劇団狼少年『晩カラ学校』本多劇場で2/19開幕、初の本多劇場公演に挑む
ベストカレンダー編集部
2025年10月7日 15:10
晩カラ学校本多劇場公演
開催期間:2月19日〜2月23日
劇団狼少年、結成十周年と本多劇場初登場──『晩カラ学校』が描く現代の共同体
劇団狼少年は2015年の結成から十周年を迎え、代表作となったオリジナル長編『晩カラ学校』を携え、2026年2月19日(木)から23日(月・祝)まで下北沢・本多劇場で上演することを発表した。本公演は〈第36回下北沢演劇祭参加作品〉としての上演であり、劇団にとって初の本多劇場公演に当たる。十年の歩みと積み重ねが結実する舞台として位置付けられている。
『晩カラ学校』は郊外の夜間中学校を舞台に、年齢、性別、人種、過去といった境遇を超えて生まれる絆と共生の物語を描く。初演は2023年8月の下北沢、続く再演が2024年1月の仙台で行われ、いずれも連日キャンセル待ちが出る盛況を記録した。観客からは「挑戦を後押しされた」「温かな描写と胸を締め付ける場面が鮮やかだった」「生きることが楽になる作品だった」といった反響が寄せられている。
作品の背景と物語の骨子
物語の舞台である夜間中学校には、戦後の混乱を生き抜いてきた者、不登校や複雑な過去を抱える者など、様々な境遇を背負った生徒たちが集う。年齢や性別を超えた交流の中で不器用な関わり合いが生まれ、絆が育まれていく。しかし同時に校内に流れる「妙な噂」が物語の転換点となり、登場人物たちの選択や関係性に影響を与えていく。
劇団は本多劇場での再演にあたり、舞台を通じて現代社会で希薄になりがちなコミュニティのあり方や、他者を想い行動することの普遍的な価値を改めて観客に問いかけることを目指している。演出は主宰の奥津裕也が務め、リアリズムを基調にコメディ的な彩りを加えた作風が引き続き表現される。
公演日程・会場とチケットの全情報
公演は2026年2月19日(木)から23日(月・祝)まで、東京都世田谷区北沢2-10-15に所在する本多劇場で行われる。全8回公演で、受付は開演45分前、開場は開演30分前にそれぞれ開始される。
チケット販売スケジュールは先行販売と一般発売の二段階で行われる。先行販売は2025年10月18日(土)10:00から10月22日(水)まで、座席選択可能かつ先行販売特別価格が適用される。一般発売は2025年11月1日(土)10:00からで、以下の予約サイトでの取り扱いが予定されている:カンフェティ、チケットぴあ。
公演スケジュール
| 日付 | 開演時間 | 備考 |
|---|---|---|
| 2026年2月19日(木) | 19:00 | ○(夜公演) |
| 2026年2月20日(金) | 14:00 / 19:00 | 昼・夜2回公演 |
| 2026年2月21日(土) | 13:00 / 18:00 | 昼・夜2回公演 |
| 2026年2月22日(日) | 13:00 / 18:00 | 昼・夜2回公演 |
| 2026年2月23日(月・祝) | 13:00 | 千秋楽(昼公演) |
※全8回公演。受付は開演45分前、開場は開演30分前。
チケット料金と販売詳細
チケット料金は以下の通り設定されている。先行販売特別価格が用意されており、VIP席には前方1〜4列目に限定グッズが付属する。
- 一般席:6,800円(税込)/先行販売:6,000円
- VIP席:11,000円(税込)/先行販売:9,800円(前方1〜4列目、限定グッズ付)
- 学生割:3,800円(税込)※枚数限定、当日要証明書提示
- 世田谷区民割:5,800円(税込)※枚数限定、当日要証明書提示
- 当日券:7,300円(税込)
未就学児童の入場は不可。バリアフリー対応として事前の台本貸出があり、車椅子での来場を希望する場合はチケット購入前に主催側へ問い合わせが必要である。問い合わせ先は狼少年制作:stage@ravencom.jp。
出演者・スタッフ構成と舞台上の音楽
今回の公演には劇団メンバーに加え、多方面で活躍する実力派俳優が参加する。主宰・演出は奥津裕也が務め、舞台音楽は人気アーティストSquare=circleが生演奏で参加する。演劇と音楽が一体となることで臨場感のある上演が見込まれる。
劇団はリアリズムを重視した演技にコメディの要素を添えた作風を特徴としており、本作でも人間の本質に迫る表現を目指す。
主な出演者
- 劇団メンバー(主な所属)
- 奥津裕也(主宰・出演)、實川阿季、竹中友紀子⚪︎、黒須杏樹⚫︎、宮後マミ⚫︎、髙見美儀⚫︎、玉置康二、文ノ綾
- ゲスト出演
- 及川奈央、たむらもとこ、祐真キキ⚪︎、林田麻里、泉知束(ゴツプロ!)、山本亨
上記のキャスティングは舞台に多様な演技の幅をもたらす顔ぶれで構成されている。たむらもとこや林田麻里は長年の舞台/映像での実績があり、祐真キキは海外ドラマでの活躍でも知られる。山本亨はアクションや幅広い舞台経験を有する。
スタッフ・協力団体
舞台制作の主要スタッフは以下の通りである。技術、美術、宣伝、制作面で多くのスタッフが連携し上演を支える体制になっている。
- 作:狼少年/演出:奥津裕也
- 照明:一場美紀
- 音響:角丸雄亮(DISCOLOR Company)
- 舞台監督:岡田竜二
- 美術:里森恵
- 大道具:實川阿季、古澤和久、峯岸勝浩
- 宣伝美術:小田哲也
- WEB制作:黒須杏樹
- 制作進行:文ノ綾、宮後マミ
- 制作補助:髙見美儀
- プロデューサー:奥津裕也、宮後マミ
協力団体には株式会社ファイヴドットオン、ジオット、ミノタケプラン、ゴツプロ合同会社、ラッキーリバー、合同会社ディスカラーカンパニー、Matricaria.L、コントユニットTOO、tap rap rab、株式会社エフビーエス、有限会社丸岸インテリアなどが名を連ねる。主催は株式会社ravencompanyである。
地方公演・映画化プロジェクト──舞台を越えて広がる展開
本公演は下北沢での上演後、2026年4月に大阪・仙台での地方公演が予定されており、劇団史上重要な全国展開となる。また、舞台版の成功を受けて、本作『晩カラ学校』の映画化が正式に決定した。舞台から映画へとメディアを拡張する試みは、劇団にとって新たな挑戦である。
映画化プロジェクトは奥津裕也の初監督作品として位置づけられ、撮影監督には松井宏樹、プロデューサーの一人に青柳弘太を迎えている。撮影は2026年冬にクランクイン予定とされており、舞台版からさらに進化した映像表現が検討されている。
映画化の体制と主要スタッフ
奥津裕也は映画『曖昧な楽園』が東京国際映画祭にノミネートされ、新藤兼人賞金賞受賞などの経験を持つ。劇団として舞台だけでなく映像作品への展開を視野に入れた制作体制を整えている点が特徴である。
撮影監督 松井宏樹は『ピストルライターの撃ち方』(2023年)や『神回』(2023年)などを手がけた経歴を持ち、映画の画づくりに深く関与する予定である。プロデューサー 青柳弘太らとともに、2026年冬のクランクインに向けて制作準備が進められている。
要点の整理
以下の表に、本記事で紹介した主要情報を整理してまとめる。公演日程、会場、チケット情報、主要キャスト・スタッフ、映画化関連などの要点を一覧で示す。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 劇団狼少年第十五回公演『晩カラ学校』 |
| 公演期間(本多劇場) | 2026年2月19日(木)〜23日(月・祝) 全8回公演 |
| 会場 | 本多劇場(東京都世田谷区北沢2-10-15) |
| 主催 | 株式会社ravencompany |
| チケット先行販売 | 2025年10月18日(土)10:00〜10月22日(水)/先行特別価格・座席選択可 |
| チケット一般発売 | 2025年11月1日(土)10:00〜(カンフェティ、チケットぴあ) |
| 料金 | 一般席6,800円(先行6,000円)、VIP11,000円(先行9,800円)、学生割3,800円、世田谷区民割5,800円、当日7,300円 |
| 主な出演者 | 奥津裕也、實川阿季、竹中友紀子、黒須杏樹、宮後マミ、髙見美儀、玉置康二、文ノ綾、及川奈央、たむらもとこ、祐真キキ、林田麻里、泉知束、山本亨 ほか |
| 音楽 | Square=circle(生演奏) |
| 演出・脚本 | 演出:奥津裕也/脚本:狼少年(主宰およびメンバー) |
| 映画化 | 決定/監督:奥津裕也(初監督)、撮影監督:松井宏樹、プロデューサー:青柳弘太 ほか/撮影開始予定:2026年冬 |
| 地方公演 | 2026年4月に大阪・仙台での地方公演予定 |
| 問い合わせ | 狼少年制作:stage@ravencom.jp |
この記事では劇団狼少年の十周年を記念する『晩カラ学校』の本多劇場公演、および大阪・仙台での地方公演、さらに映画化という発表内容を網羅的にまとめた。日程やチケット、出演・スタッフ等の詳細は上記表と本文を参照のうえ、チケット購入や問い合わせは指定の窓口を通じて行われることが示されている。