2026年開業予定　富士急にサンエックス新エリア誕生

記者会見の開催概要と会場でのやり取り

サンエックス株式会社は、2025年10月21日（火）にベルサール神田で「サンエックスユニバース＆富士急ハイランドサンエックス新エリア開業発表記者会見」を開催しました。プレスリリースは同日21時00分に配信されており、会見では事業戦略と新プロジェクトの詳細が発表されました。

当日はサンエックスの広報キャラクターであるコロニャが開会の挨拶を担当しました。コロニャは「本日は、サンエックスの記者会見にお越しいただきありがとうございニャす。どうぞごゆっくりご覧くださいニャ。」と述べ、広報としての役目を果たしました。続いて登壇したのは、サンエックスを代表する「リラックマ」で、主催者代表の代理として“1日社長”に任命され、社長と同じメガネスタイルで代表挨拶を行いました。

登壇者と進行の構成

会見ではサンエックス株式会社 常務取締役の鈴木正人氏がスピーチを行い、同社のこれまでの歩みやIP（知的財産）ビジネスの現状、今後の方向性について説明しました。鈴木氏は9月に発表された新プロジェクト「サンエックスユニバース」を中心に語り、今後の展開の骨子を示しました。

またゲストとして、サンエックス好きとして知られるタレントで女優・フィギュアスケーターの本田望結さんがアンバサダーとして登壇しました。本田さんは自身のサンエックスにまつわるエピソードやクイズ挑戦の模様で会場を和ませました。

「サンエックスユニバース」と関連商品の展開

会見では、今年9月に発表された新プロジェクト「サンエックスユニバース」の位置づけと関連商品の展開が詳細に紹介されました。鈴木氏は、キャラクターを生み出すだけでなく「IPを大切に育てる」という姿勢を強調し、長年にわたるブランド育成の経験が強みであると述べました。

サンエックスの年間市場規模は約1000億円と示され、IPビジネスが拡大する中で新たな価値創出を目指す方針が示されました。ユニバースのテーマグッズは10月より販売が開始され、品切れとなる商品が相次いでいる状況です。

新商品と発売時期

会見で紹介された商品展開は以下の通りです。

• あつめてカードコレクション：サンエックスとして初のトレーディングカード。10月発売で品切れが相次いでいます。
• サンエックスタウン（新デザイン）：2026年3月に新商品化予定。今回の会見で初お披露目となりました。

これらのテーマを活用したライセンス展開にも注力する方針が明示されました。

映像化とメディア展開

サンエックスはキャラクターの映像コンテンツを強化する取り組みを進めています。会見では具体的な映像作品のスケジュールや配信・上映情報が共有されました。

『映画すみっコぐらし 空の王国とふたりのコ』

2025年10月31日（金）より全国で上映。シリーズ史上最多の301館での上映が決定しています。これまでの第1〜第3弾を合わせた累計観客動員数は300万人超です。

『リラックマ』ショートアニメ

テレビ放送は来年4月を予定しています。短編形式での放送となる見込みです。

『うそ探偵トマント』

サンエックスとファンワークスの共同制作。2025年10月6日より電車内サイネージ「TRAIN TV®」で放映開始。企画プロデュースは諏訪道彦氏、シリーズ構成・脚本は加藤陽一氏が担当しています。本作は野菜や果物をモチーフにした仲間たちとともに謎解きを通じて豆知識を学べる親子向けのミステリー作品です。

海外展開と展覧会の情報

サンエックスは海外展開にも注力しており、今年は初の海外オフィシャルストア「Rilakkuma Sumikkogurashi PLUS by San-X」を韓国に出店しました。第1号店はホンデ、第2号店はチャムシルです。

さらに、サンエックスの90周年を記念した巡回展が海外にも進出します。日本国内で『サンエックス90周年 うちのコたちの大展覧会』として全国10か所を巡回し、総入場者数は15万人、総物販売額は4億円強を記録しました。この展覧会が「サンエックス90周年記念展」として海外（台湾）で初開催されることが会見で初めて発表され、台湾会場限定ビジュアルも公開されました。

富士急ハイランド内 新設「サンエックスエリア（仮称）」の詳細

会見における最大の発表の一つは、富士急ハイランド内に常設エリアとして「サンエックスエリア（仮称）」を2026年にオープンするという決定でした。会見ではキービジュアルが初披露され、富士山をモチーフにしたアートにサンエックスのキャラクターたちが描かれている点が示されました。

富士急行の堀内様は、サンエックスのキャラクターが幅広い世代に支持されている点を踏まえ「“Positive Escape（心の逃避先）”“ほっとできる居場所”の提供を目指す。アジアでの認知度が高いサンエックスとともに、‘サンエックスユニバース’をテーマに両社にとっての成長の機会にしたい」と述べています。

エリアのコンセプトと特徴

会見で示されたエリアのコンセプトは次のとおりです。

• コンセプト：キャラクター×癒し×遊園地＝『カワイイ』の化学変化
• 特徴：遊園地ならではのリアルな体験の提供、没入感あふれる空間、多彩な楽しみ方を用意、何度でも来たくなる仕掛け

ターゲット層は小学生から女子高生をはじめとする女性、そして長年のサンエックスファンまで幅広い年齢層を見据えています。登場予定のキャラクターはリラックマやすみっコぐらしを中心に、近年の新キャラクターや「たれぱんだ」「にゃんにゃんにゃんこ」など懐かしいキャラクターも含まれることが示されました。

本田望結さんの登壇とサンエックスキャラクタークイズ

会見にはサンエックスフェアアンバサダーとして本田望結さんが登壇しました。ご自身のサンエックス愛について語るとともに「すみっコぐらし愛」を衣装にも反映し、淡いピンクの模様を選んだことを明かしました。本田さんは推しキャラとしてえびふらいのしっぽを挙げ、妹からプレゼントをもらったエピソードにも触れました。

また本田さんは、自分をサンエックスキャラクターに例えるとコリラックマに近いと表現し、表情豊かでいたずら好きな点を理由に挙げました。ステージ裏のちょっとしたいたずらについても語る場面があり、会場は和やかな雰囲気になりました。

クイズの内容と結果

本田さんはサンエックスグッズをかけたクイズに挑戦しました。出題は計3問で、以下のような出題形式が含まれていました。

1. 「本田さんよりも遅く生まれたキャラクターは？」という年表知識を問う問題
2. SNS上での投稿文を当てる問題。いしよわちゃんの投稿に関する細かな文言を推測する問題
3. その他、サンエックスに関するコアな知識を問う問題

本田さんは持ち前の知識と分析力を活かし、見事に全問正解と報告されました。クイズの合間には、すみっコぐらしの「とかげ」、センチメンタルサーカスの「シャッポ」「かものはしかも。」が応援隊として登場し、触れ合うシーンもありました。

クイズ終了後、1日社長となったリラックマからカゴいっぱいのサンエックスぬいぐるみが本田さんに贈られ、本田さんは「大好きなものに囲まれると笑顔になれる」と述べ、改めてサンエックスへの愛着を語りました。最後に本田さんは妹の紗来さんとともに富士急ハイランドの新エリアを訪れたいという意向を示し、会見は終了しました。

発表内容の要点まとめと表形式の整理

ここまでの会見内容を重要項目ごとに整理します。以下の表は会見で発表された日時、場所、主要発表、今後の予定などを分かりやすくまとめたものです。

以上が会見で発表された主要な情報の整理です。サンエックスは90年以上の歩みを背景に、商品・映像・施設を横断するIP展開を強化しており、国内外での認知拡大と体験価値の拡充を進めています。今回の発表は、商品化スケジュール、映像ラインナップ、常設の体験型施設という複数の軸で具体的な計画が示された点が特徴です。