ジャパンポップを事業に変える、大丸ら3社の実践
ベストカレンダー編集部
2025年10月15日 15:30
NextWaveフォーラム
開催日:9月19日
ジャパンポップカルチャーと百貨店が描く共創の風景
2025年7月に業務提携を開始した株式会社大丸松坂屋百貨店(本社:東京都江東区、代表取締役社長:宗森 耕二)、株式会社ツギステ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:橋本 ゆき)、および合同会社CGOドットコム(本社:東京都渋谷区、代表:総長 バブリー(竹野 理香子))は、ジャパンポップカルチャーを活用した企業のマーケティング支援、コンテンツ開発、人材開発支援を目的に連携しています。
連携のきっかけや提携趣旨は、SNSや動画制作での協業実績を踏まえ、各社の強みを結集することでクライアント企業の多様な課題により効果的に応えるためというものです。提携発表から実際の取り組みまでを示す場として、2025年9月19日(金)に渋谷QWS CROSS PARKで開催されたフォーラムの内容を踏まえ、連携の全体像と視座を整理します。
提携の目的とイベントの位置付け
提携は、カルチャーIP(アイドル・ギャル・インフルエンサー・アバター等)を企業活動に組み込み、国内外で文化とビジネスが共に成長する好循環をつくることを掲げています。戦略立案から事業計画、制作・配信、販売、人財育成まで一気通貫で支援するサービス設計が特徴です。
9月19日の「NextWave Japan Forum~インフルエンサー・メタバース・アイドル・ギャルで創る次世代マーケティングを考える~」は、その具体的な事例紹介と議論の場として機能しました。イベントではオープニングの説明に加え、事業開発、動画制作、人財サービスの3つのセッションを通じて実践知が共有されました。
- プレスリリース発表日時
- 2025年10月15日 12時12分(株式会社大丸松坂屋百貨店発表)
- フォーラム開催日
- 2025年9月19日(金)
- 開催場所
- 渋谷 QWS CROSS PARK
3つの視点で探る実務—事業開発・動画制作・人材研修
フォーラムは3つの主要なディスカッションで構成され、それぞれに登壇者が登場して具体的な取り組みと成果を紹介しました。ここでは各セッションの要点と事例を整理します。
登壇者の役職名や担当分野を明示しながら、実際にどのようにカルチャーIPが事業や施策に落とし込まれているかを把握できるようにまとめます。
事業開発セッション:百貨店×アイドル×ギャルの可能性
テーマは「日本発!百貨店×アイドル×ギャル ユニークIPを活用した事業開発とは」。登壇者は大丸松坂屋百貨店 DX推進部 部長 岡﨑 路易、ツギステ 取締役 桜 のどか、CGOドットコム 総長 バブリーでした。
議論では、百貨店の企画・制作・分析力にカルチャーIPを掛け合わせることで、従来届かなかったターゲット層への接点創出や界隈消費の喚起が可能である点が示されました。具体事例として以下が紹介されました。
- 大丸松坂屋百貨店の自社アカウント「おかたべ」「WAZA Studio」の運用実績。
- 島根県江津市の伝統芸能・石見神楽をメタバース化した取り組み(メタバースの活用事例)。
- ツギステによるスポーツジム・ルネサンスとのアンバサダーオーディションを通じたアイドルコラボ事例。
- CGOドットコムの「ギャル式ブレスト®」「ギャル式スタジオ」を用いた発想転換、南部美人とのコラボ日本酒「YUICHU」、札幌市との地域連携事例。
動画サービスセッション:企画×キャスティングの舞台裏
テーマは「動画制作のリアル―企画×キャスティング・演出、2人の仕掛け人が語る舞台裏」。登壇者は大丸松坂屋百貨店 DX推進部 インフルエンサー事業 リーダー 大川 尚久、CGOドットコム ギャル式ブレスト®事業部長 兼 kira☆meki ファンタスティック ディレクター ハラミ、モデレーターはツギステ 取締役 桜 のどかが務めました。
大丸梅田店での催事「平成ときめき展」を題材に、制作背景、キャスティング、演出の具体的手法、チャネル設計までが紹介されました。制作にあたっては百貨店が全体統括を行い、CGOがギャル文化やY2Kトレンドの知見を提供。ガングロギャルの再現や細部のメイク、マイクロインフルエンサーの起用といった点にこだわり、SNSでのUGC拡散を狙った施策設計が行われました。
- 背景:平成レトロブームと若年層の来店促進ニーズ。
- 制作体制:百貨店(統括)+CGO(カルチャー知見)+キャスト(ギャル・インフルエンサー)。
- 成果:来場者数122%増、物販売上195%増を達成。
人財サービスセッション:カルチャーを起点とした研修設計
テーマは「不確実な時代を生き抜く―カルチャーから生まれた人財研修」。登壇者はCGOドットコム 総長 バブリー、ツギステ 人材開発チーム 俳優・プロデューサー 伊澤 恵美子、モデレーターは大丸松坂屋百貨店 DX推進部 部長 岡﨑 路易でした。
各社が提供する研修の特徴としては、DX人財育成やインフルエンサーマーケティング、メタバース基礎理解に加え、CGOの「ギャル式ブレスト®」による多様性受容と心理的安全性の創出、ツギステの演劇技法を用いた非言語コミュニケーション訓練など、実務に直結する内容が挙げられました。受講者の声も交え、研修が個人のキャリア形成や組織の活性化に寄与する点が示されました。
- 研修の主な狙い
- 多様性の受容・発想転換・非言語コミュニケーション能力の向上
- 提供手法
- ワークショップ形式、体験型ワーク、ギャル式メソッドの応用、演劇を用いた実践訓練
支援の流れと海外展開の動き
セミナー全体を通して提示されたサービス設計は、戦略立案→事業計画→制作・配信→販売→人財育成という一連の流れを一気通貫で支援するものでした。これにより、クライアントは企画段階から効果検証までを一つの導線で進められます。
また、海外展開の事例としてタイ・バンコクで実施したイベント「NextWave Japan –Japan Pop Culture Marketing Forum in Thailand 2025」の成果も紹介されました。現地メディア露出や高い来場者満足度を獲得し、日本発のユニークなIPが海外で成果を生んでいる点が強調されています。
- 海外での認知拡大手法:現地レポーターの起用(例:タイ在住の人気YouTuber TJ氏が公式レポーターを担当)
- 成果指標:現地メディア露出・来場者満足度の向上等
- 関連動画:YouTube紹介動画の公開(URL:https://www.youtube.com/watch?v=vrnfJKsj3aA)
こうした取り組みは、日本企業の海外進出支援や、日本発のエンターテインメント表現を国際標準へと昇華させることを念頭に置いており、カルチャーを入り口としたビジネスモデルの多様化を示しています。
要点整理と問い合わせ先
ここまでに示された内容を整理すると、今回の連携とフォーラムで共有された主なポイントは次のとおりです。表は記事内で示した事実をまとめ、読者が一目で把握できるように構成しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提携企業 | 株式会社大丸松坂屋百貨店、株式会社ツギステ、合同会社CGOドットコム |
| 提携開始時期 | 2025年7月 |
| フォーラム名・開催日 | NextWave Japan Forum~インフルエンサー・メタバース・アイドル・ギャルで創る次世代マーケティングを考える~(2025年9月19日) |
| 開催場所 | 渋谷 QWS CROSS PARK |
| 主な登壇者(抜粋) | 岡﨑 路易(大丸松坂屋百貨店 DX推進部 部長)、大川 尚久(同 インフルエンサー事業 リーダー)、桜 のどか(ツギステ 取締役)、バブリー(CGOドットコム 総長)、ハラミ(CGO ギャル式ブレスト®事業部長)等 |
| 紹介された主な事例 | 島根・石見神楽のメタバース化、ルネサンスのアンバサダーオーディション、南部美人とのコラボ日本酒「YUICHU」、平成ときめき展の動画施策等 |
| 実績指標 | 平成ときめき展関連の施策で来場者数122%増、物販売上195%増 |
| 海外展開事例 | NextWave Japan –Japan Pop Culture Marketing Forum in Thailand 2025(バンコク)/現地YouTuber TJ氏によるレポート動画あり:YouTube |
| 問い合わせ先(関連リンク) | 大丸松坂屋百貨店インフルエンサー事業:https://www.daimaru-matsuzakaya.com/business/influencer/ 大丸松坂屋百貨店メタバース事業:https://www.daimaru-matsuzakaya.com/business/metaverse/ |
| プレスリリース発表日 | 2025年10月15日 12時12分(株式会社大丸松坂屋百貨店発表) |
上表はフォーラムで提示された事実と、発表資料や当日の報告に基づき整理したものです。本稿では、提携の趣旨、各セッションで示された事例と成果、支援の流れと海外展開の取り組み、問い合わせ先までを網羅しました。ジャパンポップカルチャーを核にした実務的な連携は、ターゲット接点の拡大と新たな事業価値の創出に結び付く可能性を具体的に示しています。
参考リンク: