10月25日開幕「天空のアトラス展」イタリア館の至宝3点を公開
ベストカレンダー編集部
2025年10月10日 17:53
天空のアトラス展
開催期間:10月25日〜1月12日
大阪・関西万博の熱気を美術館で受け継ぐ ― 出展作と展示の狙い
大阪市立美術館(地独)大阪市博物館機構と朝日新聞社は、2025年10月25日(土)から2026年1月12日(月・祝)までの65日間、特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」を開催する。会期中は、大阪・関西万博(テーマ:いのち輝く未来社会のデザイン)で来場者の注目を集めたイタリア館の代表的な出展作のうち、古代からルネサンス期にかけて西洋美術史の流れを象徴する3件を厳選して公開する。
本展は日伊国交160周年記念と万博の文化的レガシーの継承を目的としており、古代ギリシアの精神とルネサンスの創造力という長い時間軸を一堂に示すことを目指している。出展作品は「ファルネーゼのアトラス」「アトランティコ手稿(レオナルド・ダ・ヴィンチ)」「正義の旗(ペルジーノ)」の3件で、いずれも出典や寸法、来歴が明記されたうえで万博会場と同様の形で公開される。
選定された3作品の意義と展示方針
出展作品は、人類普遍の主題である宇宙・信仰・正義・知識を体現するものとして選ばれている。古代彫刻の代表作である「ファルネーゼのアトラス」は天球と星座の表現を通じて古代の宇宙観を示し、レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿は科学的思考と技術的発明を伝える。ペルジーノの「正義の旗」は宗教的儀礼と精神性を描出する。
展覧会監修は神戸大学大学院教授・宮下規久朗氏が務め、古代からルネサンスへと連なる「美と叡智の系譜」を学術的に裏打ちした展示構成が取られる。展示にあたっては各貸与元(ナポリ国立考古学博物館、ウンブリア国立美術館、アンブロジアーナ図書館)と連携し、保存・輸送・展示条件に関する国際基準を遵守することが明示されている。
展示作品の詳細 ― 来歴・年代・寸法を含めた完全リスト
以下は本展で展示予定の作品について、出典や制作年代、素材、寸法、貸与元などの情報を全て盛り込んだ一覧である。万博会場での公開情報を踏まえつつ、大阪市立美術館での展示に際しても同一作が公開される。
- 《ファルネーゼのアトラス》
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西暦2世紀/大理石。高さ193cm、直径102cm。ナポリ国立考古学博物館(National Archaeological Museum of Naples, MANN)より貸与。万博でアジア初公開された作品で、古代ギリシア神話の巨人アトラスが重い天球を抱える姿を表す。天球には精緻に星座や黄道十二宮が刻まれており、古代彫刻の最高傑作と称される。
Artwork on loan from the National Archaeological Museum of Naples (MANN)。展覧会に合わせた保存措置および輸送計画が講じられる予定である。
- ピエトロ・ヴァンヌッチ(ペルジーノ)《正義の旗―聖フランチェスコ、シエナの聖ベルナルディーノ、祈る正義兄弟会の会員たちのいる聖母子と天使》
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1496年/油彩・カンヴァス。寸法218×140cm。ウンブリア国立美術館(Galleria Nazionale dell’Umbria, Perugia)より貸与。万博でイタリア国外初公開となった作品で、ペルジーノ(1450-1523)による宗教行列用の旗画として制作された傑作。深い信仰心と精神性を描く典型的なルネサンス宗教画である。
貸与元表記:Artwork on loan from the National Gallery of Umbria – © Galleria Nazionale dell’Umbria。
- レオナルド・ダ・ヴィンチ『アトランティコ手稿』
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展示予定の紙葉は以下の2点で、いずれもアンブロジアーナ図書館(Veneranda Biblioteca Ambrosiana, Milano)より貸与される。いずれも本展で日本初公開となる。
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第156紙葉 表:《水を汲み上げ、ネジを切る装置》 制作年1480-1482年頃/紙にペン、インク、水彩 255×210 mm。掲載・複写の権利表記:© Veneranda Biblioteca Ambrosiana/Metis e Mida Informatica /Mondadori Portfolio.
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第1112紙葉 表:《巻き上げ機と油圧ポンプ》 制作年1478年頃/紙にペン、インク 203×286 mm。同上の権利表記あり。
『アトランティコ手稿』はレオナルドの博覧強記の記録であり、数学・天文学・植物学・動物学・土木工学・軍事技術に及ぶ幅広い知的探究を含む。展示では手稿の図と注記を通じ、ルネサンス期の実践的知識と想像力の結合を示す。
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作品貸与・展示に関する注記
各作品は国際的な貸与手続きに基づき移送・展示される。展示期間中は保存環境(温湿度管理、照度制御など)を確保し、作品保護のための措置が講じられる。展示室では作品の来歴や解説を充実させ、来館者が作品の歴史的・文化的背景を理解できるよう構成する。
出展に際しては各貸与元の表示規定や著作権表記を遵守する。特にアンブロジアーナ図書館所蔵の手稿については所定のクレジット表示(© Veneranda Biblioteca Ambrosiana/Metis e Mida Informatica /Mondadori Portfolio)が付される。
会期・観覧情報・チケット販売の詳細
本展の会期は2025年10月25日(土)~2026年1月12日(月・祝)で、会期は65日間。会場は大阪市立美術館(大阪市天王寺区茶臼山町1-82、天王寺公園内)で、開館時間は午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)となる。休館日は毎週月曜日(ただし祝日の場合は開館し、翌平日休館)および年末年始の12月29日~1月2日である。
観覧料は以下の通りで、()内は20名以上の団体料金である。公式オンラインチケットと各プレイガイドで販売される。
| 区分 | 料金 |
|---|---|
| 一般 | 1,800円(1,600円) |
| 高大生 | 1,500円(1,300円) |
| 小中生 | 500円(300円) |
なお未就学児、障がい者手帳等をお持ちの方(介護者1名含む)は無料(要証明)。障がい者手帳等は日本の都道府県知事から交付を受けたものに限られる。大阪市在住の65歳以上の方も一般料金が必要である点に留意されたい。
チケットの主な販売場所は公式オンラインチケット、ローソンチケット(Lコード:53198)、セブンチケット(セブンコード:113-096)、tabiwaなどで、当日券の購入・予約は2025年10月18日 0:00より開始する。チケット購入時には手数料がかかる場合があり、コンビニ・プレイガイドで購入した場合も公式オンラインチケットで日時指定の予約が必要となる。
日時指定予約優先制と当日入館の取り扱い
本展は日時指定予約優先制で実施される。大阪市立美術館ホームページ(https://www.osaka-art-museum.jp/sp_evt/expo)から日時指定の予約を行う必要がある。日時指定の予約枠には上限があり、上限に達した場合は入館できない。
日時指定の予約枠に空きがある場合は美術館窓口で当日券を購入できるが、混雑状況により入館を待つ場合や当日券が完売する場合がある。団体での入館を希望する場合は事前に美術館へ問い合わせることが推奨されている。また、混雑時は入場までの待機が生じる可能性がある。
主催・後援・協賛・協力およびその他の運営情報
主催は大阪市立美術館と朝日新聞社。後援はイタリア大使館、在大阪イタリア総領事館、イタリア文化会館-大阪、公益財団法人大阪観光局(予定)、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会(予定)である。協賛としてアルテリア、JR西日本が名を連ね、協力に大阪市立科学館が入る。
制作物や広報物についてはポスターデザインの制作が行われており、展覧会公式サイト(https://www.osaka-art-museum.jp/sp_evt/expo/)で最新情報や詳細が随時更新される。記載内容は変更される場合があるため、来館前に公式サイトで最新情報を確認するよう呼びかけている。
本展は日伊友好160周年を象徴する企画であり、万博で提示された「芸術が生命を再生する」というイタリア館のテーマを引き継ぎながら、展覧会を通じて歴史的名品の紹介と国際文化交流の促進を図る。
問い合わせ先と注意事項
展覧会に関する最新の情報や詳細は、必ず大阪市立美術館の公式ページで確認すること。日時指定の予約枠には上限が設けられている点、チケット販売開始日時(2025年10月18日0:00)や、入館条件(未就学児・障がい者手帳等は無料・要証明)等の規定を留意しておく必要がある。
また、展示作品の搬入・展示スケジュールや保存管理上の理由により、展示替えややむを得ない変更が生じる場合がある。その際は公式サイトで告知される。
要点の整理:展覧会の主要情報まとめ
以下の表は本記事で紹介した展覧会の主要事項を整理したものである。会期・会場・主要出展作・観覧料・チケット販売や予約に関する重要事項を一覧化した。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 展覧会名 | 日伊国交160周年記念 大阪・関西万博開催記念 特別展「天空のアトラス イタリア館の至宝」 |
| 会期 | 2025年10月25日(土)~2026年1月12日(月・祝) (65日間) |
| 会場 | 大阪市立美術館(大阪市天王寺区茶臼山町1-82、天王寺公園内) |
| 開館時間 | 9:30~17:00(入館は16:30まで) |
| 休館日 | 毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日休館)、年末年始(12/29~1/2) |
| 主な出展作品 | 《ファルネーゼのアトラス》(西暦2世紀、大理石、193×102cm、ナポリ国立考古学博物館)/ペルジーノ《正義の旗》(1496年、油彩・カンヴァス、218×140cm、ウンブリア国立美術館)/レオナルド・ダ・ヴィンチ『アトランティコ手稿』第156紙葉・第1112紙葉(日本初公開、アンブロジアーナ図書館) |
| 観覧料 | 一般1,800円(団体1,600円)、高大生1,500円(1,300円)、小中生500円(300円)。未就学児・障がい者手帳等保持者(介護者1名含む)は無料(要証明) |
| チケット販売開始 | 当日券の購入・予約は2025年10月18日 0:00より公式オンラインチケットおよび各プレイガイドにて開始 |
| 販売窓口 | 公式オンラインチケット、ローソンチケット(Lコード:53198)、セブンチケット(セブンコード:113-096)、tabiwa等 |
| 入場方法 | 日時指定予約優先制。公式サイトから日時指定予約が必要(予約枠には上限あり)。 |
| 主催・後援等 | 主催:大阪市立美術館、朝日新聞社。後援:イタリア大使館、在大阪イタリア総領事館、イタリア文化会館-大阪、公益財団法人大阪観光局(予定)、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会(予定)。協賛:アルテリア、JR西日本。協力:大阪市立科学館。 |
| 監修 | 神戸大学大学院教授 宮下規久朗 |
| 公式サイト | https://www.osaka-art-museum.jp/sp_evt/expo/ |
この記事では展覧会の開催目的、出展作品の来歴と意義、会期・観覧料・チケット販売等の運営情報、後援・協賛体制までを網羅して整理した。来館を検討する際は、最新の情報や予約状況を公式サイトで確認することが推奨される。