女性獣医師の臨床復職支援「Revet」第1期が募集開始
ベストカレンダー編集部
2025年10月11日 19:05
Revet第1期募集開始
開催期間:10月11日〜11月9日
産休・育休後の臨床復職を支える新たな取り組み「Revet」始動
出産や育児を機に動物病院の臨床現場を離れた女性獣医師の復職を支援するプロジェクト「Revet(リヴェット)」が、XM&A and COMPANYと株式会社THE JUICYの主催で2025年10月11日に発表されました(発表日時:2025年10月11日 15時08分)。本プロジェクトは国連が定める国際ガールズ・デーに合わせて始動し、慢性的な人材不足に直面する動物病院業界に対する社会貢献的な取り組みとして位置付けられています。
主催はXM&A and COMPANYおよび株式会社THE JUICYで、協力企業には日本全薬工業株式会社、株式会社VETS TECH、ゾエティス・ジャパン株式会社、ロイヤルカナンジャポン合同会社、TRIPECT lab.などが名を連ねています。プロジェクトの詳細や募集要項は公式ページ(https://xma.vet/article/revet)で案内されています。
発足の趣旨と位置付け
「Revet」は、結婚・出産・育児を契機に動物病院勤務から離れた女性獣医師の臨床復職を支援することを主目的としています。産前産後や育児期間中に一時的に離職した女性が現場に戻りやすい環境を整備し、人材不足の解消と病院現場の負担軽減につなげることを狙いとしています。
プロジェクトは社会活動型の復職支援プログラムとして、学び直しの機会提供、実習の斡旋、コミュニティ形成を通じて、復職への心理的・実務的ハードルを下げることを目指します。
業界の現状と女性獣医師が直面する課題
動物病院業界は働き方改革の流れや診療需要の変化により、雇用すべき人員が増えた一方で「人材不足」が深刻化しています。その結果、院長や常勤獣医師の長時間労働、過労やメンタルヘルス問題の顕在化が課題となっています。
一方で獣医学部の学生の女性比率は上昇しており、麻布大学の調査では令和4年度に女性比率が56.8%に達しています。小学生の「将来なりたい職業」ランキングでも女子では獣医師が常に上位に入る一方、実際の就業率は出産・育児期に著しく低下する傾向があり、いわゆる「M字カーブ」ではなく就業率が継続的に下がる「逆スラッシュ(\)」の形を示していることが報告されています(出典:麻布大学、厚生労働科学研究、農林水産省、総務省統計局)。
復職しづらい具体的な要因
- 技術・知識のブランクに対する不安
- 最新の知識や技能が追いつかないのでは、という懸念が大きく、復職に踏み切れない理由の一つになっています。
- 勤務時間と育児の両立への不安
- 病院診療時間と保育施設の時間が合わない、急な休みによる職場負担を心配する声が多くあります。
- ブランクが許される場でないという認識
- 総合診療が主流の動物病院では即戦力が求められる場面も多く、長期ブランクが心理的障壁になります。
加えて、個別インタビューからは具体的な復職障壁が明らかになっています。Aさん、Bさん、Cさんそれぞれの事例では、実習を受け入れてもらえなかった経験や、勤務時間の制約、長期ブランクへの恐れが語られました。これらは個人の問題に留まらず、業界構造上の課題として浮かび上がっています。
第1期「Revet」プログラム概要 — 募集要項とカリキュラム
「Revet」はお子様がいる元臨床医の女性獣医師10名を対象に、臨床復帰を目指すための5日間プログラムを提供します。ブランク年数やお子様の年齢は問わず、復職を考えている女性獣医師が対象です。
募集期間は2025年10月11日〜11月9日、定員は10名、受講料は33,000円(税込)です。受講料は講師謝礼、会場費等の実費に充当されます。申し込みは公式ページ(https://xma.vet/article/revet)から行います。
日程と実施形式
| 項目 | 日程・内容 |
|---|---|
| 座学 | 11月15日(土)、11月19日(水)、12月6日(土) |
| 実習 | 11月25日〜12月5日のうち希望の日時・病院で実習(最大2日) |
| 受講料 | 33,000円(税込) |
| 定員 | 10名 |
| 対象 | お子様がいる元臨床の女性獣医師(年齢・ブランク不問) |
プログラムは座学と実習を組み合わせ、臨床復帰に必要な学び直しと現場経験を両立させる構成です。座学では症例検討やクライアントコミュニケーション、よく見る病気の総復習などを実施し、実習では都内近郊の協力病院での研修が用意されます。
内容の具体例として、動物病院実習(最大2日間)、よく見る病気の総復習、クライアントコミュニケーション、症例検討ワークショップなどが挙げられます。加えて、VETS TECHのアーカイブ動画視聴が可能、ランチ会やお子様連れ可能な懇親会も設けられます。お弁当は協力企業より支給されます。
講師・実習先のラインナップ
座学は現場で最前線に立つ獣医師が担当します。講師陣には以下の顔ぶれが発表されています。
- 塗木貴臣(TRVA動物医療センター 院長):救急・総合医療担当
- 石川勇一(犬と猫の動物診療&外科サポート 代表):総合診療担当
- 溝口俊太(ワラビー動物病院グループ 代表):予防医療担当
- 田中翔(近畿動物医療センター):麻酔学担当
- 井上舞(ロイヤルカナンジャポン):栄養学担当
- 田舞理央(日本全薬工業):医薬品担当
- 宮下めぐみ(東京都獣医師会 理事):キャリアプランニング担当
- 伊藤優真(有明動物病院):医療コミュニケーション担当
- ほか複数名
実習先は都内近郊を中心に30病院以上が協力し、受講生はその中から実習先を選択できます。協力病院の例として以下が挙げられています。
- 日本動物医療センターグループ(東京都 渋谷区・港区)
- 小滝橋動物病院グループ(東京都 新宿区・港区・目黒区・練馬区・杉並区ほか)
- ワラビー動物病院グループ(埼玉県 蕨市・川口市)
- 成城こばやし動物病院(東京都 世田谷区)
- Pet Clinic アニホス(東京都 板橋区)
- 赤坂動物病院(東京都 港区)
- ほか多数(計30病院以上)
運営体制・リーダー紹介とプロジェクトメッセージ
プロジェクトリーダーは三宅亜希(獣医師)です。三宅はTRIPECT lab.代表であり、XM&A and COMPANYに所属、都内動物病院での臨床経験や飼い主向け電話相談サービス「アニクリ24」院長経験、獣医師向け講演・研修・執筆の実績を有します。2025年よりXM&Aのコミュニケーションオフィサーとしても活動しています。
三宅のメッセージでは、獣医師として働いていないことへの申し訳なさや焦燥感を抱く女性獣医師が多い現状に触れ、子育てを通じて得た経験が臨床にとってプラスになる点や、子育て中の獣医師を求める動物病院が数多くあることを伝え、仲間とともに自信を付けてほしいという意図が述べられています。
主催・協力企業の役割
主催:XM&A and COMPANY、株式会社THE JUICY。XM&A and COMPANYは獣医師のためのM&A・事業承継支援サービスを提供する組織で、プロジェクトの運営やマッチング支援を行います。協力企業は教材提供、実務支援、協力病院の調整、動画アーカイブ提供など多面的に協力します。
協力企業の具体名は、日本全薬工業株式会社、株式会社VETS TECH、ゾエティス・ジャパン株式会社、ロイヤルカナンジャポン合同会社、TRIPECT lab.などです。これらの協力により座学・実習双方の質を担保する体制が整えられています。
要点まとめ(プログラム概要表)
以下の表は本稿で触れた「Revet」プロジェクトの主要情報を整理したものです。プログラムの申込や詳細確認は公式ページ(https://xma.vet/article/revet)を参照してください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プロジェクト名 | Revet(リヴェット) |
| 発表日時 | 2025年10月11日 15時08分 |
| 主催 | XM&A and COMPANY、株式会社THE JUICY |
| 協力企業 | 日本全薬工業、株式会社VETS TECH、ゾエティス・ジャパン、ロイヤルカナンジャポン、TRIPECT lab. 他 |
| 対象 | お子様がいる元臨床の女性獣医師(年齢・ブランク不問) |
| 募集期間 | 2025年10月11日〜11月9日 |
| 定員 | 10名 |
| 受講料 | 33,000円(税込)※講師謝礼・会場等の実費に充当 |
| 座学日程 | 11/15、11/19、12/6(2025) |
| 実習日程 | 11/25〜12/5のうち希望の日時・病院で最大2日 |
| 主なプログラム内容 | 動物病院実習、病気総復習、クライアントコミュニケーション、症例検討ワークショップ 等 |
| 講師 | TRVA動物医療センター 塗木貴臣、ワラビー動物病院 溝口俊太、田中翔、井上舞、田舞理央、宮下めぐみ、伊藤優真 他 |
| 実習可能病院 | 日本動物医療センター、小滝橋動物病院グループ、ワラビー動物病院グループ、成城こばやし動物病院、Pet Clinic アニホス、赤坂動物病院 等(30病院以上) |
| 申込・詳細 | https://xma.vet/article/revet |
本稿では発表された全ての公表情報を盛り込みました。参加希望者や関係者は公式ページで募集要項の詳細を確認のうえ、募集期間内に申込手続きを行ってください。
参考リンク: