横浜市が「お悔やみ窓口」を全区で開始、鎌倉新書が支援

横浜市全区に展開される「お悔やみ窓口」が目指すもの

超高齢社会に対応する行政サービスの一環として、横浜市内の各区役所へと順次展開される「お悔やみ窓口」は、ご遺族の手続き負担を軽減するための専門窓口です。2024年1月に鶴見区と瀬谷区で試行が始まり、利用者の声を受けて2025年10月15日から市内全区役所へと拡大されます。運営支援は、終活領域での知見を持つ株式会社鎌倉新書が引き続き担います。

本章では設置の背景と意義を整理します。死亡後の手続きは年金・保険・税金・相続など多岐にわたり、ご遺族には精神的・時間的負担が重くのしかかります。横浜市が導入を進める「お悔やみ窓口」は、関連手続を一つの窓口で案内・支援することで、行政手続きの負担を軽減することを狙いとしています。

試行運用で明らかになったニーズ

鶴見区と瀬谷区での試行運用では、利用者から「手続きに何倍もの時間がかかるところを本当に助かった」「寄り添ってもらえて精神的に安心して進められた」といった評価が寄せられました。こうした声を踏まえ、横浜市は全区展開を決定しました。

試行で得られた知見は、窓口設計や業務フローの整理に反映され、プライバシー配慮やバリアフリー対応など利用者の安心に資する環境整備が重視されています。

• 対象となる手続き：年金、保険、税金、相続関連手続きなど幅広い項目。
• 試行区での評価：精神的な支えになったという声、手続き時間の短縮。

鎌倉新書が担う支援内容と現場での運用設計

鎌倉新書は終活専門企業としてのノウハウを生かし、窓口の設置・運営支援、業務フローの整理、相談環境の整備などを行います。具体的には、プライバシーやバリアフリーに配慮した相談環境の設置から、遺族のヒアリングによる必要手続きの抽出・案内まで多面的にサポートします。

支援の目的は、ご遺族が必要な手続きを一つひとつ確実に進められるようにすることです。申請書作成の補助など、実務的なサポートも提供されることで、負担軽減を図ります。

具体的な取組内容

発表では以下の二点が明示されています。まず、(1)窓口の運営・相談環境の整備、次に(2)窓口運営委託としての遺族ヒアリングに基づく手続案内です。窓口は個別相談形式により、状況に応じた手続き一覧の提示や書類作成補助を行います。

業務フローは、遺族からの聞き取り→必要手続の抽出→申請書作成補助→関係部署への案内の流れを基本とし、プライバシー保護とバリアフリー対応を組み合わせた相談環境を提供します。

（1）お悔やみ窓口の運営窓口等整備業務

プライバシー・バリアフリーに配慮した相談窓口の設置・運営、窓口相談環境の整備。

（2）お悔やみ窓口運営委託

遺族のヒアリングを通して必要な手続を抽出し、スムーズに手続きできるようご案内。申請書の作成補助も含まれる。

利用方法、開設スケジュール、運用時間の詳細

窓口の利便性を高めるため、原則として予約制で運用されます。利用者はお亡くなりになった方が住民登録をしていた区役所の窓口を利用します。予約は横浜市公式ウェブサイトまたは電話で、4営業日前の16時までに行う必要があります。

以下に予約開始日、対応開始日、受付時間、予約枠などの具体的なスケジュールと運用ルールを整理します。区ごとの開設時期は2段階に分かれており、10月と12月に分けて順次稼働します。

開設時期と予約受付

10月に開設される区と、12月に開設される区が明記されています。10月開設分は2025年10月15日から対応開始、12月開設分は2025年12月15日から対応開始です。予約受付開始日も区分ごとに設定されています。

具体的な一覧は以下の通りです。

• 10月開設：神奈川区、中区、港南区、磯子区、金沢区、緑区、青葉区、戸塚区
  • 予約受付開始：2025年10月8日（水）
  • 対応開始：2025年10月15日（水）
• 12月開設：西区、南区、保土ケ谷区、旭区、港北区、都筑区、栄区、泉区
  • 予約受付開始：2025年12月9日（火）
  • 対応開始：2025年12月15日（月）

受付時間・予約枠

窓口の受付時間は区役所開庁日に合わせて、午前8時45分～午後5時となります。実際の面談は予約枠で運用され、1日4枠の設定です。

予約枠は以下の通りです。時間厳守での案内が想定されています。

1. 9:00～
2. 10:30～
3. 13:30～
4. 15:00～

詳細情報は横浜市の公式ページを参照するよう案内されています。URL：
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/todokede/kojo/okuyamimadoguchi.html

連携と推進方針：政策・自治体DXとの関係

鎌倉新書は、内閣官房、総務省、デジタル庁、自治体との連携を通じて、いくつかの方針を推進すると明示しています。これらは単発の事業支援に留まらず、自治体の行政サービス改善やデジタルトランスフォーメーション（DX）推進の一環と位置づけられています。

具体的にはSDGsの観点から「住み続けられるまちづくり」への貢献、自治体DXの支援、内閣官房IT総合戦略室が進める「死亡・相続ワンストップサービス」の拡充支援、そして自治体との協定締結による包括的な終活・ご遺族支援の推進が挙げられています。

政策連携と目標

鎌倉新書が表明した主な推進項目は以下の4点です。これらは行政サービスの効率化と住民利便性の向上を念頭に置いています。

1. SDGs目標11「住み続けられるまちづくり」達成への貢献
2. 自治体DXの推進支援
3. 内閣官房IT総合戦略室の推進する「死亡・相続ワンストップサービス」の拡充支援
4. 自治体との「地域住民の終活支援に関する協定」を推進し、終活・ご遺族支援の包括的な課題解決を図る

これらの連携により、行政手続きの標準化やデータ連携、オンラインとオフラインを組み合わせた窓口運営の最適化が期待されます。

鎌倉新書の事業概要と提供サービスの全体像

最後に、鎌倉新書の企業情報と、グループが運営する主要サービスを整理します。本文中で触れた支援体制は、同社が長年にわたり構築してきたウェブメディアや相談サービス網の延長線上にあります。

以下では会社の基本情報、グループ企業、インターネットサービス、出版物などを具体的に列挙します。各サービスのURLもプレスリリースの情報を忠実に記載します。

以下は、鎌倉新書（グループ企業含む）が運営する主なサービス一覧です。各サービスは葬儀・お墓・相続・介護など終活に関する複数分野をカバーしています。

• いい葬儀： https://www.e-sogi.com/
• いいお墓： https://www.e-ohaka.com/
• いい仏壇： https://www.e-butsudan.com/
• お別れ会プロデュースStory： https://e-stories.jp/
• いい相続： https://www.i-sozoku.com/
• わたしの死後手続き： https://watashigo.com/
• いいお坊さん： https://www.e-sogi.com/support/religious
• いい介護： https://e-nursingcare.com/
• 相続不動産サポート： https://i-fudosan.com
• 安心できる遺品整理： https://www.i-seri.com/
• シニアと家族の相談室： https://shukatsu.life/
• お墓の引っ越し＆墓じまいくん： https://ohakahikkoshi.jp/
• ブルーオーシャンセレモニー： https://blueoceanceremony.jp
• 葬儀保険「千の風」： https://www.bell-shotan.co.jp/
• 月刊『終活』： https://butsuji.net/

グループ企業としては以下が明記されています。

• 株式会社ハウスボートクラブ： https://hbclub.co.jp/
• 株式会社エイジプラス： https://ageplus.jp/
• 株式会社鎌倉新書ライフパートナーズ： https://www.kamakura-life.co.jp/
• ベル少額短期保険株式会社： https://www.bell-shotan.co.jp/company/
• ユウテル株式会社： https://yuteru.co.jp/

本件の発表日は2025年10月15日 15時00分であり、鎌倉新書が横浜市のお悔やみ窓口の設置・運営支援を継続して行う旨が明確に示されています。自治体側の運用開始日は区ごとに設定されており、利用方法や予約要件も具体的に示されています。

以上が今回の発表の要旨と、鎌倉新書が果たす役割、運用の詳細、関連する同社の事業領域の整理です。横浜市内の全区での導入により、ご遺族が必要な行政手続きを一元的に案内・支援される体制が整備されることになります。行政と専門企業の連携を通じて、手続きの負担軽減と行政サービスの質向上が期待されます。