コンヴァノ、鼻筋形成用糸『T-Mesh』の輸入代行を開始
ベストカレンダー編集部
2025年10月29日 06:06
T-Mesh日本導入開始
開催日:10月28日
鼻筋形成に新たな選択肢を──T-Meshの導入が目指すもの
株式会社コンヴァノ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:上四元 絢、証券コード:6574)は、連結子会社である株式会社シンクスヘルスケア(本社:東京都港区、代表取締役:戸高 大志)を通じて、韓国 HM Solution Co., Ltd.(本社:京畿道城南市、代表:盧 熹文)が開発した鼻筋形成用糸リフト素材「T-Mesh」の日本における輸入代行業務を2025年10月28日付で開始したと発表しました。今回の発表は、2025年10月21日付で公表した業務提携契約に基づく進捗開示にあたります。
公表日時は2025年10月28日 20時00分であり、同社グループはこれまでLG Chem社製ヒアルロン酸注入剤の独占輸入や、KOL(Key Opinion Leader)ネットワークの構築を通じて自由診療領域の高付加価値商材の拡充を推進してきました。T-Mesh導入は、鼻筋形成(ノーズリフト)を中心とした立体的フェイスデザイン需要への対応力を高めることを目的とする取り組みです。
導入の背景とポートフォリオ戦略
同社は部位・適応解剖領域ごとの設計最適化方針に基づき、既存の糸リフト製品(中顔面・鼻唇溝など)と競合しない、相互補完的なポートフォリオを構築する方針を掲げています。T-Meshはそのうち、鼻筋形成を主適応とする素材群の確立を目指す製品です。
今回の輸入代行開始は、製品ラインアップの強化だけでなく、注入系施術との併用や臨床的評価の体系化を通じて国内の美容医療現場における治療選択肢の拡充を意図しています。コンヴァノグループが既に築いている医療機関との連携やKOLネットワークが、導入の初動を支える構造となります。
T-Meshの設計と技術的特徴──従来法との違いをどのように補うか
T-Meshは吸収性糸製品として設計され、主原料は医療用グレードのポリカプロラクトン(PCL)です。構造は複層メッシュ(多層)構造であり、柔軟性と形状保持性を両立させる設計思想により、鼻背から鼻尖、さらにはオトガイなどの立体輪郭形成を志向する用途を想定しています。
美容医療における従来の鼻形成には主にヒアルロン酸注入法とプロテーゼ挿入法という二つの代表的手法があり、それぞれに課題がありました。ヒアルロン酸は形状の持続性が短く、繰り返し施術が必要でコスト負担が大きい点、プロテーゼは外科的侵襲とダウンタイム、感染や変形リスクを伴う点が指摘されてきました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | T-Mesh(吸収性糸製品) |
| 主原料 | 医療用グレードのポリカプロラクトン(PCL) |
| 構造 | 複層メッシュ(多層)構造 |
| 設計思想 | 柔軟性と形状保持性の両立。鼻背〜鼻尖やオトガイ等の立体輪郭形成を志向 |
| 想定施術 | 外科的侵襲を抑えた立体形成(ノーズリフトを主用途) |
T-Meshは、素材構造の両面から従来法の課題を補完するアプローチとして開発されました。従来の注入法と比べて非侵襲的かつ自然な立ち上がりを実現することを目標とし、美容医療現場での施術の幅を広げる設計が特徴です。
設計上は、鼻筋の線的な形状保持と柔軟な適合性を両立することで左右差や変形のリスク低減を狙い、プロテーゼに伴う外科的侵襲や長期のダウンタイムが問題となるケースに対して、中間的な選択肢としての位置づけが想定されます。
導入体制、臨床評価、流通計画
シンクスヘルスケアを通じた輸入代行業務の開始に伴い、同社は複数の施策を並行して進めます。まず注入系施術(ヒアルロン酸等)とのクロスセルを強化し、治療メニューの幅を広げることでクリニック側の提案力を高めます。
また、観察研究や有害事象追跡を含む臨床評価データの体系化を進め、製品の安全性・有効性に関するエビデンス整備を図るとしています。加えて、医師向け教育プログラム(適応・禁忌・操作手順・トラブルシューティング等)を整備し、現場での運用品質を担保する方針です。
- 輸入代行契約の現況:2025年10月時点で全国300院超の医療機関と輸入代行委託契約を締結済み
- 受注状況:そのうち100院以上から「T-Mesh」大規模ロット発注を受領
- 納入開始:2025年11月以降、順次納入を開始し、供給体制の安定化を図る予定
これらの体制と連携により、製品導入初期から広範囲の医療機関での利用が見込まれます。供給開始後は、実臨床データの蓄積と並行して導入拡大を目指す見込みです。
なお、本輸入代行業務の開始が2026年3月期連結業績に与える影響については現在精査中であり、重要性の高い事項が判明した場合には速やかに開示する旨が示されています。
企業概要と今回の取り組みの意義まとめ
シンクスヘルスケアは、世界の先端美容医療技術の導入・普及を通じて「美と心の健康」への貢献を使命とする企業で、医薬品・医療機器の導入・輸入代行、美容医療専門の経営支援やコンサルティング、クリニック向け開業支援サービスを提供しています。コーポレートサイトは https://t-hc.co.jp/ にて公開されています。
一方、コンヴァノはネイルサービスチェーン「FASTNAIL」を展開し、デジタル・マーケティングやAIシステム開発を含む事業基盤を有しています。今後はWEB3インフラ分野への進出も掲げ、次世代プラットフォーマーとしての地位確立を目指しています。コーポレートサイトは https://convano.com/ です。
- 提携先(製造・開発)
- HM Solution Co., Ltd.(韓国、京畿道城南市、代表:盧 熹文)
- 輸入代行実施主体
- 株式会社シンクスヘルスケア(東京都港区、代表:戸高 大志)
- 親会社
- 株式会社コンヴァノ(東京都渋谷区、代表:上四元 絢、証券コード:6574)
以下に、本記事で触れた主要点を表形式で整理します。製品仕様、導入スケジュール、契約状況、関連企業の概要を一目で確認できます。
| 項目 | 内容(要点) |
|---|---|
| 発表日 | 2025年10月28日 20時00分(公表) |
| 関連発表 | 2025年10月21日付の業務提携契約公表の進捗開示 |
| 製品名 | T-Mesh(吸収性糸製品) |
| 主原料・構造 | 医療用グレードPCL、複層メッシュ構造 |
| 主用途 | 鼻筋形成(ノーズリフト)を主適応。立体輪郭形成(鼻背〜鼻尖、オトガイ等)を志向 |
| 導入・流通状況 | 2025年10月時点で全国300院超と輸入代行契約。100院以上から大規模ロット発注。11月以降順次納入開始 |
| 臨床・教育対応 | 観察研究・有害事象追跡によるデータ体系化、医師向け教育プログラム整備(適応・禁忌・手順等) |
| 業績への影響 | 2026年3月期連結業績への影響は精査中。重要事項が判明した場合は速やかに開示 |
| 関連企業サイト | コンヴァノ: https://convano.com/ / シンクスヘルスケア: https://t-hc.co.jp/ |
本記事では、T-Meshの日本国内における輸入代行業務開始に関する発表を、製品仕様や導入体制、関係企業の情報を含めて整理しました。今後は供給体制の安定化と臨床データの蓄積が、製品の普及と安全運用の鍵となる点が重要です。
参考リンク: