PKSHA、生命保険向け『査定支援AI』提供開始で業務効率化
ベストカレンダー編集部
2025年10月30日 13:17
査定支援AI提供開始
開催日:10月1日
保険金支払査定の「手作業」をAIがつなぎ替える新しいアプローチ
2025年10月より、株式会社PKSHA Technology(読み:パークシャ・テクノロジー、以下PKSHA)は、生命保険会社向けのAIソリューション群「PKSHA AI Suite for Life Insurance」を拡張し、新たに「査定支援AIソリューション(査定支援AI)」の提供を開始しました。発表は2025年10月30日11時00分に行われています。
本ソリューションは、従来の保険金支払査定プロセスで多くを占めていた手作業工程をAIで最適化し、データ入力から査定ルートの最適化、査定担当者の業務支援に至るまでを一連のプロセスとして結合する点が特徴です。人手不足や業務の属人化によって生じていた課題の解消を目指します。
発表の要点
PKSHAは、査定支援AIを通じて査定プロセス全体を継続的に学習・改善する仕組みを提示しました。これにより、入力ミスの低減、判断のばらつきの抑制、業務マニュアルの継続的な更新提案などが可能になります。
既存のデータ入力支援ソリューション「PKSHA AI Powered Data Entry」と連携することで、データ入力から査定完了までを一気通貫で行う構成が実現されます。参照情報として、同ソリューションの詳細はPRページにて公開されています(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000199.000022705.html)。
業界が抱える課題と、なぜAIが有効か
生命保険の支払査定業務は、多種多様な請求書類のデータ入力や、商品ごとに異なる複雑な査定基準に基づく判断を要します。これらは多くが人の手を必要とし、時間や人的負荷の増大につながってきました。
過去には自動査定ルールの導入が試みられたものの、ルール変更の頻度や複雑さからシステム化が進まず、逆に運用負荷が増えたケースもありました。こうした背景が、知識・経験の組織内蓄積を阻害し、業務の属人化を助長してきました。
具体的な課題点
- 多様な申請書類の手作業によるデータ入力と入力ミス
- 商品別の査定基準やルール変更によるシステム運用の硬直化
- 経験や暗黙知が担当者に依存し、組織としての知識蓄積が進まない
- 人手不足に伴う業務負荷の増大と生産性低下
査定支援AIはこれらの課題に対して、業務を分断せず一連のプロセスとして結びつけることで対応可能としています。
査定支援AIの機能と運用の流れ
査定支援AIは「データ化」「コード化」「自動査定」「人的査定」の各工程を連結し、日々の業務から学習して改善案を提示します。これにより、現場の判断ノウハウをAIが継承し、組織全体で共有できる体制をつくります。
導入にあたっては既存システムや運用に合わせた統合が想定されており、PKSHAが提供する他のソリューションと組み合わせることで、査定ワークフローの一気通貫化が実現されます。
主な機能と役割
- データ入力支援
- 多様な請求書類のOCRや自動分類により、入力作業を補助。既存の「PKSHA AI Powered Data Entry」と連携して入力工数の削減を図る。
- 査定ルート最適化
- 過去の査定履歴や業務実績から、効率的な査定手順やルールをAIが提案し、どの案件を自動査定に回すか、どの案件を人的査定に割り振るかを判断する。
- 査定担当者支援
- 判断が必要なケースにおいて、過去事例や参考資料を提示し、担当者の高度な判断業務に集中できるように支援する。
- 継続的改善提案
- 業務マニュアルの更新案やソリューション機能の改善提案を自律的に提示し、プロセスの常時最適化を実現する。
これらの機能を通じて、査定プロセスは単なるシステム化ではなく、現場の知見を取り込む形で進化していく設計です。
PKSHAの展開と企業情報、導入後に期待される効果
PKSHAは業界特化型の統合ソリューション群「PKSHA AI Suite」を展開しており、生命保険分野のほか製造業、小売業向けなど複数のパッケージを提供しています。今回の査定支援AIは、同スイートの領域拡大の一環です。
PKSHAは、支払査定のAI支援に続き、契約の引受査定や保全業務、さらに蓄積データをマーケティング領域へ活用することで、新商品開発や顧客体験の向上、事業のトップライン改善にも貢献するとしています。
期待される効果(導入後)
- 入力工数の削減と入力ミスの低減。既存のデータ入力支援との連携で効率化が見込まれる。
- 査定判断のばらつき抑制と業務品質の均質化。ノウハウの組織化が進む。
- 業務マニュアルや査定ルールの継続的最適化により、システム運用の硬直化を抑制。
- 人手不足の緩和と、査定担当者が付加価値の高い判断業務へ注力できる環境整備。
また、PKSHAは今後もソリューションの強化を加速し、日本の主要産業のAI化/DX化を支援する立場を打ち出しています。関連する製品・サービスや導入実績の情報は、同社のAI SaaSページ(https://aisaas.pkshatech.com/)でも案内されています。
会社概要と問い合わせ先
以下にPKSHAの会社情報と本件に関する問い合わせ先を示します。事業内容や各種ソリューションの詳細は公式サイトを参照してください。
| 会社名 | 株式会社PKSHA Technology |
|---|---|
| 所在地 | 東京都文京区本郷 2-35-10 本郷瀬川ビル 4F |
| 代表者 | 代表取締役 上野山 勝也 |
| URL | https://www.pkshatech.com/ |
| 本件問い合わせ先 | pr@pkshatech.com |
記事の要点まとめ
この記事では、PKSHAが発表した生命保険向けの新しいAIソリューション「査定支援AI」について、その背景、機能、期待される効果、PKSHAの製品群との連携といった点を整理しました。以下の表に本件の主要情報をまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2025年10月30日 11:00 |
| 提供開始時期 | 2025年10月 |
| 提供企業 | 株式会社PKSHA Technology(パークシャ・テクノロジー) |
| ソリューション名 | 査定支援AIソリューション(PKSHA AI Suite for Life Insurance の拡張) |
| 対象領域 | 保険金支払査定プロセス(データ入力~査定ルート最適化~査定担当者支援) |
| 主な機能 | データ入力支援、査定ルート最適化、担当者支援、継続的改善提案 |
| 連携ソリューション | PKSHA AI Powered Data Entry(データ入力支援)およびPKSHA AI Suite 他パッケージ |
| 期待効果 | 入力工数削減、判断の均質化、業務の属人化解消、人手不足対策 |
| 関連URL | https://aisaas.pkshatech.com/、https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000199.000022705.html |
| 問い合わせ | pr@pkshatech.com |
PKSHAの発表は、保険金支払査定という業務領域にAIを適用することで、業務全体の最適化と組織的な知識継承を図るものでした。今後は引受査定、保全業務への展開および、これらを通じたデータ活用によるマーケティング領域への波及も予定されています。提供中の各ソリューション情報や導入に関する詳細は、企業の公式サイトや問い合わせ先にて確認できます。
参考リンク: