COMMONGROUNDがKidouで最優秀賞受賞、空間重畳で米展開へ
ベストカレンダー編集部
2025年10月12日 22:00
最優秀賞受賞とボストン派遣
開催日:9月18日
関西発のグローバル舞台で「最優秀賞」を受賞 — Kidou Global Conferenceの結果
株式会社COMMONGROUND(本社:東京都品川区、代表取締役:湯淺知英)は、関西スタートアップインキュベーションプログラム「起動」が主催する初のグローバルカンファレンス「Kidou Global Conference -BEYOND BORDERS-」において、2025年9月18日に開催された英語ピッチ大会で最優秀賞を受賞しました。プレスリリースは2025年10月12日18時30分に発表されています。
受賞に伴い、副賞として「OSAKA TO BOSTON グローバルアントレプレナープログラム」への参加が決定しました。この副賞には参加費、渡航費、宿泊費が全額補助される特典が含まれており、COMMONGROUNDはこれを活用して本格的なグローバル展開を進める計画です。
受賞の経緯と英語ピッチの特徴
Kidou Global Conferenceはプレシード・シード期のスタートアップを対象に英語でのピッチを行う国際色の強いイベントです。COMMONGROUNDはピッチの中で英語によるプレゼンテーションを行い、将来実装が期待されるスマートグラスのようなARデバイスを装着してのデモを交えながら技術の実効性と社会的意義を訴えました。
受賞式では、株式会社COMMONGROUND代表取締役の湯淺知英氏が登壇し、審査委員から高く評価された点として「空間再現の精度」「低遅延での体験提供」「産業横断的に応用可能なプラットフォーム性」が挙げられました。受賞の判定は審査基準に基づき総合的に行われています。
「空間重畳(ちゅうじょう)」が実現する体験と技術の中身
COMMONGROUNDが提供するサービス名は「空間重畳」です。ARデバイスを装着するだけで、離れた相手とあたかも同一空間で会話しているかのように感じられる体験を提供することを目指しています。映画のワンシーンのような、一対一での距離を超えた“臨場感ある対話”を技術的に実現することが主目的です。
システムの具体的な仕組みは次の通りです。まずA拠点およびB拠点に複数台のモーション取得カメラを設置して常時センサリングを行い、取得した座標情報やモーションデータをクラウドにアップロードします。クラウド上で両拠点の座標系を重ね合わせることにより、あたかも同一空間で行われている出来事としてデータを記述します。その情報を各ユーザーのARデバイスに逐次ダウンロードし、低遅延で描画することで、A拠点の人にはB拠点の人が目の前にいると認識させる体験を提供します。
技術要素の整理
- モーションキャプチャとセンシング
- 複数カメラによる人の動作の高精度取得。環境ノイズ対策や複数視点統合が鍵となる。
- クラウド上での座標変換と空間重畳処理
- 両拠点の座標系を整合させ、共有空間として記述するためのデータ処理。遅延最小化が課題。
- ARデバイスへのリアルタイム配信
- 各ユーザー端末での低遅延レンダリングと同期。将来的にはスマートグラス等のコンシューマーデバイス実装が期待される。
この技術により、場所に由来する制約を取り除き、医療、教育、遠隔作業、エンターテインメントなど幅広い産業領域の課題解決につなげることが可能です。
研究的背景と事業体制、将来像と実装方針
COMMONGROUNDは東大発のスタートアップで、2025年4月にキックオフしました。研究の起点は東京大学・生産技術研究所で行われてきた「コモングラウンド技術」の研究成果であり、豊田啓介特任教授らを含む創業メンバー4名が中心となって事業化を進めています。研究開発の蓄積を基盤として、学術的な知見と事業開発を一体化させた体制が特徴です。
COMMONGROUNDは、空間重畳サービスで得られるデータを「行為空間情報」と呼び、この情報を用いて人の行為に関するAIモデルを構築する計画です。これを大規模行動モデル(LBM:Large Behavior Model)と位置づけ、さらに建物や都市といった環境側に実装することで「空間AI(Spatial AI)」の実現を目指しています。言語だけに依拠しない非言語情報、ジェスチャーや空間的関係性を含むデータをAIに取り込む点が特徴です。
LBMと空間AIの応用領域
- 医療現場:遠隔診療における臨場感の向上、専門家の行為再現による指導
- 教育:実技教育での空間情報を用いた遠隔指導や評価
- 建設・設備管理:現場作業の重畳による遠隔支援と安全管理
- 都市・建築:都市スケールでの人の行為分析を基にした環境最適化
今回のKidou Global Conferenceでの受賞と、OSAKA TO BOSTONプログラム参加は、これらの技術と事業を国際的にブラッシュアップする機会と位置づけられています。副賞の補助内容(参加費、渡航費、宿泊費全額補助)は明記されており、グローバル市場での調査・実証・パートナー獲得に充てられる予定です。
企業情報、関連リンクと問い合わせ先の詳細
COMMONGROUNDの設立背景や開発体制、プロダクトの性質については上記のとおりです。会社の公式サイト、カンファレンスの関連ページ、および問い合わせ先も公表されています。
以下に連絡先と関連リンク、カテゴリ・キーワードを整理します。企業情報や技術の問い合わせは次の連絡先宛に受け付けられています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社COMMONGROUND |
| 代表者 | 代表取締役 湯淺知英 |
| 本社所在地 | 東京都品川区 |
| プレスリリース日時 | 2025年10月12日 18時30分 |
| 受賞イベント | Kidou Global Conference -BEYOND BORDERS-(2025年9月18日開催) |
| 受賞内容 | 最優秀賞、並びに「OSAKA TO BOSTON グローバルアントレプレナープログラム」参加(参加費・渡航費・宿泊費全額補助) |
| 公式サイト | https://cmmngd.com/ |
| Kidou Global Conference関連 | https://kidou.site/kidou-global/ |
| 問い合わせ先(担当) | 代表取締役:湯淺知英 Email:tomohide.yuasa@cmmngd.com TEL:080-3560-8869 |
| カテゴリ | システム・Webサイト・アプリ開発 / ネットワーク・ネットワーク機器 |
| キーワード | コモングラウンド、COMMONGROUND、空間重畳、LBM、大規模行動モデル、空間AI、XR、AR、Spatial AI、Large Behavior Model |
本稿は、COMMONGROUNDが公表したプレスリリースの内容を基に、イベントの結果、技術の中身、研究背景、事業展開計画、問い合わせ先までを整理してお伝えしたものです。次に本文で触れた主要項目を一覧にしてまとめます。
| 要点 | 概要 |
|---|---|
| 受賞 | Kidou Global Conference -BEYOND BORDERS-(2025年9月18日)で最優秀賞を受賞 |
| 副賞 | OSAKA TO BOSTON グローバルアントレプレナープログラム参加(参加費・渡航費・宿泊費 全額補助) |
| サービス名 | 空間重畳(ARデバイスを用いた離隔間コミュニケーション体験) |
| 技術の主な要素 | 複数カメラによるモーション取得、クラウド上での座標重畳、低遅延のAR端末配信 |
| 研究起点 | 東京大学・生産技術研究所のコモングラウンド技術の研究成果(豊田啓介特任教授ら) |
| 組織 | 2025年4月に東大発スタートアップとしてキックオフ。創業メンバー4名 |
| 将来ビジョン | 行為空間情報から大規模行動モデル(LBM)を構築し、建物や都市に実装する空間AIの実現 |
| 問い合わせ | 湯淺知英(代表取締役) tomohide.yuasa@cmmngd.com / 080-3560-8869 |
上記はプレスリリースの情報を整理した要約と一覧です。COMMONGROUNDは今回の受賞と副賞を活用して技術の検証と国際展開を進める方針を示しており、今後の実証や産業適用の進捗が注目されます。関係者・利害関係者は公式サイトおよび公表された問い合わせ先を通じて最新情報を確認できます。
参考リンク: