10月21日開幕|河野隼也プロデュース『大江山酒呑百鬼夜行』展
ベストカレンダー編集部
2025年10月20日 17:25
大江山酒呑百鬼夜行展
開催期間:10月21日〜12月7日
万博の熱気をそのままに、大江山の伝説が福知山でよみがえる
平安時代の鬼の王・酒呑童子を源流に持つ大江山の鬼伝説を、現代のアートとまちの記憶が結びつける展覧会が日本の鬼の交流博物館で開かれます。2025年5月に開催された大阪・関西万博の関西パビリオン多目的エリアで実施された壮大な妖怪仮装行列「大江山酒呑百鬼夜行」と連動し、その興奮を受け継ぐ形での凱旋展示です。
主催は福知山市教育委員会。会場となる日本の鬼の交流博物館は大江山の麓に立ち、地元に伝わる鬼伝説と各地の鬼文化、世界の鬼面などを展示する独自性の高い施設です。本秋の特別展では、万博で行われた百鬼夜行の記録と、百鬼夜行クリエイターである河野隼也さんが制作した作品群を中心にした構成で、来場者が大江山の伝説世界に没入できる展示空間を目指します。
万博と福知山をつなぐ経緯
2025年5月、関西パビリオンで行われた「大江山酒呑百鬼夜行」では、河野さんが実施したワークショップで市民が作ったオリジナル鬼面を着け、鬼に扮した参加者らが会場を練り歩きました。河野さんが造形した「酒呑童子」の登場時には会場全体が盛り上がり、立ち見が出るほどの賑わいを見せました。
今回の秋季特別展は、万博で生まれた表現の余韻を大江山の地で展示として再編し、地域の鬼文化を国内外へ継続的に発信することを目的としています。企画名は『大江山酒呑百鬼夜行』展。福知山市が掲げる複数の鬼関連企画を総称する『鬼鬼万博(おにおにばんぱく)』のメインイベントに位置づけられます。
展示の構成と見どころを詳述
展覧会は、河野隼也さんによる大型造形から、万博での百鬼夜行の記録写真、参加者が制作した鬼面の展示、そして百妖箱の妖怪作品まで、多様な要素を組み合わせた展示群で構成されます。展示目的は、地域に根づく鬼伝説を現代アートの手法で再提示し、来場者に物語としての大江山を体感させることです。
展示内容はチラシ裏面の記載に基づき以下のとおりです。詳細は会期中に一部追加・調整される可能性がありますが、発表された内容はすべて本展示で紹介されます。
- 主な展示項目
- ① 河野隼也作「酒呑童子」
- ② 「大江山酒呑百鬼夜行 in 大阪・関西万博」での百鬼夜行の写真展示
- ③ 百鬼夜行の準備から本番に至る記録映像の公開
- ④ 百鬼夜行参加者作成のオリジナル鬼お面の展示
- ⑤ 河野さんが代表を務める妖怪芸術団体「百妖箱」の妖怪作品
- ⑥ そのほかイベント企画中(詳細は改めて発表)
展示で体感できること
《造形》としては河野さんが制作した「酒呑童子」の造形展示が中核となり、仮装行列で用いたオリジナル鬼面の実物展示や、百妖箱の立体作品によって、妖怪造形の技術と表現の幅を観察できます。
《記録》としては、万博当日の写真と記録映像を通じ、参加者と観客が共有した現場の空気や動線、パフォーマンスの構造を知ることができます。造形と記録が併存する構成により、来場者は過去のイベントの痕跡と現在の博物館展示とをつなぎ合わせて体験することが可能です。
会場情報、料金、アクセスなどの実務的情報
展覧会の開催期間および会館情報は次のとおりです。展覧会は期間限定の秋季特別展として企画され、入館や利用に関する具体的な条件が明記されています。
以下は展覧会の公式に発表された開催概要です。訪問計画の参考にしてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会場 | 日本の鬼の交流博物館(京都府福知山市) |
| 期間 | 2025年10月21日(火)~2025年12月7日(日) |
| 特記事項 | 2025年11月3日(月・祝)は関西文化の日のため入館料無料 |
| 開館時間 | 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
| 休館日 | 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、年末年始(12/28~1/4) |
| 入館料 | 大人330円/高校生220円/小中学生160円 |
| 公式HP | https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/onihaku/ |
| 問い合わせ | 日本の鬼の交流博物館 TEL&FAX:0773-56-1996 |
アクセスの詳細
博物館へのアクセス手段は自動車・鉄道・地域送迎があり、利用の際は所要時間や運行条件を確認することが推奨されます。
代表的なアクセス方法は次のとおりです。
- 京都縦貫自動車〔舞鶴大江IC〕より約35分
- 京都丹後鉄道〔大江山口内宮駅〕下車、徒歩約35分
- 京都丹後鉄道〔大江駅〕下車、平日のみ運行の市バス利用またはタクシー(要予約)で約20分
- 地域送迎サービス「鬼タク」 予約ダイヤル:0773-33-5533
福知山の鬼文化を横断する『鬼鬼万博』と関連行事
本展は『鬼鬼万博(おにおにばんぱく)』というシリーズ企画の中核に位置づけられており、福知山市内では秋以降、鬼をテーマにした複数のイベントが展開されます。来場時には周辺イベントのスケジュールを併せて確認すると、より多面的に鬼文化を楽しめます。
主要な関連行事としては、伝統的な祭礼と現代の演出が交差する「大江山酒呑童子祭り」があります。併催イベントと連携した観覧ルートを組むことで、夜と昼で表情の異なる鬼の世界を体験できます。
- 第44回 大江山酒呑童子祭り
- 日時:2025年10月26日(日)10時~15時
- 場所:大江山酒呑童子の里
- 内容:飲食・雑貨のテント村、鬼遊びコーナー、鬼武者行列、鬼ミコシなど
- 主催:大江山酒呑童子祭り実行委員会
- 問合せ:実行委員会(大江まちづくり住民協議会内) Tel 0772-56-1055
- 「福知山イル未来と2025」連携企画
- 期間中、10月25日(土)に鬼をテーマにした「キャッスルホラーナイト」を開催
- 夜の演出と昼の「鬼博(展示)」を巡る一連の体験が想定されている
河野隼也の制作背景と博物館の役割
河野隼也氏は妖怪芸術団体「百妖箱」代表にして妖怪文化研究家・造形家として長年活動してきました。京都の一条通での妖怪仮装行列「一条百鬼夜行」をはじめ、各地で妖怪表現のプロデュースを行ってきた人物です。2018年には同館の25周年特別展「怪鬼! 大江山妖怪屋敷」をプロデュースしており、今回の展示はその延長線上に位置づけられます。
河野さん本人は、今回の酒呑童子制作について自身の過去のノウハウが活かされたこと、京都市内のアトリエで制作した酒呑童子の首を福知山市役所に納品したことを述べています。伝説の歴史的文脈に触れつつ、造形を通じて物語性を回復・再提示する行為として位置づけられています。
「私は2005年から平安時代の百鬼夜行の通り道である京都市の一条通で百鬼夜行を再現する妖怪仮装行列を手掛けてきました。その妖怪仮装に使う妖怪お面作りのノウハウが今回の酒呑童子作りにも活かされることになりました。」
(河野隼也 コメント抜粋)
日本の鬼の交流博物館自体は大江山のふもとに立ち、鬼の伝説紹介だけでなく、全国の鬼にまつわる伝統芸能や世界の鬼面などを集積し、「鬼とは何者か」を考える場を提供しています。展示室には、全国の鬼瓦職人が作った高さ5メートル、重さ10トンの大鬼瓦「平成の大鬼」など、スケールのある展示もあります。
博物館の基本情報(再掲)
開館時間や休館日、入館料、連絡先は以下のとおりです。年末年始の休館期間も明記されていますので、訪問前に確認してください。
- 開館時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
- 休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、年末年始(12/28~1/4)
- 入館料:一般330円/高校生220円/小中学生160円
- 問い合わせ:日本の鬼の交流博物館 TEL&FAX:0773-56-1996
- 公式サイト:https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/onihaku/
まとめ:展覧会の要点一覧と閉めの言葉
以下の表は、本記事で取り上げた主要情報を整理したものです。展覧会の概要、会場情報、関連イベント、連絡先などを一目で確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 展覧会名 | 日本の鬼の交流博物館 秋季特別展「大江山酒呑百鬼夜行」展 |
| 会期 | 2025年10月21日(火)~2025年12月7日(日) |
| 会場 | 日本の鬼の交流博物館(京都府福知山市) |
| 開館時間 | 9:00~17:00(入館は16:30まで) |
| 休館日 | 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、年末年始(12/28~1/4) |
| 入館料 | 大人330円/高校生220円/小中学生160円(11/3は入館無料) |
| 主催 | 福知山市教育委員会 |
| 主要展示 | 河野隼也作「酒呑童子」、万博での百鬼夜行写真、記録映像、参加者制作の鬼お面、百妖箱の作品 等 |
| 関連イベント | 第44回大江山酒呑童子祭り(2025年10月26日 10:00~15:00)、福知山イル未来と2025(10/25キャッスルホラーナイト) |
| 問い合わせ | 日本の鬼の交流博物館 TEL&FAX:0773-56-1996 |
| アクセス | 舞鶴大江ICより約35分、京都丹後鉄道大江山口内宮駅徒歩約35分、地域送迎「鬼タク」予約:0773-33-5533 |
| 公式HP | https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/onihaku/ |
本展は大阪・関西万博での表現と地元福知山の伝承が接続する機会となり、地域の鬼文化を多面的に提示する場となります。展示の詳細や関連イベントの追加情報は、主催者発表に基づいて順次公開される予定です。