楽天ら主催の国際縦読みコンテスト、受賞7作を発表

縦読みコミック受賞発表

開催日:10月29日

縦読みコミック受賞発表
受賞作って日本で読めるの?
はい。銀賞の「地獄有事」と「一分為惡」は台湾と日本での連載が保証されており、日本では楽天のデジタルコミック配信サービス「R-TOON」などで配信される予定です。
入賞するとどんな特典があるの?
賞金と連載機会が主な特典です。銀賞は賞金50万円+台湾・日本での連載保証、特別審査員賞と読者人気賞は20万円+連載保証、佳作は10万円です。

受賞作と授賞式の概要 — 7作品が栄冠に

楽天グループ株式会社は、台湾クリエイティブ・コンテンツ・エイジェンシー(TAICCA)およびContents Lab. Blue TOKYOと共催した「2025 国際縦読みコミックコンテスト」の受賞作品を発表しました。発表は2025年10月29日16時47分付の公表で、同日に授賞式が開催されました。

このコンテストは台湾のクリエイターを対象にした縦読みフルカラー作品を募集するもので、最終的に「銀賞」「特別審査員賞」「読者人気賞」「佳作」の計4種の賞が設けられ、合計7作品が受賞しました。特に銀賞の2作品には賞金50万円が贈呈され、台湾および日本での連載が保証されています。

楽天、「2025 国際縦読みコミックコンテスト」の受賞作品を発表 画像 2

各賞の受賞作品(一覧)

授賞対象となった作品名、著者名、ジャンル、賞金や連載の有無は以下の通りです。全ての情報は授賞式で公表された内容に基づきます。

  • 銀賞(賞金50万円/台湾と日本での連載保証)
    作品名
    「地獄有事(地獄で何かが起こっている)」
    著者名
    金勻
    ジャンル
    ファンタジー・SF
  • 銀賞(賞金50万円/台湾と日本での連載保証)
    作品名
    「一分為惡(悪に1ポイント)」
    著者名
    Udalin
    ジャンル
    BL
  • 特別審査員賞(賞金20万円/台湾と日本での連載保証)
    作品名
    「紙紮人(紙で縫い合わせた人形)」
    著者名
    竹川獅
    ジャンル
    ホラー・ミステリー
  • 読者人気賞(賞金20万円/台湾と日本での連載保証)
    作品名
    「地獄有事(地獄で何かが起こっている)」
    著者名
    金勻
    ジャンル
    ファンタジー・SF
  • 佳作(賞金10万円)
    作品名
    「屍眼(死体の目)」
    著者名
    楊白
    ジャンル
    BL
  • 佳作(賞金10万円)
    作品名
    「獸夢旅人(ビーストドリームトラベラー)」
    著者名
    白大與哈鴿
    ジャンル
    ファンタジー・SF
  • 佳作(賞金10万円)
    作品名
    「這才不是乙女GAME(これは乙女ゲームではありません)」
    著者名
    芽露
    ジャンル
    恋愛

銀賞にはそれぞれ賞金50万円が贈られ、受賞作のうち「地獄有事」と「一分為惡」は台湾と日本の各プラットフォームでの連載が予定されています。日本での連載は楽天のデジタルコミック配信サービス「R-TOON」などを通じて行われる見込みです。

楽天、「2025 国際縦読みコミックコンテスト」の受賞作品を発表 画像 3

選考方法と特別審査員の位置付け

受賞作の選出は複数の評価軸を組み合わせて行われました。審査は「R-TOON」編集部、TAICCA、Contents Lab. Blue TOKYO編集部および特別審査員による審査に加え、一般投票(「R-TOON」を通じた読者投票)を反映して決定されました。これにより編集部の専門的評価と読者の支持の両面が選考に取り入れられています。

特別審査員としては、役者・小説家として活動している松井玲奈さんが参加し、各受賞者への表彰を行いました。審査員枠は専門編集チームと外部審査のバランスを重視した構成になっています。

松井玲奈さんのコメントとプロフィール

松井玲奈さんは授賞式で次のようにコメントしています。「今回のコンテストでは、文化の違いを超えて物語を紡ぐ力に何度も心を揺さぶられました。台湾の風習を物語の核にした作品、日本のゲームカルチャーを感じる作品、どの作品も独自の世界観を持ちながらも、読み手の心をしっかり掴んでいました。縦読みという新しい形が生む漫画表現のリズムや空間表現にも大きな可能性を感じ、漫画界の未来がますます楽しみです。」

松井玲奈さんのプロフィールは以下の通りです。

デビュー
2008年
出身
愛知県
主な出演作
映画『よだかの片想い』、NHK連続テレビ小説「まんぷく」「エール」「おむすび」など
近年の代表作
舞台『ミナト町純情オセロ ~月がとっても慕情篇~』、NHK大河ドラマ「どうする家康」
舞台情報
2025年7月より舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』にハーマイオニー・グレンジャー役で出演中

