更年期支援「サイレントシフト」始動、11月17日調査結果公表

サイレントシフト開始

開催日:11月17日

サイレントシフト開始
サイレントシフトって何?
更年期世代の女性が健康課題で静かにキャリアを離れていく現象を可視化し、睡眠データを用いて企業が早期発見・支援策を講じるためにパラマウントベッドと陽と人が共同で始めた取り組みです。
カンファレンスはいつどこでやるの?
第1回カンファレンスは経済産業省後援で、2025年11月17日に日本橋ホールで開催。働く更年期世代2,000人の調査結果公表や専門家のパネルディスカッションが行われます。

睡眠データ×フェムテックから生まれた「サイレントシフト」の狙い

パラマウントベッド株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役 社長執行役員:木村友彦)は、2025年10月22日 11時00分に、睡眠データを核とした女性の健康支援プロジェクト「sleep×femtech」の新たな取り組みとして、働く更年期世代女性のキャリアとヘルスケアの両立を支援する活動「サイレントシフト(Silent SHIFT)」を、株式会社陽と人(本社:福島県伊達郡国見町、代表取締役:小林味愛)と共同で開始すると発表しました。

「サイレントシフト」は、更年期世代の女性が健康課題を理由に静かにキャリアを離れていく現状を「サイレント(静か)」に捉え、企業が人的資本の観点からその兆候に気づき支援の在り方を見直すことで、企業価値向上につなげることを目的とした活動です。寝具や睡眠領域の知見を持つ当社と、地域や人に根差した支援を行う陽と人が共同で、データに基づく対策と職場の意識変革を目指します。

働く女性のキャリアとヘルスケアの両立を支援 画像 2

プロジェクトの立ち上げ背景と位置づけ

当社は2023年より女性の健康を支援する「sleep×femtech」プロジェクトを推進しており、企業向けサービスとして更年期世代の女性社員と職場を支援するサービス「Menorista.(メノリスタ)」を陽と人と共同で開発してきました。これまでに複数企業で約100名規模の提供実績があり、職場研修や当事者向け支援プログラム、管理職向けレポートの提供を通じ、ヘルスケア意識やプレゼンティーズムの改善が確認されています。

一方でサービス提供を通じて、女性が健康不安を抱えながらも声を上げにくく、結果としてキャリアから静かに離れていく「静かな諦め」や「人的資本の沈黙」といった課題が浮かび上がりました。これを「サイレント」として可視化し、社会・企業の「シフト(変化)」を促すことが本活動の根幹です。

働く女性のキャリアとヘルスケアの両立を支援 画像 3

2,000人調査が示した実態 — キャリアとヘルスケアの交差点

当社は2025年5月から6月にかけて、働く更年期世代の女性2,000人を対象に「キャリアとヘルスケアに関する価値観調査」を実施し、分析には慶應義塾大学法学部政治学科・築山宏樹研究会の協力を得ています。調査は更年期症状、不眠、働き方、キャリア志向、感情の変化など多角的に実態を把握する設計です。

分析からは、単に健康指標が悪化しているだけでなく、健康課題がキャリア選択や継続に影響している可能性を示す傾向が検出されました。以下に主な示唆を整理します。

主な示唆 詳細
不眠症状の頻度 調査対象の約半数が不眠症状を抱えていると回答。睡眠関連課題は日常生活や勤務形態の選択に影響。
昇進意欲と昇進辞退 不眠・更年期症状は昇進意欲そのものには明確な負の関連が見られなかったが、昇進辞退の判断には不眠・更年期症状が関連している可能性がある。
働き方とパフォーマンス 働き方の選択(例えば柔軟勤務の希望など)には不眠が影響し、業務パフォーマンスには更年期症状が影響している傾向が見られた。
感情の変化 「10年前に想像した今の働き方」を尋ねた設問では、喜怒哀楽のうち「悲しみ」を感じている割合が他の感情に比べて約1.41倍高い傾向が認められた。

これらの結果は、健康課題が可視化されにくい形でキャリア選択に影響を与えていることを示し、企業による早期発見と継続的支援の必要性を強く示唆しています。

プレゼンティーズムの定義と調査の位置付け

本調査では、職場での健康状態が生産性に与える影響も測定対象となっています。参考として、資料内で用いられる「プレゼンティーズム」については、以下のように定義されています。

プレゼンティーズム
何らかの疾病や症状を抱えながら出勤し、業務遂行能力や生産性が低下している状態を指す。

プレゼンティーズムは生産性向上や健康経営に取り組む企業が注目する指標であり、本調査は睡眠や更年期症状とこの指標との関連性を検討しています。

第1回カンファレンスの開催概要と議論の焦点

「Silent SHIFT 実行委員会」主催の第1回カンファレンスは、経済産業省の後援を受け、2025年11月17日に日本橋ホールで開催されます。当日は、本調査の結果公表に加え、人的資本における更年期世代の女性の課題をテーマにしたパネルディスカッションが行われます。

主催・協力体制としては、当社および陽と人が協力企業として参画する「Silent SHIFT 実行委員会」が主催し、株式会社Cradle、NTT PARAVITA株式会社、伊藤忠商事株式会社がパートナー企業として参加します。経営層、専門家、現場担当者が一堂に会し、実務的な支援策や共創の可能性が議論される予定です。

  • 開催日:2025年11月17日
  • 会場:日本橋ホール
  • 主催:Silent SHIFT 実行委員会(パラマウントベッド、陽と人 等)
  • 後援:経済産業省
  • パートナー企業:株式会社Cradle、NTT PARAVITA株式会社、伊藤忠商事株式会社

当日は、調査結果の詳細公表に続き、企業が取り組むべき支援策や睡眠・ヘルスケア領域における共創の方向性について、実例やデータをもとに議論が深められます。企業経営層にとっては人的資本の機会損失をどのように可視化し対策に落とし込むかが主要な焦点です。

これまでの取り組み、支援の中身、そして今後の計画

これまで当社と陽と人が共同で提供してきたサービス「Menorista.(メノリスタ)」は、職場研修、当事者向け支援プログラム、管理職向けレポートを組み合わせた企業向け支援パッケージです。これまで複数の企業で約100名に提供し、ヘルスケアへの意識向上やプレゼンティーズムの改善などの好意的な反応が報告されています。

「サイレントシフト」は単なる啓発活動に留まらず、企業・行政・研究機関などが連携し人的資本に関する施策を共同で設計・実装する場を目指しています。2025年度末には今回の調査をもとにした調査レポートの発行を予定しており、支援プログラムの更なる開発と普及を図る計画です。

  1. 引き続きデータ収集と分析を継続(対象の拡大、男女を含む多様な層を視野に)
  2. 2025年度末に調査レポートを発行
  3. 支援プログラムの拡充とパートナー企業との共創による実証展開
  4. 企業向けの管理職研修や当事者支援のパッケージ化を推進

これらの取り組みにより、働く女性が健康上の不安を抱えつつも声を上げにくい現状を可視化し、企業が早期に介入・支援できる仕組みづくりを目指しています。当社はブランドメッセージ「WELL-BEING for all beings」のもと、引き続き新たな知見と価値の提供に努めるとしています。

要点整理とまとめ

以下に本記事で扱った主要項目を表形式で整理します。本件の全体像を俯瞰できるよう、発表日や主要な数値、イベント情報、今後の予定を明記しています。

項目 内容
発表日 2025年10月22日 11時00分
発表企業 パラマウントベッド株式会社(代表:木村友彦)、共同:株式会社陽と人(代表:小林味愛)
活動名 サイレントシフト(Silent SHIFT)
目的 更年期世代女性の健康課題による「静かな離職」を可視化し、企業の人的資本施策に繋げること
調査対象・期間 働く更年期世代女性2,000人、調査期間:2025年5月〜6月(慶應義塾大学築山研究会と協力)
主な示唆 約半数が不眠症状を有する/不眠・更年期症状が昇進辞退や働き方選択、パフォーマンスに影響する可能性/「悲しみ」を感じる割合が高い等
第1回カンファレンス 題目:「見落としてきた人的資本の機会損失 DEIとヘルスケアからひも解く人材流出 – Silent SHIFT」
日時:2025年11月17日
会場:日本橋ホール
後援:経済産業省
パートナー:株式会社Cradle、NTT PARAVITA株式会社、伊藤忠商事株式会社 他
既存サービス Menorista.(メノリスタ) — 職場研修・当事者支援プログラム・管理職向けレポート。提供実績:約100名
今後の予定 2025年度末に調査レポート発行、支援プログラム開発と共同実装、対象拡大(男性含む多様層)
関連情報 プレスリリース本文(パラマウントベッド)

本取り組みはデータに基づく実務的な支援と、企業の人的資本に関する意識変革を両輪として進める点が特徴です。調査結果やカンファレンスで提示される議論は、企業が自社の人材戦略を見直す際の出発点となる可能性があります。情報は発表日現在の内容であり、今後の詳細や日程等は変更される場合があります。

参考リンク: