー EPISODE 0(江井ヶ嶋蒸留所) | シングルモルト ジャパニーズウイスキー EPISODE 0(御岳蒸留所) |
| 樽種類 | ファーストフィル バーボンバレル | ファーストフィル バーボンバレル |
| 熟成期間 | 3年(自社貯蔵庫) | 3年(自社貯蔵庫) |
| 蒸留年 | 2021 | 2021 |
| ボトリング年 | 2025 | 2025 |
| 度数(AL) | 59.1% | 59.3% |
| 発売本数 | 247本 | 217本 |
| 発売日 | 2025年10月17日(国内・海外で販売) | |
発表は2025年10月2日付、若鶴酒造株式会社によるもので、T&T TOYAMAは2021年の設立以降、国内クラフト蒸留所の原酒を買い取り自社で熟成を行い、今回初めて厳選した2品を市販するに至った。商品はそれぞれ蒸留所の個性を保持しつつ、T&T TOYAMAの理念である“富山から世界へ”という視点で選定・熟成されたことが明記されている。
本稿では発表されたすべての情報を網羅して整理した。発売日や本数、度数といった具体的な数値、テイスティングノート、会社・人事の情報までを含めて提示しており、読者が製品の特徴や背景を確実に把握できるよう構成している。