ファミリーマートが涙目シールを無料公開、食品ロス削減へ

涙目シール素材公開

開催日:10月22日

涙目シール素材公開
涙目シールって何?
値下げシールに「たすけてください」などのメッセージと涙をうかべたキャラを添え、購入の心理的ハードルを下げて食品ロス削減につなげるファミマの施策。実証で購入率向上や廃棄削減の効果が確認されている。
これって誰でも使えるの?
はい。2025年10月22日からファミリーマートのサステナビリティページでパン・肉・魚・ケーキなど複数デザインをフリー素材として無償公開。飲食店や小売、自治体など業種を問わず利用可能。

ファミリーマートが提示する「涙目シール」とその背景

株式会社ファミリーマート(本社:東京都港区、代表取締役社長:細見研介)は、2025年10月22日正午、食品ロス削減に資する独自施策である「涙目シール」を社会全体へ広げるため、同シールのイラストをフリー素材として無償提供すると発表しました。発表文は同日付で公表され、ファミリーマートのサステナビリティページで素材の公開が始まっています。

「涙目シール」は、値下販売用のシールに単に値下金額を示すだけでなく、『たすけてください』といったお客さまの心に訴えかけるメッセージと、涙をうかべたキャラクターのイラストを添えることで、購入者の共感を促し食品ロス削減につなげる取り組みです。導入前後の比較や実証実験の結果に基づき、心理的な障壁を下げる効果が確認されています。

「涙目シール」新展開!みんなで助けて、食品ロスゼロへ!~新キャラ登場&フリー素材化~ 画像 2

経緯の整理と実証実験の概要

同施策は実証実験を経て全国展開へと拡大されてきました。2024年10月に行った実証実験では、従来の単純な値下シールと比べて購入率が向上し、購入行動に変化を与えることが示されました。これを受けて、2025年3月に全国展開を開始しています。

ファミリーマートは、5つのキーワードの1つである「食の安全・安心、地球にもやさしい」を具現化するために、店頭での値下販売を通じた食品ロス削減に継続的に取り組んでいます。2021年7月にはバーコード付きの値下シールを用いる「ファミマのエコ割」を導入し、全国の9割以上の店舗で活用されていることも背景にあります。

「涙目シール」新展開!みんなで助けて、食品ロスゼロへ!~新キャラ登場&フリー素材化~ 画像 3

フリー素材化:新たに加わったデザインと公開場所

今回の発表では、既存の「涙目」デザインに加え、パン、肉、魚、ケーキの4種類を新たに作成し、合計で複数の「涙目デザイン」をフリー素材として公開することが明記されています。公開開始日は2025年10月22日で、ファミリーマートの公式ウェブサイト内サステナビリティページにてダウンロードが可能です。

フリー素材化の狙いは、業種や業態を問わず、飲食店や小売店、自治体など外部事業者が自由に利用できるようにすることです。これにより店舗単位の取り組みを超えて、社会全体で食品ロス削減の機運を高めることが目指されています。

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公開場所と参照リンク

素材の公開先はファミリーマートのサステナビリティページで、具体的なページは以下のURLとなります。

  • https://www.family.co.jp/sustainability/material_issues/environment/circulation.html#store

また、ファミリーマートのサステナビリティ全体の案内は以下のページから確認できます。

  • https://www.family.co.jp/sustainability.html
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導入効果の数値と現場での手応え

ファミリーマートは、涙目シールの導入効果を複数の段階で検証しています。2025年4月に都内10店舗で行った効果検証では、平均で購入率が4ポイント向上したことが確認され、店舗によっては10ポイント以上の向上が観察されました。これらのデータは、同シールが実際の購買行動を変える有効なツールであることを示しています。

店舗での廃棄量についても、2025年4月から9月の前年同月比で約5%の削減が確認されています。この数字は、涙目シール単体の効果に加え、発注精度向上や包装改良、てまえどりの継続実施など他施策との相乗効果によるものとされています。

分析と消費者の声

社内での分析では、購入率向上の要因として「購入に対する心理的ハードルの低下」が挙げられています。具体的には「値下商品の購入は恥ずかしかったが、助けるためだと思えば購入できる」といった消費者の声があり、メッセージ性のあるシールが消費者の行動を後押ししているという評価が示されています。

この施策は店舗単位での即時的な購買効果だけでなく、廃棄量の長期的な抑制にも結びつく可能性があることが示唆されています。

導入場所一覧と取り組みの位置付け

ファミリーマートは、今回の新「涙目シール」を店舗に限らず広く使ってもらうことを目的に、まずは下記の実施場所で新シールを活用しています。各店舗や施設は東京都目黒区内に所在します。

以下に、プレスリリースで明示された実施箇所と住所を列挙します。

  • 目黒区役所レストラン 〒153-8573 東京都目黒区上目黒2丁目19-15
  • 福祉の店Sun Marche(お弁当・ケーキ・パンなど) 〒152-0002 東京都目黒区目黒本町1丁目14-24
  • 福祉の店COHANA(パン・ケーキ・お菓子など) 〒152-0023 東京都目黒区八雲1丁目1-10
  • しいの実社目黒本町店(パン) 〒152-0002 東京都目黒区目黒本町2丁目7-3 もえぎの会
  • しいの実社学芸大学店(パン) 〒152-0004 東京都目黒区鷹番2丁目4-9
  • 喜風堂(和菓子) 〒153-0051 東京都目黒区上目黒2丁目6-12

これらの導入は、ファミリーマートの店舗施策が地域の事業者や福祉施設、飲食店にも波及するモデルケースとして位置づけられています。フリー素材の公開により、さらに広範囲な活用が期待されます。

企業の環境目標との整合性

ファミリーマートは、環境に関する中長期目標「ファミマecoビジョン2050」を掲げ、温室効果ガス削減、プラスチック対策、食品ロス削減の3テーマで数値目標を設定しています。食品ロス削減に関しては、2030年に50%削減、2050年に80%削減を目標に掲げています。

「ファミマのエコ割」や包装改良、発注精度向上など既存施策と合わせて、涙目シールの展開はこの中長期目標達成に向けた具体的な取り組みの一つとして位置付けられます。詳細は次のページで確認できます。

  • ファミマecoビジョン2050 概要: https://www.family.co.jp/sustainability/ecovision.html
  • 食品ロス削減の取り組み紹介: https://www.family.co.jp/sustainability/material_issues/environment/circulation.html

要点の整理

ここまでに触れた発表内容を整理し、主要ポイントを表でまとめます。表の後に短い総括の文章を添えます。

項目 内容
発表主体 株式会社ファミリーマート(代表取締役社長:細見研介)
発表日時 2025年10月22日 12:00
施策名 涙目シール(ファミマのエコ割連携)イラストのフリー素材化
公開開始日 2025年10月22日
新デザイン パン、肉、魚、ケーキ(既存デザインも含む複数)
公開場所 ファミリーマート サステナビリティページ(URL掲載)
実証実験結果 2024年10月の実証で購入率向上。2025年4月の都内10店検証で平均4ポイント向上、店舗によっては10ポイント超。
廃棄量削減 2025年4月~9月の前年同月比で約5%削減
主要導入場所 目黒区役所レストラン、福祉の店Sun Marche、福祉の店COHANA、しいの実社目黒本町店、しいの実社学芸大学店、喜風堂(各住所は本文参照)
関連施策 ファミマのエコ割(2021年7月導入)、包装改良、発注精度向上、てまえどりの継続
中長期目標 ファミマecoビジョン2050:2030年50%削減、2050年80%削減(食品ロス)

発表は、店舗での取り組みが一定の成果を上げている事実と、その経験を広く社会に展開するための具体策としてのフリー素材化を明確に示しています。公開された素材が飲食店、小売、自治体等で使われることで、個別の現場における食品ロス削減の実効性がさらに検証されることが期待されます。詳細や素材のダウンロードは、ファミリーマートのサステナビリティページで確認できます。

参考リンク: