電脳交通が「カブリオレ」を譲受 バックオフィス一貫支援

カブリオレ事業譲受

開催日:10月7日

カブリオレ事業譲受
今回の譲受で何が変わるの?
電脳交通は配車・集客に加えて勤怠や給与などバックオフィス機能を一気通貫で提供可能に。Cabriolet導入で配車データと労務データの連携が進み、現場負担の軽減や経営の見える化が期待される。
説明会って参加できるのは誰?
説明会はタクシー事業者向けの無料オンライン(Zoomウェビナー)で、参加はタクシー事業者に限定。開催は2025年10月28日と11月18日の各14:00〜15:00で、事前申し込みが必要。

電脳交通がバックオフィス領域へ本格参入、Cabriolet事業を譲受

タクシー・交通業界のDXを推進する株式会社電脳交通は、WELLCAB JAPAN株式会社が開発・提供してきたタクシー業務管理システム「Cabriolet(カブリオレ)」の事業を、2025年10月7日付で譲受したと発表しました。譲受は事業譲渡の形で行われ、これにより電脳交通は従来の配車・集客領域に加えて、バックオフィスの業務管理領域まで提供する総合的なサービス体制を強化します。

この譲受は単なるプロダクト買収ではなく、両社が共有する「タクシー業界のITソリューションの標準化」という理念と、現場起点での開発経験を背景にした相互の親和性が決め手になったとされています。電脳交通は創業以来、配車業務の効率化を軸に業界のデジタル化を進めてきましたが、今回の事業譲受によりフロント業務からバックオフィス業務まで一気通貫で支援できる体制を整えます。

電脳交通、タクシー業務管理システム「Cabriolet」を事業譲受 ― バックオフィス領域へ本格参入 ― 画像 2

譲渡対象と当事者の概要

譲受対象はWELLCAB JAPANが開発・提供してきたクラウド型タクシー業務管理システム「Cabriolet」の事業です。WELLCAB JAPANの代表は円田 真(えんだ まこと)氏、本社は長崎県佐世保市に所在します。電脳交通の代表取締役社長は近藤 洋祐(こんどう ようすけ)氏、本社所在地は徳島県徳島市です。

両社の関係性については、創業者がいずれもタクシー会社出身という共通点があり、現場の課題に根ざしたソリューション設計という点で高い親和性があると説明されています。電脳交通は今回の譲受を通じて、今後のM&A戦略を本格化させる方針の第1弾と位置づけています。

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Cabrioletの機能と提供形態 — バックオフィスをワンストップで支援

「Cabriolet」はクラウド型の業務管理システムであり、勤怠管理、運行管理、請求、給与計算、年末調整までバックオフィスに必要な機能をワンストップで提供します。サーバー保守や端末依存を避ける設計となっており、導入企業の運用負担を抑えることを意図しています。

特徴として、WEBクラウドサービスである点、無償バージョンアップが提供される点、そして全てが標準機能として設計されている点が挙げられます。これにより、Windowsのバージョンアップやサーバー保守、専用PCの維持といった運用課題から解放され、法改正や就業規則変更等への対応も追加コストなしで可能とされています。

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主な機能とモジュール構成

プレスリリースではCabrioletのモジュール構成が示されており、一部は現在開発中のものも含まれる旨が記載されています。具体的なモジュール名の列挙は公表されていますが、基本的には勤怠・運行・請求・給与・年末調整といったバックオフィス業務を包括する構成です。

下記に挙げる点は特に導入事業者が注目すべき要素です。まず標準機能に重きを置くため、個別カスタマイズによる初期費用の上昇を抑制します。次にクラウド化によりサーバー設置と保守のコストを削減し、さらに無償バージョンアップで法制度変更等の対応を容易にします。

  • 勤怠管理・シフト管理
  • 運行管理・点呼記録
  • 請求業務・消込処理
  • 給与計算・年末調整
  • クラウド運用による保守負担軽減

説明会(オンライン)開催の詳細

Cabrioletに関するオンライン説明会がタクシー事業者向けに開催されます。参加は無料で、Zoom(ウェビナー形式)で実施されるため場所を問わず参加可能です。ただし参加対象はタクシー事業者に限定されています。

開催日時は以下の通りです。いずれも14:00〜15:00の1時間です。参加希望者は所定の申し込み方法でエントリーが必要です。

  1. 2025年10月28日(火)14:00〜15:00
  2. 2025年11月18日(火)14:00〜15:00

説明会の当日の内容は次の5項目です。

  1. 「カブリオレ」事業譲受の背景と今後の展望
  2. 「カブリオレ」のサービス概要
  3. 実際の画面を用いたデモ実演
  4. 導入の流れ・料金イメージ
  5. 質疑応答

事業譲受の意義、経営陣のコメント、採用と今後の体制

電脳交通はこれまでクラウド型配車システム「DS」を全国47都道府県・約600社・約22,000台に導入し、配車業務委託サービス「タクシーCC」も全国40都道府県で月間20万件超の電話配車対応実績を持つなど、配車・集客領域での実績を築いてきました。今回のCabriolet事業譲受は、これら既存の配車・集客サービスと業務管理機能を連携させ、配車データと労務・業務データを組み合わせたデータドリブンな意思決定支援を目指すものです。

近藤代表取締役社長はコメントの中で、配車領域に加え労務・業務管理までを見通した支援を強化する必要性を述べ、事業譲受をM&A戦略の第一弾と位置づける意向を表明しました。円田代表も、自身の業界経験とシステム開発の経緯を示し、電脳交通との協業によりシナジーが生まれるとの考えを示しています。

当事者の主な発言(要旨)

近藤 洋祐(電脳交通 代表取締役社長)は、創業以来の配車システムや配車受託サービスを通じて培った現場知見を踏まえ、配車にとどまらない経営全体を支える体制づくりの必要性を説明しました。今回の事業譲受により、配車・集客・点呼に加えて労務・業務管理を見通した支援が可能となり、現場の負担軽減と経営の見える化をさらに進めるとしています。

円田 真(WELLCAB JAPAN 代表取締役)は、自身がタクシー業界出身であり、バックオフィスの標準化やDXの遅れに課題意識を持ってCabrioletを開発してきた経緯を説明しました。今回の譲渡により、主要メンバーが電脳交通に参画し、労務・業務管理の分野から多くのタクシー事業者を支援していく計画であることを示しています。

採用情報と組織体制

事業譲受に伴い、電脳交通はCabriolet関連の体制強化を進めるため採用を行います。募集職種のひとつとして「システム導入支援」が挙げられており、主な業務内容はCabrioletの新規導入およびリプレイス(入れ替え)の推進、運用立ち上げ支援となっています。詳細は公式の採用情報ページで確認するよう案内されています。

また、本件によりWELLCAB JAPANの主要メンバーが電脳交通に参画することが明示されており、既存の配車・集客サービスと業務管理サービスを横断する体制で導入支援や運用サポートを行う方針です。

要点の整理(表形式)

以下に、本リリースで示された主要な情報を表に整理します。事実関係を中心に、日付・提供サービス・説明会・会社概要などをまとめました。

項目 内容
発表日 2025年10月7日 09:00
譲受対象 WELLCAB JAPANが開発・提供するタクシー業務管理システム「Cabriolet」事業(2025年10月7日付で譲受)
譲渡元 WELLCAB JAPAN株式会社(代表取締役:円田 真、本社:長崎県佐世保市)
譲受先 株式会社電脳交通(代表取締役社長:近藤 洋祐、本社:徳島県徳島市)
目的・狙い 配車・集客に加え業務管理(バックオフィス)を一気通貫で支援し、配車データと労務・業務データの連携を見据えたデータドリブン経営支援の実現
Cabrioletの主な特徴 クラウド型(WEB)/無償バージョンアップ/標準機能重視で個別カスタマイズ不要、勤怠・運行・請求・給与・年末調整をワンストップ提供
導入実績(電脳交通の既存サービス) 配車システム「DS」:全国47都道府県・約600社・約22,000台、配車業務委託「タクシーCC」:全国40都道府県、月間20万件超
説明会(オンライン) ①2025/10/28(火)14:00〜15:00、②2025/11/18(火)14:00〜15:00(Zoomウェビナー、参加費無料、対象:タクシー事業者)
説明会の主な内容 事業譲受の背景/サービス概要/デモ実演/導入の流れ・料金イメージ/質疑応答
採用情報(募集職種) システム導入支援(Cabrioletの新規導入およびリプレイス推進、運用立ち上げ支援)
電脳交通 会社概要
所在地
徳島県徳島市寺島本町西1丁目5番 アミコ東館6階
設立
2015年12月
代表者
代表取締役社長 近藤 洋祐
従業員数
201名(2025年3月末時点)
資本金
1億円(2025年4月末時点)
URL
http://dennokotsu.jp
主要株主(法人、五十音順) 阿波銀キャピタル株式会社、株式会社阿波銀行、いよぎんキャピタル株式会社、Uber Technologies, Inc.、株式会社NTTドコモ・ベンチャーズ、ENEOSイノベーションパートナーズ合同会社、エムケイ株式会社、株式会社沖東交通、国際自動車株式会社、GO株式会社、三和交通株式会社、株式会社JR西日本イノベーションズ、JR東日本スタートアップ株式会社、JPインベストメント株式会社、四国旅客鉄道株式会社、第一交通産業株式会社、大和自動車交通株式会社、つばめ自動車株式会社、株式会社徳島大正銀行、株式会社ブロードバンドタワー、三菱商事株式会社

本記事は電脳交通によるプレスリリースの内容を基に、事実関係を整理してお伝えしました。事業譲受により、配車・集客・点呼といった現場機能と、勤怠・給与などのバックオフィス機能の連携が進むことが期待されます。今後の説明会や採用情報、公式サイトでの詳細発信を踏まえ、導入を検討する事業者は具体的な仕様や導入フロー、料金モデルを確認することが重要です。

参考リンク: