入間に屋上公園一体型施設、2026年1月着工へ
ベストカレンダー編集部
2025年10月21日 21:42
屋上公園付き商業施設整備
開催期間:1月1日〜1月31日
入間市が描く、公園と大型商業を一体化した新しいまちのかたち
入間市は2025年10月21日13時に発表した公募型プロポーザルの結果、都市公園用地に大型スーパーマーケット等を誘致し、屋上を活用した立体的な公園を一体整備するプロジェクトの設置等予定者を選定しました。公表時のイメージパースは応募書類からの抜粋であり、今後変更となる場合があります。
この取り組みは、「パークPFI」と「立体都市公園制度」を組み合わせた手法で、公園用地にスーパーマーケットを建設するケースとしては全国で2事例目、本州では初の事例です。入間市が抱えていた地域課題と住民ニーズに対応するため、民間活力を活用した公園一体型の商業施設整備を実現するものです。
発表の背景と目的
対象用地は約2ヘクタールで、もともと狭山台土地区画整理事業(完了年度:平成30年)において公園用地として確保されていましたが、財政上の制約などから事業化が進まず課題となっていました。
さらに令和4年に近隣の大型スーパーマーケットが撤退したことで、半径2km圏内にスーパーマーケットが無くなり、地域からは「買い物できる施設がほしい」という強い要望が上がっていました。こうした状況を踏まえ、市は公園整備と買い物利便の両立を目指し、公園制度とPFIを組み合わせた提案を実現しました。
Harmony hills Park の設計と主要施設
プロジェクト名は応募者提案名の「Harmony hills Park」で、所在地は埼玉県入間市狭山台一丁目102、総面積は約2.15ヘクタールです。公園の命名はネーミングライツで決定される予定です。
整備スケジュールは2026年1月から2028年1月までを整備期間、オープンは2028年3月末頃を目標としています。プロジェクト全体の年間想定来客数は約120万人、駐車場台数は約180台を予定しています。
屋上を活用した立体都市公園(あおぞら広場)
屋上公園「あおぞら広場」は約4,760㎡の規模を想定しており、種々の用途に対応する計画です。イメージパースは応募書類より抜粋で、実施設計により変更される可能性があります。
屋上の主な構成は以下の通りです。
- 人工芝エリア(約1,000㎡):開放的な多目的広場として設計。
- 多目的エリア(約3,500㎡):ジョギングコースを備え、遮熱塗装が施される想定。
- あおぞらテラス(約260㎡):ウッドデッキのテラス空間。
- 幅広の「階段テラス」とエレベーターで地上と接続。
地上公園と周辺施設
地上部は約1.2ヘクタールを想定し、子どもから高齢者まで利用しやすい多様な機能を備えます。遊具やスポーツ施設、防災機能などがバランスよく配置される計画です。
地上公園に含まれる主な要素は次の通りです。
- 大型複合遊具+インクルーシブ遊具
- バスケットゴール、ウォーキングコース
- 草地型ビオトープ「バッタの丘」
- レインガーデン
- 防災四阿、かまどベンチ、マンホールトイレ
- 市民花壇
商業部分と運営体制、選定経緯
設置等予定者は「入間狭山台つながりパートナーズ」で、代表構成団体は大和リース株式会社、構成団体に株式会社ベルクと市内企業の株式会社ケーワンが名を連ねています。商業テナントの構成案としてはスーパーマーケット(ベルク)、ドラッグストア+100円ショップ、カフェの導入が計画されています。これらは応募段階の提案であり、今後の協議・設計で最終決定されます。
公募型プロポーザルにより選定された背景には、地域の買い物利便性向上という要請と、公園用地の有効活用という行政課題の同時解決がありました。今回の提案は民間の創意工夫を取り入れた具体的な計画である点が評価されたとされています。
市長の見解とプロジェクトの位置付け
市長はこのプロジェクトを「画期的な取り組み」と位置付け、スーパーマーケットの屋上を公園として活用し、買い物環境の改善と市民の憩いの場の創出を同時に実現する点を高く評価しています。市長コメントでは、地域課題の解決に民間の創意工夫と公共の役割が融合した官民連携の好事例であると述べられています。
また、事業の早期完成への期待とともに、この施設が地域のにぎわい拠点になり得ることが示唆されています。イメージパースは応募書類の抜粋で、実際の仕様は変更の可能性があります。
地域での利用想定・イベント計画と入間市の位置付け
年間約120万人の来客を見込む商業施設の屋上公園では、ジョギング・青空ヨガ・フリーマーケットなどの利用が想定されています。地域の工場から焼きたてのパンを直送して販売する計画案も提案されており、芝生広場でのピクニック等も想定される使い方です。
入間市は「狭山茶の郷」としての歴史や景観を有し、SDGs未来都市として選定(2022年)されている背景もあり、本プロジェクトは市の掲げる「Well-being Cityいるま」のまちづくり方針と整合します。市は伝統文化の継承と持続可能な都市整備を両立させる取り組みを進めています。
入間市の基本情報と関連取り組み
入間市は首都圏から電車で約1時間、狭山茶の産地としての歴史があり、ジョンソンタウンや三井アウトレットパーク入間など、伝統と現代的要素が共存する都市景観が特徴です。市は地域資源を活かした持続可能なまちづくりを推進しています。
入間市は2022年に内閣府よりSDGs未来都市に選定され、「おいしい狭山茶大好き条例」を施行するなど地域文化振興にも取り組んでいます。地域の多様性を活かしたまちづくりの一環として、本プロジェクトは重要な意味を持ちます。
連絡先・関連リンクとプロジェクト主要データ一覧
取材や詳細確認のための窓口は入間市の都市整備部 都市計画課 みどり公園担当(齊藤、平沼)、および企画部 秘書広報課(中村、遠山)です。連絡先と関連リンクは以下の通りです。
- 都市整備部 都市計画課 みどり公園担当(齊藤、平沼)
- 入間市豊岡1-16-1
- TEL:04-2964-1111(内線3316、3317)
- メール:ir271000@city.iruma.lg.jp
- 企画部 秘書広報課(中村、遠山)
- 入間市豊岡1-16-1
- TEL:04-2964-1111(内線3122)
- メール:ir111000@city.iruma.lg.jp
- 入間市公式ページ(選定結果・詳細)
- https://www.city.iruma.saitama.jp/soshiki/toshikekakuka/koen/sayamadaichikupark/14121.html
- 入間市公式サイト・SNS
- 公式サイト:https://www.city.iruma.saitama.jp/
- X(旧Twitter):https://twitter.com/_irumacity
- YouTube:https://www.youtube.com/c/irumacity
- LINE:https://line.me/R/ti/p/@irumacity
以下に、本記事で取り上げたプロジェクトの主要データを整理して示します。各数値・日付は公表された応募書類・発表文を基に記載しており、設計や協議の過程で変更される可能性があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プロジェクト名(応募提案名) | Harmony hills Park |
| 発表日 | 2025年10月21日 13:00 |
| 所在地 | 埼玉県入間市狭山台一丁目102 |
| 総面積 | 約2.15ha |
| 屋上公園面積 | あおぞら広場 約4,760㎡(人工芝約1,000㎡、多目的約3,500㎡、テラス約260㎡含む) |
| 地上公園面積 | 約1.2ha(大型複合遊具、バスケットゴール、ビオトープ等) |
| 設置等予定者 | 入間狭山台つながりパートナーズ(代表:大和リース株式会社、構成:株式会社ベルク、株式会社ケーワン) |
| 商業施設構成(案) | スーパーマーケット(ベルク)、ドラッグストア+100円ショップ、カフェ |
| 駐車場 | 約180台 |
| 年間想定来客数 | 約120万人 |
| 整備期間(予定) | 2026年1月~2028年1月(予定) |
| オープン予定 | 2028年3月末頃(予定) |
| 関連URL | 入間市 公園整備ページ(選定結果) |
本件は、地域の生活利便性向上と公園機能の両立を目指した事業であり、用地確保の経緯、地域の買い物環境の悪化、制度の組合せによる実現という点で先例性を持ちます。市の掲げる「Well-being Cityいるま」の方針と合致する取り組みとして、今後の設計・運営協議の進捗が注目されます。
取材や詳細情報の確認は、上記の窓口および入間市公式ページをご参照ください。イメージパースや具体的な施設仕様は応募段階のものであり、変更が生じる旨にも留意する必要があります。
参考リンク: