パーソルキャリア、第5期でC/O研究テーマ10件を決定
ベストカレンダー編集部
2025年10月21日 12:55
第5期研究テーマ決定
開催日:10月21日
第5期で決まった10の研究分科会——議論の焦点と構成
2025年10月21日11時、パーソルキャリア株式会社は、参画企業41社・団体からなる「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム(第5期)」を代表して、第5期(2025年度)の研究テーマが10件に決定したことを発表しました。発表は運営事務局であるパーソルキャリア株式会社から行われ、今期も「キャリアオーナーシップ(以下、C/Oと略称)経営の準備・実装・検証」を中心に議論が進められます。
第5期では、研究分科会を5つの研究グループに分け、合計10チームを設置。参画企業はそれぞれ関心のある研究分科会に所属し、実践と検証を重ねます。研究分科会ごとの議論はまとめて「はたらく未来白書2026」として2026年3月に公開される予定です。
- 第1分科会 C/O人財獲得の為の「要件定義」
- 第2分科会 AI活用による人事の変革課題と準備段階の整備
- 第3-1分科会 C/O人材活用の実践課題(導入期)
- 第3-2分科会 C/O人材活用の実践課題(定着期)
- 第4-1分科会 C/Oマインドセットの醸成と支援文化の定着
- 第4-2分科会 C/O支援に必要なマネジメントスキルと実践内容
- 第5-1分科会 C/Oを“自分ごと”にするための意識醸成と行動変容の仕掛け -C/O理解と行動変容の壁を超える-
- 第5-2分科会 C/Oを体現する人材と風土の再構築による組織変革
- 第5-3分科会 社員の想いと組織の方向性を重ねるC/O共鳴設計
- 第5-4分科会 団体・企業活動の経営戦略とC/Oの接続およびC/O実装のための組織設計(仕組み・制度)の探究
これら10テーマは、採用から組織風土、マネジメントやAI活用まで幅広い論点を網羅し、C/O人材を事業成長の力へ転換するための具体的な手立てを議論するために設定されています。
各分科会は、実務レベルの課題を参加企業が持ち寄り、暗黙知を形式知化して実践可能なフレームワークや打ち手を策定することを目的としています。
コンソーシアムの目的と「キャリアオーナーシップ」概念の位置づけ
コンソーシアムは「個人の主体的なキャリア形成が、企業の持続的な成長につながる」という考えに基づき、業種や業界を超えて実務知を集約し、企業内外で提言・実践を行う実践共同体です。設立は2021年4月20日で、今回は第5期の活動として41の企業・団体が参画しています。
「キャリアオーナーシップ」は、政府系の報告書でも定義が示されており、具体的には個人が「自らのキャリアはどうありたいか、如何に自己実現したいか」を意識し、納得のいくキャリアを築くための行動をとることを指します。企業側には、多様な働き方を可能にし、個人の自律的なキャリア形成やスキルアップを後押しすることが求められます。
- 出典(要約)
- ・「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」報告書(経済産業省、2018年)における定義。
- ・「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会 報告書~ 人材版伊藤レポート ~」(経済産業省、2020年)では、企業と個人の新たな関係性として、企業側の支援と個人側の主体的選択の双方が必要であると指摘されています。
コンソーシアムはこれらの政策的示唆を踏まえつつ、実務現場での実践知を体系化し、C/O経営という概念を社会実装することを目標としています。参照情報として、キャリアオーナーシップ リビングラボの知見ページも公開されています(https://co-livinglab.persol-career.co.jp/knowledge.html)。
発足宣言と社会的な背景
発足宣言では、「キャリアオーナーシップが、社会を動かす。」というメッセージのもと、人生100年時代における年功序列・終身雇用の限界や、働き方・人材育成・雇用モデルの変革が待ったなしの課題であることが示されています。コンソーシアムは、この変化に対応するために企業と個人の新しい関係性を実践・実証する役割を果たすと宣言しています。
宣言文は2021年4月20日に公開され、以降、参画企業が自社の経営戦略・事業戦略・人事戦略を相互に共有しながら、C/O経営の具体化を進めています。
参画企業一覧と運営体制、研究会での実践・検証の方法
第5期の参画企業・団体は41社であり、官民の幅広いプレーヤーが名を連ねています。首席顧問は法政大学キャリアデザイン学部・大学院の田中研之輔教授、次席顧問はトイトイ合同会社代表で元ニトリ人事責任者の永島寛之氏、運営事務局はパーソルキャリア株式会社です。
参画企業(2025年度・五十音順)は以下のとおりです。活動には企業間の相互実践と検証が組み込まれており、議論で合意した実践内容を各社間で実施し、その成果や課題を検証していきます。
- EY新日本有限責任監査法人
- アフラック生命保険株式会社
- イオンリテール株式会社
- エーザイ株式会社
- エームサービス株式会社
- SCSK株式会社
- SWCC株式会社
- MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社
- 小田急電鉄株式会社
- 株式会社オリエントコーポレーション
- 花王グループカスタマーマーケティング株式会社
- 株式会社モスフードサービス
- 関西電力株式会社
- キッコーマン株式会社
- キリンホールディングス株式会社
- 栗田工業株式会社
- 独立行政法人 国際協力機構(JICA)
- 独立行政法人 国立公文書館
- サッポロビール株式会社
- 株式会社SHIFT
- 株式会社ツムラ
- DIC株式会社
- 株式会社電通総研
- 株式会社電通デジタル
- 東洋製罐グループホールディングス株式会社
- 内閣官房 内閣人事局
- 日本郵政株式会社
- 日本郵便株式会社
- 株式会社かんぽ生命保険
- 株式会社ゆうちょ銀行
- 株式会社 乃村工藝社
- パーソルキャリア株式会社
- パナソニック インダストリー株式会社
- パナソニック コネクト株式会社
- 富士通株式会社
- 三井情報株式会社
- 株式会社 Mikzan J plus Holdings
- 株式会社三菱UFJ銀行
- 株式会社メンバーズ
- 株式会社ヨロズ
- ロート製薬株式会社
研究会の運営では、各社が持ち寄る実践課題や暗黙知を形式知に変換するプロセスを重視しており、議論を通じて導き出された打ち手を各社の実務に落とし込んで検証します。
過去の実践・検証の事例
過去の検証では、参画企業間での相互副業(企業を越えた副業の実施)を通じて、人材の越境が企業価値や個人の成長に与える影響を検証しました。また、C/O経営の推進状態を測る指標として「C/O経営スコア」を試作し、導入実証を行った例もあります。
これらの実践・検証は、単なる理論整理にとどまらず、参画企業が実際に制度や仕組みを導入し、効果と課題を測定することで有効性を確認する手法を取っています。
活動内容の具体像と成果の公開予定
第5期では、研究会活動を通じて、人的資本経営とC/Oの接続、採用・育成・組織設計、AI活用による人事変革、行動変容を促す仕掛けなど、企業が実践可能なレベルのフレームワークや打ち手を深化させます。目的は、個人の自主的な成長を事業成長へと結びつける具体的施策を各社が導入できるようにすることです。
研究分科会で取りまとめた成果は「はたらく未来白書2026」として2026年3月に公開予定です。公開資料には、各分科会が検討した論点、導入した施策、実践で得られた知見や数値的検証結果などが含まれる見込みです。
| 発表者 | パーソルキャリア株式会社(運営事務局、代表発表) |
|---|---|
| 発表日時 | 2025年10月21日 11時00分 |
| 第5期 参画企業数 | 41社・団体 |
| 分科会数 | 10(5つの研究グループに所属) |
| 成果公開 | はたらく未来白書2026(2026年3月公開予定) |
| 首席顧問 | 田中 研之輔(法政大学キャリアデザイン学部・大学院 教授) |
| 次席顧問 | 永島 寛之(トイトイ合同会社代表・元ニトリ人事責任者) |
| 運営事務局 | パーソルキャリア株式会社 |
| 関連URL | https://co-consortium.persol-career.co.jp/ |
以上のとおり、第5期では10の研究分科会を軸に、参画企業が実務上の課題を持ち寄り、C/O経営を具体化するための議論と実践・検証を進めます。研究成果は来年3月に白書として公開され、人的資本を最大化する取り組みの具体的な道筋が示される予定です。