10月12日開始|金剛組の「束ね柱」がハルカス300で展示

ハルカスで束ね柱展示

開催期間:10月12日〜10月23日

ハルカスで束ね柱展示
束ね柱って何?
約3mの束ね材を複数まとめて柱とした構造物で、金剛組の宮大工が釘やボルト、接着剤を使わずに組む木組み技術が活かされたもの。分解・再利用でき地域材を活かす工法です。
いつどこで見られるの?
2025年10月12日〜10月23日、あべのハルカス展望台「ハルカス300」58階・天空庭園で毎日9:00〜21:50に展示。鑑賞は展望台入場料のみ、実演は先着制です。

伝統技法を間近で見る――あべのハルカスに出現する「束ね柱」の意匠と構造

2025年10月12日(日)から10月23日(木)まで、あべのハルカス展望台「ハルカス300」58階の「天空庭園」にて、株式会社金剛組がEXPO2025大阪・関西万博で展示した「束ね柱」を特別展示します。展示品は万博で用いられたものをハルカス300の空間に合わせてリサイズしたもので、来場者は間近で日本の宮大工が伝承してきた木組み技術を体感できます。

「束ね柱」とは、約3メートルの材(以下「束ね材」)を複数束ねて柱とした構造物です。金剛組の伝統的な木組みの技術により結束されており、釘やボルト、接着剤を用いないため、金具による腐食リスクが少なく、分解して再利用できる点が特徴です。素材は全国47都道府県から提供された材木を用い、それぞれの地域で育った木を大阪に集めて束ねられています(※「束ね材」は髙松コンストラクショングループが特許出願中)。

特徴
・釘やボルト等の金具を使用しない木組み構造であること
・分解・再利用が可能で資源有効利用につながること
・全国47都道府県の材木を使用していること
EXPO2025大阪・関西万博で展示した“束ね柱”を「ハルカス300(展望台)」にて期間限定で特別展示します 画像 2

歴史的背景と技術の継承

金剛組は飛鳥時代(西暦578年)創業と伝えられ、聖徳太子の時代に遡る歴史を持ちます。創業から数えて2025年時点で創業1447年目を迎えており、社寺建築や文化財の修復を通じて伝統的技術を継承してきました。今回の「束ね柱」も、宮大工の高度な技術が活かされた作品です。

万博での展示では舞台上で様々な伝統芸能や演舞が行われるなど、単なる展示にとどまらない文化的な演出がなされました。今回のハルカス300での展示は、大阪・関西のランドマークである展望台という場を通じ、国内外の来場者へ伝統技術を伝えることを目的としています。

EXPO2025大阪・関西万博で展示した“束ね柱”を「ハルカス300(展望台)」にて期間限定で特別展示します 画像 3

展示の開催概要と来場者向けプログラム

展示会場はハルカス300(展望台)58階「天空庭園」です。展示期間は2025年10月12日(日)から10月23日(木)まで、開場時間は毎日9:00~21:50となります。展示自体は展望台入場料で鑑賞可能で、別途体験プログラムが用意されています。

会場では展示を見るだけでなく、宮大工の技を学べる体験イベントが複数実施されます。実演は金剛組専属の宮大工棟梁による「継ぎ手」の解説およびカンナ削りの実演で、来場者が参加できる継ぎ手パズルゲームやカンナ削り体験も行われます。

  • 展示期間:2025年10月12日(日)~10月23日(木)
  • 展示時間:9:00~21:50(毎日)
  • 場所:ハルカス300(展望台)58階「天空庭園」
  • 参加条件:展示・体験は展望台入場料のみで参加可能(実演参加は5歳未満は不可)
EXPO2025大阪・関西万博で展示した“束ね柱”を「ハルカス300(展望台)」にて期間限定で特別展示します 画像 4

実演イベントの詳細

実演イベントは平日と土日祝で回数が異なります。定員は各回30名で先着順、事前予約はできません。受付は各回30分前から58階「天空庭園」で行い、定員に達し次第受付終了となります。

土日祝には金剛組オリジナル商品を販売する日があり、日程によっては特別営業のため一部回が実施されない場合があります(例:2025年10月18日(土)は淀川花火大会特別営業のため17:00回は実施しません)。天候や営業状況により中止・休止となる可能性、混雑時にはエリア内への入場制限を行う可能性がある点にも注意が必要です。

項目 内容
展示 「束ね柱」展示(万博展示品をリサイズ、展示時間9:00~21:50)
継ぎ手模型展示 手に取って組立・解体体験が可能(自由参加、9:00~21:50)
宮大工実演 継ぎ手解説、カンナ削り実演、継ぎ手パズル・カンナ削り体験(参加無料、要展望台入場料)
実演日時 平日:16:00~17:00(1回)/土日祝:11:00~12:00、13:00~14:00、15:00~16:00、17:00~18:00(4回)※10/18は17:00回中止
定員 各回30名(先着順・事前予約不可)

関係企業とそれぞれの役割

今回の展示は、株式会社金剛組、株式会社髙松コンストラクショングループ、近鉄不動産株式会社の3社による共同での実施です。それぞれが担う役割は、金剛組が展示物の制作・技術提供、髙松CGが束ね材の特許出願を含む協力、近鉄不動産が会場であるあべのハルカスの運営面での協働となっています。こうした連携により地域に根ざした文化発信が図られます。

各社の概要は以下の通りです。所在地や創業年などの基本情報も公表されており、法人情報に基づいた展示協力体制が明示されています。

  1. 株式会社金剛組

    本社
    大阪市天王寺区四天王寺1丁目14番29号
    設立
    2006年1月(創業:飛鳥時代 第30代敏達天皇7年・西暦578年)
    代表者
    代表取締役社長 大槻 純一郎
    事業内容
    総合建設、社寺建築の設計・施工、文化財建造物の復元・修理等
    URL
    https://kongogumi.co.jp/
  2. 株式会社髙松コンストラクショングループ

    本社
    大阪市淀川区新北野1-2-3
    設立
    1965年6月(創業:1917年10月)
    代表者
    代表取締役社長 髙松 浩孝
    事業内容
    持株会社事業(髙松グループの中核)
    URL
    https://www.takamatsu-cg.co.jp
  3. 近鉄不動産株式会社

    本社
    大阪市天王寺区上本町6-5-13
    創業
    1968年4月1日
    代表者
    代表取締役社長 倉橋 孝壽
    事業内容
    分譲マンション、戸建・宅地分譲、注文住宅、仲介、リフォーム、商業施設運営等
    URL
    https://www.kintetsu-re.co.jp/

万博での展示と今回展示物の仕様差、注意事項のまとめ

「束ね柱」は大阪・関西万博の「伝統文化未来共創Project(EXPOホール シャインハット ギャラリーEAST)」において、2025年6月3日(火)から6月8日(日)に展示されました。その際は舞台上で伝統芸能などの催しが行われ、見応えのある演出が組まれていました。万博での柱間の貫は6.3m×4.9mでしたが、今回のハルカス300での展示は空間に合わせて4.0m×4.0mに調整して設置されます。

展示に際しては天候や営業状況により中止・休止となる場合があるほか、混雑時には施設側でエリア入場制限を行う可能性があります。実演イベントは5歳未満の子どもは参加不可、各回先着30名で事前予約は受け付けていません。土日祝にはオリジナル商品の販売がある点、また特別営業日(例:淀川花火大会)には一部回の実施が変更となる可能性がある点にも留意が必要です。

展示の要点まとめ
項目 内容
展示名称 「束ね柱」特別展示(EXPO2025大阪・関西万博で展示したもののリサイズ展示)
展示期間 2025年10月12日(日)~10月23日(木)
会場 ハルカス300(展望台)58階「天空庭園」
展示時間 9:00~21:50(毎日)
実演・体験 継ぎ手模型展示(自由参加)、宮大工による継ぎ手解説・カンナ削り実演、継ぎ手パズル・カンナ削り体験
実演日時 平日:16:00~17:00(1回)/土日祝:11:00~12:00、13:00~14:00、15:00~16:00、17:00~18:00(4回。10/18は17:00回中止)
定員 各回30名(先着順、事前予約不可。受付は各回30分前開始)
参加料金 無料(展望台入場料が必要)
主催・協力 株式会社金剛組、株式会社髙松コンストラクショングループ、近鉄不動産株式会社
関連リンク 髙松コンストラクショングループ:https://www.takamatsu-cg.co.jp/index.html

本展示は、日本の伝統技術である木組みの匠の技を都市のランドマークで紹介する試みであり、万博での展示実績を踏まえてより多くの人に触れてもらうために構成されています。特に釘や接着剤を用いない工法や、全国から集めた材木の活用といったサステナビリティの観点も重要な要素として含まれています。

参考リンク: