神戸で公共トイレ可視化アプリ「Ezloo」実証開始

Ezloo実証運用開始

開催日:10月17日

Ezloo実証運用開始
Ezlooって何ができるの?
Ezlooは神戸市内の約130か所の公共トイレ情報を地図でワンストップ検索できるWebアプリ。車椅子対応やオストメイト等の設備、写真・口コミ、経路案内、現地からのコメント投稿で“いま”の使いやすさを可視化します。
いつから誰が使えるの?
実証運用は株式会社UN&Co.が神戸市と連携して行い、2025年10月17日から開始。対象は神戸市内の主要エリア約130か所で、一般利用者がWeb上で情報を閲覧・検索・コメント投稿できます。

見えない“外出の壁”を可視化する取り組み

神戸市内の公共トイレの使いやすさを可視化する新たな実証サービス「Ezloo(イズルー)」の運用が、2025年10月17日から始まりました。開発は東京都の株式会社UN&Co.が行い、本取組は神戸市と連携した「Soil×Kobe」実証支援プログラムの一環として実施されています。

本稿では、発表に含まれる事実を網羅的に伝えるとともに、なぜこの取り組みが必要とされるのか、具体的にどのような機能と運用設計になっているのかを整理します。調査結果や実証の期間・体制、サービスの使い方まで、プレスリリースの記載情報をすべて漏れなく掲載します。

発表者
株式会社UN&Co.(代表取締役:原田怜歩)
連携・協力
神戸市、公益財団法人Soil
実証開始
2025年10月17日(金)
行政×スタートアップが挑む、公共トイレの“バリアフリー情報”見える化─神戸市で新サービス「Ezloo」実証開始 画像 2

なぜ“見える化”が必要なのか:背景と課題の整理

UN&Co.の調査によると、車椅子ユーザーの約8割が「新しい土地で使えるトイレが見つからない」を理由に外出を控えた経験があると回答しています。この数値は、設備設置数の限界と情報の共有がローカルに留まることで生じる「見えにくさ」を示しています。

多機能トイレなどのバリアフリー設備は設置数が限られ、利用可能かどうかの情報は地元利用者の暗黙知に頼りがちです。その結果、初めて訪れる利用者は利用可能な場所を把握できず、外出の選択肢が制約されます。Ezlooはこの「暗黙知化」と「設備数不足」の両面に対して、情報のデジタル化と現場の声の収集で対処しようとしています。

現状の問題点を整理

現状の問題は次のポイントに集約できます。まず、設備数の絶対数が限られていること。次に、設置場所に関する情報が分散・非公開であること。最後に、実際の利用時の状態(清掃状況、段差、器具の故障など)が把握しにくいことです。

これらは外出の心理的ハードルとなり、結果として観光や買い物、通院などの機会損失に繋がります。Ezlooは、こうしたハードルを下げるために設計されています。

Ezlooの機能と日常での使い方

EzlooはWebアプリとして、神戸市内の公共トイレ情報を地図上でワンストップ検索できる点が特徴です。対象は神戸市内の約130か所の公共トイレで、写真・設備・口コミ・経路案内などを統合して表示します。

以下に、プレスリリースに基づく主要機能を整理します。各機能は利用者側の利便性向上と、管理者側への改善情報提供という二つの目的を兼ねています。

  • 多様なフィルター検索:車椅子対応、オストメイト、介助ベッドなどのバリアフリー設備を条件に検索できます。目的地や移動ルートに合わせた検索も可能です。
  • 地図によるワンストップ表示:神戸市内約130か所を地図上で確認し、位置情報から最寄りのトイレを探せます。
  • 写真・設備・口コミの表示:各施設の写真、備え付け設備、利用者コメントをまとめて閲覧できます。
  • 経路案内へのスムーズな移行:検索結果から直接経路案内へ移行でき、到達方法の確認が容易です。
  • 現場の“いま”を伝えるコメント投稿:利用者は現地から使い勝手や改善点のコメントを投稿可能で、事後の参考情報や改善につながるデータを蓄積します。

利用シナリオとデータの価値

利用者は「おむつ替え台の有無」や「段差の有無」といった具体的な設備情報をもとに行き先を決められます。また、利用者のコメントや投稿写真は、後続の利用者に現場の状態を伝えると同時に、施設管理者や行政が改善の優先度を判断する材料になります。

データは利用者の利便性向上だけでなく、行政計画・施設改修の根拠資料としても活用可能です。観光、子育て、防災などの分野での二次利用も視野に入れられています。

実証運用の設計、期間、関係者

本実証は「Soil×Kobe」実証支援プログラムの一環です。実施主体は株式会社UN&Co.で、神戸市と公益財団法人Soilが協力しています。期間は2025年10月17日(金)から2026年1月(予定)までとされています。

実証の主な目的は、公共トイレ情報の可視化による利用実態の把握と、利用者投稿やアクセス傾向を基にした施設ごとのニーズの差異の可視化です。得られた分析結果を行政と連携して現場改善やデータ活用の可能性検討に活かす計画です。

  1. 実証対象エリア:神戸市内主要エリア(約130か所の公共トイレ)
  2. 実施期間:2025年10月17日〜2026年1月(予定)
  3. 実施主体:株式会社UN&Co.
  4. 協力:神戸市、公益財団法人Soil

さらに、今回の実証で得られた知見は他自治体、交通事業者、商業施設との連携拡大を目指し、観光・子育て・防災など幅広い分野への応用を想定しています。実証中は利用データと投稿を蓄積して、分析に基づく改善提案が行われる予定です。

創業者のコメント(抜粋)

「行きたい場所があっても、使えるトイレが限られていたり、行ってみたら設備が壊れて使えなかったり。そんな周囲の友達との経験から、“行ける場所で選ぶ”のではなく、“行きたい場所に行ける社会”をつくりたいと思いました。Ezlooは、利用者のリアルな声を通じて、現場の不備や改善点を管理者や行政に直接届ける仕組みです。これまで排泄への不安や事前準備の負担から新しい場所へ行きづらさを感じていた人たちが、このツールによって外出の大きな楽しみである偶然の出会いや体験をより楽しんでもらえたら嬉しいです。そしてトイレという小さな入口から、誰もが自由に移動できる社会を広げていきます。」

上記は株式会社UN&Co.代表取締役の原田怜歩氏(東京大学経済学部出身)のコメントとして発表資料に含まれています。

要点の整理(本記事で伝えた内容の一覧)

以下の表は、本記事で取り上げた発表事項を整理したものです。開始日や体制、機能の要点などを明確に示しています。

項目 内容
サービス名 Ezloo(イズルー)
開発・実施主体 株式会社UN&Co.
連携・協力 神戸市、公益財団法人Soil(Soil×Kobe実証支援プログラム)
実証開始日 2025年10月17日(金)
実施期間 2025年10月17日〜2026年1月(予定)
対象エリア 神戸市内主要エリア(約130か所の公共トイレ)
主な機能 地図検索、設備フィルター(車椅子対応・オストメイト・介助ベッド等)、写真表示、口コミ・コメント投稿、経路案内
背景データ UN&Co.の調査で車椅子ユーザーの約8割が新しい土地で使えるトイレが見つからないため外出を控えた経験あり
今後の展望(計画) 実証での投稿・アクセス傾向を分析し、行政と連携した現場改善や他自治体・交通事業者・商業施設との連携拡大を検討
代表者 代表取締役 原田怜歩
お問い合わせ un_and_co@un-co.biz

本稿ではプレスリリースの全文に含まれる情報を基に、Ezlooの目的、機能、実証体制、スケジュール、関係者、調査データおよび今後の展開予定までを整理しました。サービスは神戸市内の約130か所を対象に、利用者の声とアクセスデータを蓄積し、現場改善や広域展開のための知見を得ることを目的としています。問い合わせは株式会社UN&Co.の公表連絡先(un_and_co@un-co.biz)にて受け付けられます。