世界最長85年熟成『グレンリベット85年』の全貌を解説

時を刻んだ一瓶──グレンリベット85年、世界最長熟成の到達点

株式会社ジャパンインポートシステムは、2025年10月2日14時00分に、ゴードン＆マクファイル（G&M）が手掛ける85年熟成シングルモルト「グレンリベット85年」の予約受付を開始したと発表した。本品は世界最長熟成を謳うもので、既存の長期熟成の常識を更新する試みとして位置づけられている。

発売発表の日時、取り扱い窓口、そしてプロジェクトの背景まで、今回のリリースは多くの注目点を含んでいる。以下では発表内容を整理し、製造・デザイン・流通・寄付に至るまで、すべての情報を具体的に伝える。

発表の背景と公式情報

発表元は株式会社ジャパンインポートシステム（本社：東京都中央区、代表取締役社長：田中 克彦）。リリース発表日時は2025年10月2日 14時00分で、同社は国内での正規取り扱い窓口となる。

本件に関する問い合わせは、正規代理店 株式会社ジャパンインポートシステム（jis@jisys.co.jp）へ行うよう案内されている。取り扱い数量や予約方法、配送・引渡しに関する詳細も同社が案内する形となる。

なぜ85年が特別なのか──熟成の物理と職人の技

ウイスキーの熟成期間として一般に長期とされるのは18年や25年、稀少とされるのは30〜50年である。85年という熟成期間は、通常の条件下ではアルコール度数が40度を下回り、製品として成立し得ないと考えられてきた。そのため85年熟成は技術的にも保存管理上も極めて困難な挑戦である。

今回の「グレンリベット85年」は、原酒の酒質選定、樽（カスク）の選別、熟成環境の管理、そして長年にわたるクオリティコントロールの総合力が結実した結果と説明されている。G&Mの長年の経験と蓄積された知見があって初めて成立した製品だと位置づけられている。

ゴードン＆マクファイル（G&M）の役割と歴史

ゴードン＆マクファイルは130年以上にわたり4世代の家族経営で“最高品質のシングルモルト”を追求してきたインディペンデントボトラーである。スコットランド全土の100以上の蒸留所と信頼関係を築き、選定した最適な樽で熟成を行うことがその特徴だ。

同社は100年超のサンプルルームに蓄積されたデータと経験を未来の製品づくりに活用しており、オフィシャルリリースでは見られないユニークなボトリングを通じてウイスキー市場に新たな視点を提供し続けている。今回の85年熟成も、その延長線上にある。

オークの芸術性を具現化したデキャンタとデザイン

本件では、世界的建築家ジーニ・ギャング（Studio Gang創設者）によるデザインが採用されている。テーマは「Artistry in Oak（オークの芸術性）」であり、樹木と時間、液体の関係性を視覚化する意図が示されている。

デキャンタはブロンズ製の4本の枝が螺旋を描きながら上昇し、琥珀色の液体を包み込む造形を採用している。造形は、樹木が長い時間をかけて宝（液体）を育む姿を象徴するものとして設計された。

ジーニ・ギャングについて

ジーニ・ギャングは国際的建築事務所「スタジオ・ギャング」の創設者であり、アメリカ自然史博物館ギルダー・センターやブラジル新米国大使館などのプロジェクトを手掛けてきた。TIME誌の「世界で最も影響力のある人物」に選出された経歴も有している。

今回のデザインは建築的思考をウイスキーのボトリングに応用した事例として注目される。物理的な容器（デキャンタ）と中身（85年熟成）が意図的に結びつけられ、視覚的な物語性を持つプロダクトとして提示されている。

流通・オークション・寄付の仕組みと商品仕様・テイスティングノート

流通面では、世界限定125本として生産され、参考小売価格は税込27,500,000円に設定されている。容量は700ml、アルコール度数は43.7%で、樽はファーストフィルシェリーバット（アメリカンオーク）を使用、カスクナンバーは336である。

デキャンタのうちの1点（デキャンタ#1）は、クリスティーズのオンラインオークションに出品される予定で、オークション期間は2025年11月7日から11月21日までとされている。オークション収益（経費を除く）は米国最古の森林保護団体「アメリカンフォレスト」に寄付される。寄付の目的は特にウイスキー熟成に不可欠なアメリカンオーク林の再生・保全活動の支援である。

商品仕様の要約

商品名

グレンリベット85年（1940原酒）

製造者

ゴードン＆マクファイル（G&M）

容量

700ml

度数

43.7%

樽

ファーストフィルシェリーバット（アメリカンオーク）

カスクナンバー

336

世界限定

125本

参考小売価格

￥27,500,000（税込）

テイスティングノート（公式）

公式のテイスティングノートは香り、味わい、フィニッシュに分かれて詳細に表現されている。長年の熟成がもたらす複層的な香味プロファイルが記載されている。

• 香り：エイジドレザーからアプリコットコンポート、シナモン、柑橘へと移ろい、バニラ、サルタナレーズン、アニシード、蜜ろうのニュアンス。ほのかなスモーク。
• 味わい：なめらかで力強く、黒コショウや乾燥タバコに続いてセビルオレンジピール。チェリーやプラムがオークと調和。
• フィニッシュ：ハーブを思わせる余韻が長く続くフルボディ。

これらの表現は、85年という長期の熟成がもたらす複雑さと深みを示すものであり、香味の遷移や余韻の長さが強調されている。

要点の整理とまとめ

ここまでに示した発表内容をわかりやすく整理するとともに、主要な数値情報と重要な日程を表にまとめる。本文で伝えた事項は、発表元・製造者・デザイン・流通・寄付先・商品仕様・テイスティングノートの全てである。

以上が発表内容の整理である。商品は技術的な挑戦、デザインの意図、流通と寄付の仕組みといった複数の要素が結びついており、発表された全ての情報はここに記載した通りである。購入希望や詳細確認は、記載の正規代理店連絡先へ問い合わせることが案内されている。