コンテストの目的・募集要項・スケジュール

「2025 国際縦読みコミックコンテスト」は台湾のクリエイターに向けた縦読みフルカラーのコミック作品を対象に開催されました。縦読みフォーマットという特性を活かした表現の発掘と、台湾発コンテンツの国際展開を促すことが目的とされています。

募集要項とスケジュールの詳細は以下の通りです。応募形式や対象範囲は明確に定められており、選考基準と連動した募集条件が設定されていました。

  • 募集期間:2025年6月20日(金)~2025年8月24日(日)
  • 参加資格:18歳以上の台湾クリエイター(個人またはチーム)
  • 作品形式:縦読みフルカラー/全3話/中国語(繁体字)または日本語
  • 審査員構成:「R-TOON」編集部、TAICCA、Contents Lab. Blue TOKYO編集部、特別審査員(松井玲奈)
  • 主催:楽天グループ株式会社、台湾クリエイティブ・コンテンツ・エイジェンシー、Contents Lab. Blue TOKYO
  • 協力:MANTRA ENGINE(Mantra株式会社)

応募要件としては、作品が全3話で縦読みのフルカラーフォーマットであること、言語は繁体字中国語または日本語での提出が許容されている点が特徴です。募集は台湾のクリエイターを対象としており、年齢制限は18歳以上に設定されていました。

主催・協力団体の役割と機関概要

本コンテストは国際的な共同開催の形式を取っており、各組織が役割を分担して運営に携わっています。主催・協力各社の特徴とこれまでの取り組みについて整理します。

以下に各団体の概要を示します。団体名や設立背景、関連する事業などを併記しています。

台湾クリエイティブ・コンテンツ・エイジェンシー(TAICCA)
2019年に創設され、台湾・文化部のもとで台湾発の文化コンテンツの産業化と国際化を促進する独立行政法人。国際共同制作資金やコンテンツ開発支援投資資金などを用意し、ドラマ、映画、音楽、出版、アニメ、ゲーム、コミック、ファッションデザイン、文化的テクノロジー応用まで幅広く支援。海外発信およびビジネス活性化を目的とした活動を行っている。HP:https://taicca.tw/
Contents Lab. Blue TOKYO
韓国のグローバルウェブトゥーンプロダクションであるContents Lab. Blueの日本法人として2022年1月に設立。『接近不可レディー』『剣術名家の末息子』『ネクロマンサー学園の天才召喚士』などのヒット作を手掛け、日本のマンガ文化と韓国のウェブトゥーン文化のハイブリッドを目指す。TAICCAとは既に2作品のウェブトゥーン制作プロジェクトを進行するなど、共同制作に実績がある。HP:https://contentslabblue.jp//公式X:https://x.com/CLBTOKYO
楽天グループ株式会社
本コンテストの主催の一角を担い、日本側の配信基盤や編集支援を提供。日本での連載に関しては楽天のデジタルコミック配信サービス「R-TOON」などを通じた展開を予定している。
協力:MANTRA ENGINE(Mantra株式会社)
協力団体としてコンテスト運営の技術的支援や制作支援に関与している。

受賞結果の要点まとめ

ここまでに示した受賞作品と関連情報を表に整理します。各賞の名称、受賞作品、著者、ジャンル、賞金、連載保証の有無を明示しています。

作品名 著者 ジャンル 賞金 連載保証
銀賞 地獄有事(地獄で何かが起こっている) 金勻 ファンタジー・SF 50万円 台湾・日本での連載保証(日本はR-TOON等)
銀賞 一分為惡(悪に1ポイント) Udalin BL 50万円 台湾・日本での連載保証(日本はR-TOON等)
特別審査員賞 紙紮人(紙で縫い合わせた人形) 竹川獅 ホラー・ミステリー 20万円 台湾・日本での連載保証
読者人気賞 地獄有事(地獄で何かが起こっている) 金勻 ファンタジー・SF 20万円 台湾・日本での連載保証
佳作 屍眼(死体の目) 楊白 BL 10万円 なし
佳作 獸夢旅人(ビーストドリームトラベラー) 白大與哈鴿 ファンタジー・SF 10万円 なし
佳作 這才不是乙女GAME(これは乙女ゲームではありません) 芽露 恋愛 10万円 なし

表は受賞作品ごとの賞金額や連載保証の有無を示したもので、銀賞と一部の賞には台湾と日本での連載が保証される点が重要な特徴です。日本での配信は楽天の「R-TOON」をはじめとしたデジタル配信サービスを活用する計画が明示されています。

以上が「2025 国際縦読みコミックコンテスト」に関する発表内容の要約と整理です。受賞結果、選考体制、コンテストの趣旨および主催・協力団体の概要を含め、発表された情報を網羅的にまとめました。