Coalis1号がファーストクローズ、200億目標でグロースバイアウトへ

Coalis1号ファーストクローズ

開催日:10月1日

Coalis1号ファーストクローズ
Coalis1号ファンドって何?
Coalis Capitalが設立したプライベート・エクイティファンドで、国内のグロース期未上場スタートアップを対象にマジョリティ取得で伴走するグロースバイアウト型。最終目標は約200億円です。
誰が出資してるの?
ファーストクローズ時の主要LPは、みずほ銀行(最大65億円予定)、住友商事(最大50億円予定)、SOMPO Growth Partners、三井住友信託銀行。追加投資家も募る計画です。

Coalis1号ファンド、ファーストクローズ完了──設立と発表の概要

2025年10月9日 10時10分に公表された株式会社Coalis Capitalのプレスリリースによると、同社はプライベートエクイティファンド『Coalis1号投資事業有限責任組合』(以下『Coalis1号ファンド』)を設立し、ファーストクローズを完了したと発表しました。発表主体は株式会社Coalis Capitalで、代表取締役は原田 明典氏です。

プレスリリースは、ファンド設立の趣旨、現在のリミテッド・パートナー(LP)構成、今後のファイナルクローズに向けた見通し、ならびにCoalis Capitalの組織概要や募集・採用に関する案内まで、具体的な情報を網羅しています。以下ではリリースの内容を整理し、投資家・起業家・事業会社にとって重要な点を分かりやすくまとめます。

グロースバイアウトファンド「Coalis1号」ファーストクローズのお知らせ 画像 2

発表日時と設立日の関係

発表は2025年10月9日 10時10分付で行われました。ファンド自体の設立日は2025年10月1日と明示されています。設立と公表のタイミングを分けることで、内部手続きの完了後に外部発表を行っていることが確認できます。

Coalis Capital自体の設立日は2025年2月20日で、事業開始から短期間でファンド設立に至った点も注目されます。Coalis Capitalは本社を東京都渋谷区渋谷2-24-12に置き、資本金は10百万円とされています。

投資対象と運用方針:マジョリティ取得による伴走型バイアウト

Coalis1号ファンドの投資対象は国内のグロース期にある未上場スタートアップです。ファンドの基本方針として、スタートアップのマジョリティ持分を取得し、起業家と共に事業戦略を抜本的に見直すことで、確かな成長軌道に乗せるまで経営に伴走するスタイルを採用します。

この戦略は、従来の初期段階のVC投資とは一線を画し、いわゆるグロースバイアウトに特化したアプローチです。経営支援や組織再編、事業ポートフォリオの見直しなどを通じて、マジョリティ保有後に事業価値を引き上げることを目的としています。

運用方針の具体的側面

Coalis1号は、取得後に起業家とともに事業戦略を練り直し、経営の実務的な伴走を行うことを明記しています。これには、経営陣への支援、事業開発・営業支援、人材面での補強、場合によってはガバナンスの再構築が含まれます。

また、投資対象の規模やステージに応じて、みずほ銀行や三井住友信託銀行をはじめとする金融機関が提供するベンチャーデット(事業成長を支える借入スキーム)を活用する計画が示されています。借入とエクイティの最適な組合せによって、投資先企業の成長を支える設計になっています。

資金構成と参加投資家:一次出資者とファンド規模の見通し

ファーストクローズ時点で参加しているLPは以下の4社です。各社は出資予定額や参加形態が示されており、初期出資者としてCoalis1号の投資実行力を支える役割を担います。

  • 株式会社みずほ銀行(最大65億円出資予定)
  • 住友商事株式会社(最大50億円出資予定)
  • SOMPO Growth Partners株式会社(SOMPOグループのCVC)
  • 三井住友信託銀行株式会社

プレスリリースでは、ファイナルクローズ時のファンド総額を200億円程度と想定しており、2026年春頃のファイナルクローズを予定しています。初期の4社に続き、同理念に賛同する追加の投資家の参加を募り、最終的な資金規模を確定していく計画です。

金融機関や事業会社による出資が目立つ構成であり、投資先の事業開発・協業、資金面での支援体制を強化する狙いが読み取れます。特にみずほ銀行や三井住友信託銀行との連携は、ベンチャーデット等の幅広いスキーム活用を可能にします。

LP構成と資金動向の意義

出資予定金額が明記されている株式会社みずほ銀行(最大65億円)と住友商事株式会社(最大50億円)は、ファンドのコア資金を構成する重要なプレーヤーです。SOMPOのCVCや信託銀行の参加は、産業連携や信託業務の知見をファンド運営に取り込む意味を持ちます。

ファイナルクローズで200億円を目指すことは、グロース期の大型未上場企業への投資を現実的に行うための資金規模として考えられます。共同買収やSPC(買収目的会社)を通じた案件組成も視野に入れており、複数の投資家・事業会社と連携することで大型案件への対応力を高める構想です。

運営体制・連携スキームと採用情報

Coalis Capitalは、ファンド運営と並行してProjectCoalisを通じてPE投資ファンド、M&Aアドバイザリー、AIエンジニアリング、ファンド管理などの多様な人材採用を進めていると明記しています。これは、投資後の経営支援に必要な専門性を社内外で確保する狙いがあります。

また、Coalisは外部のプロフェッショナル・パートナーと協働しており、日本のスタートアップ・エコシステムに精通した人材や、各分野で経験を積んだ専門家による支援体制を構築しています。さらに、グロース領域での事業経験豊富なメンバーを今後増員する計画も示されています。

活用予定のスキームと共同買収の仕組み

プレスリリースは、みずほ銀行や三井住友信託銀行によるベンチャーデット提供・活用、投資家や事業会社と共同で設立する買収目的会社(SPC)を通じた共同買収など、多様なスキームを活用することを明示しています。これによりエクイティ投資のみならず、レバレッジを効かせた投資スキームや共同出資による大規模案件の実行が可能になります。

共同買収のスキームは、複数投資家のリソースを結集して大型スタートアップに対するアプローチを行うための手段です。SPCの活用により、出資比率や役割分担を明確にした上で案件を遂行できます。

採用・問い合わせ窓口

Coalisではファンド事業の展開に合わせて採用を進めており、関心のある人材に向けて連絡先を公開しています。問い合わせはE-mailで受け付けており、採用や業務提携の相談はinfo@coalis.jpに送るよう案内されています。

公開されたURLはhttps://coalis.jp/です。採用やファンド運用に関する具体的なポジションや応募方法については、同サイトおよび上記メールアドレスを通じて確認できます。

要点整理とファクトシート

本記事の締めくくりとして、プレスリリースに示された主要情報を表形式で整理します。以下の表は、Coalis1号ファンドの名称、設立日、LP構成、運用方針、ファンド規模見通し、Coalis Capitalの会社情報および問い合わせ先を分かりやすくまとめたものです。

項目 内容
プレスリリース発表日時 2025年10月9日 10時10分
ファンド正式名称 Coalis1号投資事業有限責任組合
ファンド設立日 2025年10月1日
運営会社 株式会社Coalis Capital
代表者 代表取締役 原田 明典
LP(参加投資家)
  • 株式会社みずほ銀行(最大65億円出資予定)
  • 住友商事株式会社(最大50億円出資予定)
  • SOMPO Growth Partners株式会社(SOMPOグループCVC)
  • 三井住友信託銀行株式会社
ファンド規模(目標) ファイナルクローズ時に200億円程度を予定(2026年春頃を見込む)
投資対象 国内のグロース期にある未上場スタートアップ(マジョリティ取得を前提としたバイアウト)
活用スキーム ベンチャーデット、共同買収(SPC設立)等、金融機関・事業会社と連携した多様な手法
Coalis Capital 本社 東京都渋谷区渋谷2-24-12
Coalis Capital 設立日 2025年2月20日
資本金 10百万円
事業内容 ファンド運営、PE投資ファンド運営支援、M&Aアドバイザリー、AIエンジニアリング、ファンド管理等
問い合わせ(広報) E-mail: info@coalis.jp / URL: https://coalis.jp/

上表はプレスリリースに記載された事実情報を整理したものであり、Coalis1号ファンドの投資方針、資金調達の進捗、連携スキーム、組織体制、問い合わせ先など、発表内容の全体像を把握できるよう構成しています。投資先や投資機会にかかわる具体的な案件情報は、今後の公表や個別の案内で示されることになります。

本稿は公表されたプレスリリースの内容に基づいて事実を整理した報告です。詳細な問い合わせや応募に関しては、表記の連絡先へ直接ご確認ください。

参考リンク: