10月18日 東大で披露 津南醸造の新ブランド「郷(GO)」
ベストカレンダー編集部
2025年10月14日 09:59
東大蔵元会出店
開催日:10月18日
東京大学本郷で「郷(GO)」を呈示——東大ホームカミングデイ出店の概要
津南醸造株式会社は、2025年10月18日(土)に東京大学本郷キャンパスで開催される「東京大学ホームカミングデイ2025」内の企画「東大蔵元会 利き酒会」に出店します。報道発表日は2025年10月14日 08:00であり、同社が展開する新ブランド「郷(GO)」シリーズから3銘柄を提供する予定です。
会場は本郷キャンパスの銀杏並木テントで、開催時間は11:00〜16:00です。主催は東大蔵元会で、東大にゆかりのある18蔵元が全国から集まる場に津南醸造も名を連ねます。今回の出店は、母校との接点を活かした情報発信の場として位置づけられています。
- イベント名:東大蔵元会 利き酒会(東京大学ホームカミングデイ2025 内)
- 開催日時:2025年10月18日(土)11:00〜16:00
- 開催場所:東京大学本郷キャンパス 銀杏並木テント
- 主催:東大蔵元会(東大にゆかりのある18蔵元が出店)
- 出店企業:津南醸造株式会社(新潟県中魚沼郡津南町)
「郷(GO)」シリーズ — 三つの方向性と提供銘柄の具体像
津南醸造が出品する「郷(GO)」シリーズは、豪雪地というテロワールと科学的醸造アプローチを融合させた新たな日本酒群です。東大の場で提示されるのは、フラッグシップを含む3銘柄です。
それぞれの銘柄は異なる食文化との接点を意図して設計され、米、ワイン、デザートといった異なるシーンに寄り添う味わいの特徴をもっています。以下に各銘柄の特徴を詳述します。
郷(GO)GRANDCLASS 魚沼コシヒカリ Edition
「郷(GO)」シリーズのフラッグシップに位置づけられる一本です。酒米に日本を代表するブランド米である魚沼産コシヒカリを用いて醸造し、津南町の超軟水と豪雪という環境を活かして仕上げています。
生産過程では地域の「土・水・雪・人」が一体となることを旨としており、純粋なテロワールの結晶を目指す設計です。米の特性を引き出す醸造管理や、原料由来の風味を重視するプロセスが本銘柄の中心となっています。
郷(GO)VINO
“発酵がつなぐ和と洋”をテーマに開発された銘柄で、白ワインを愉しむシーンでの活用を想定して設計された酸味を活かす新感覚の日本酒です。酸味と香りのバランスを最適化することで、和食だけでなく洋食やワイン文化との共鳴を図っています。
この銘柄は「発酵を通じて世界の食卓に橋を架ける」ことを目指しており、発酵プロファイルの制御によりワイン的な幸福感を演出することを試みています。料理とのペアリングを意識したアプローチが特徴です。
郷(GO)DOLCE
デザートタイムやアフターディナーに特化した甘味系タイプの日本酒です。特徴は人工糖添加に頼らず、酵母の代謝制御によって「発酵が生み出す自然な甘さ」を科学的に再構築している点です。
津南醸造はこの銘柄をもって「日本酒×デザートペアリング」を明確に打ち出しており、余韻や甘味の表現を通じて食後の時間に新たな価値を提案しています。甘味と余韻の設計はブランド全体のテーマにも連動します。
- GRANDCLASS
- 米と地域を核にしたテロワール表現
- VINO
- 発酵と世界(ワイン文化)をつなぐ酸味設計
- DOLCE
- 甘味と余韻、デザートペアリングに特化
津南醸造の歩みと科学技術を取り入れた醸造哲学
津南醸造は地元農家、津南町、JA津南町などの連携で設立され、地域農業の振興と酒米「五百万石」の価値向上を目的にしてきました。地理的背景としては日本有数の豪雪地帯に立地し、標高の高い山々から湧く天然水を仕込み水に利用しています。
2023年には代表取締役社長に鈴木健吾が就任しました。鈴木は東京大学で博士号(農学)を取得した経歴を有し、アカデミアとスタートアップの両面で研究成果の社会実装を進めてきた人物です。氏の就任以降、経営改革と技術導入が加速しています。
導入している主な技術と研究
同社は伝統的な醸造技術と先進技術を組み合わせる方針を明確にしています。AIを用いた「スマート醸造」や、微生物モニタリング技術の導入により、発酵挙動の最適化を図っています。
また、酒粕の再資源化として「酒粕をナノ素材へと変換する研究」など、発酵副産物の付加価値化にも取り組んでいます。これらの研究は産学連携や地域資源の循環を見据えた実践的な取り組みとして位置づけられています。
- 地域資源の活用:地元産米(五百万石、魚沼産コシヒカリ)と天然水の組合せ
- AI・データ駆動:発酵プロセスの制御と品質安定化
- 副産物の再資源化:酒粕のナノ素材化など
2025年には越後流酒造技術選手権大会で新潟県知事賞(第1位)を受賞するなど、技術面での評価も得ています。会社のブランドコンセプトは「Brew for Future〜共生する未来を醸造する〜」であり、自然の恵みと科学の知恵を融合することを旨としています。
出店の意義、代表コメントと情報整理
今回の東大蔵元会への出店は、津南醸造の理念である「科学と地域の共創」を象徴する機会であると位置づけられます。母校での出店を通じて、同社の酒造り哲学や研究成果を広く社会に伝える狙いが示されています。
代表取締役社長 鈴木健吾は次のようにコメントしています。
「今回の東大蔵元会を通じた東大のホームカミングデイへの出店は、学問と発酵文化が再び出会う象徴的な出来事と捉えています。津南という自然環境の極限地で、科学と伝統を融合させて生まれた“郷(GO)”を通じ、日本酒の未来と可能性を感じていただければ幸いです。」
出店はあくまで情報発信および交流の場として位置づけられ、来場者に対して同社の技術的・地域的な取り組みを紹介することが主目的です。下表に本記事で触れた主要事項を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プレス発表日 | 2025年10月14日 08:00 |
| イベント | 東京大学ホームカミングデイ2025 内「東大蔵元会 利き酒会」 |
| 開催日時 | 2025年10月18日(土)11:00〜16:00 |
| 開催場所 | 東京大学本郷キャンパス 銀杏並木テント |
| 主催 | 東大蔵元会(18蔵元が出店予定) |
| 出店者 | 津南醸造株式会社(代表取締役:鈴木健吾) |
| 提供銘柄 | 郷(GO)GRANDCLASS 魚沼コシヒカリ Edition / 郷(GO)VINO / 郷(GO)DOLCE |
| 企業所在地 | 新潟県中魚沼郡津南町 |
| 代表者の経歴(要点) | 鈴木健吾:東京大学で博士号取得(農学)、2023年に代表就任、研究の社会実装経験あり |
| 技術・研究の特徴 | AI制御醸造(スマート醸造)、微生物モニタリング、酒粕のナノ素材化など |
| 受賞 | 2025年 越後流酒造技術選手権大会 新潟県知事賞(第1位) |
| ウェブサイト | https://tsunan-sake.com |
上表は出店概要、提供銘柄、企業の技術的背景や受賞歴など、本記事で示した主要な情報を整理したものです。出店を通じて提示される「郷(GO)」シリーズは、津南の自然条件と醸造科学の両面を背景に持つことが確認できます。
参考リンク: