11月開始、NEC×ミマモルメが顔認証でスクールバス乗降通知

スクールバス顔認証サービス開始

開催日:11月1日

スクールバス顔認証サービス開始
このサービスっていつから使えるの?
ミマモルメは2025年11月から販売・運用を開始する予定。9月に奈良で実証実験を実施済みで、実際の導入日は自治体や施設との契約で個別に決まります。
顔認証でプライバシーは大丈夫なの?
プレスでは同意取得や運用設計の重要性を明記しており、タブレットでの後付け設置やデータ管理は導入時に個人情報保護の手続きが求められます。詳細は導入先と要確認です。

顔認証を搭載したスクールバス見守りサービスの狙いと開始日

阪急阪神ホールディングスグループの株式会社ミマモルメ(本社:大阪市福島区、代表取締役 藤井 啓詳)と日本電気株式会社(NEC、代表取締役 代表執行役社長 兼 CEO 森田 隆之)は、顔認証技術を活用したスクールバス向けの見守りサービスを2025年11月から販売開始すると発表しました。プレスリリースは2025年10月30日14時に公表されています。

本サービスは、ミマモルメが提供する子どもの登下校や施設出入りを保護者へ通知する「登下校ミマモルメ」および学童施設向けの業務効率化システム「学童ミマモルメ」と、NECがSaaS形式で提供する顔認証サービスBio-IDiom Services for SaaSを連携させることで実現します。導入により保護者の不安軽減と教職員の業務負担軽減を目指すものです。

ミマモルメ、NECと連携し顔認証を活用したスクールバス乗降通知サービスを11月から販売開始 画像 2

奈良県香芝市での実証実験──国内初の試みとその背景

販売に先立ち行われた実証実験は、2025年9月1日から9月30日まで奈良県香芝市で実施されました。対象は夏季に試験運行されたスクールバス2台で、タブレット端末に顔認証用アプリを搭載し、乗降口に設置して乗降検知を行い、検知結果をリアルタイムで保護者に配信する仕組みの検証が行われました。

ミマモルメとNECによれば、タブレット端末による顔認証を用いて小学生のスクールバスの乗降情報を保護者に通知する実証実験は国内で初の試みとされています(2025年10月30日時点の両社調べ)。実証実験の背景には、徒歩通学の熱中症リスクの低減や学校統廃合に伴う遠距離通学への対応、部活動や地域クラブの移動ニーズの増加など、スクールバス運行の機会増加が挙げられます。

実証実験の構成と運用フロー

実験では、マイクロバス2台の乗降口にタブレット端末を設置し、タブレットに搭載された顔認証アプリで乗車・降車を検知しました。検知した情報はリアルタイムで集約・配信され、保護者は子どもがバスに乗車した時点や降車した時点を確認できます。

以下は実験の主要項目です。各項目は実証内容を具体的に示しています。

  • 実施期間:2025年9月1日〜9月30日
  • 実施場所:奈良県香芝市の小学校で夏季に試験運行されたスクールバス(2台)
  • 参加対象:スクールバスを利用する子どもとその保護者(任意)
  • 主な内容:顔認証を活用した乗降検知および通知精度と利用者満足度の検証

実証実験の結果と保護者アンケートの評価

実証実験後の保護者アンケートでは、回答のあった全員が通知のタイミングについて「とても適切であった」または「適切であった」と回答しています。加えて、子どもの安全確認に対する安心感が「とても向上した」または「多少向上した」との回答が得られ、保護者がバスの乗降状況を把握できた点が高く評価されました。

これにより、通知受領を通じて「子どもが無事にバスに乗車した」「いつ降車したか」を確認できるという機能価値が実証されたことになります。教職員側では、点呼や置き去り防止のための確認作業負担の軽減が期待されます。

結果を支えた技術的要素

本サービスで用いられる顔認証はNECのコア技術をSaaSで提供する「Bio-IDiom Services for SaaS」です。NECの顔認証技術は、米国国立標準技術研究所(NIST)が実施する顔認証ベンチマークテストにおける「1:N認証」テストで世界第1位の評価を複数回獲得している点が特徴です。

また、導入にあたってはタブレット端末を用いることで設置・取り外しが容易になっており、リース車両として運行されることが多いスクールバスへの後付けニーズに対応する設計が取られています。なお本仕組みは特許出願中(2025年10月30日時点)であることが明記されています。

販売・運用開始と提供体制、企業概要

ミマモルメは2025年11月から、スクールバスを運行する全国の自治体や子ども向け施設に対して本サービスの販売と運用を開始します。提供形態は、ミマモルメの既存サービスと連携した形での導入や、タブレット端末の後付けによる運用が想定されています。

NECは自社の価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」のもと、業種横断の知見と最先端テクノロジーによりビジネスモデルの変革を支援するとしています。顔認証はそのコアテクノロジーの一つとして位置づけられており、同技術を用いたサービスをSaaSで提供することで導入企業・自治体の課題解決に貢献するとしています。

関係企業の概要(プレスリリース記載情報)

以下にミマモルメとNECの概要をまとめます。登記上の本店所在地、資本金、設立年など、プレスリリースに記載された数値をそのまま掲載します。

株式会社ミマモルメ
本社:大阪市福島区福島3丁目14番24号
資本金:1億円(阪神電気鉄道株式会社100%出資)
設立:2017年8月
代表者:代表取締役 藤井 啓詳
事業内容:あんしん事業(ミマモルメ)、教育事業(プログラボ)
ウェブ:https://www.hanshin-anshin.jp/https://www.proglab.education/
日本電気株式会社(NEC)
本社:東京都港区芝5丁目7番1号
資本金:4,278億円
創立:1899年7月
代表者:取締役 代表執行役社長 兼 CEO 森田 隆之
グループ主要事業:ITサービス事業、社会インフラ事業
ウェブ:https://jpn.nec.com/

実証実験と導入案内の整理表

ここまでの記事で触れた重要な情報を表形式で整理します。実施期間、対象、技術要素、販売開始時期などを一覧化しています。

項目 内容
プレスリリース発表日時 2025年10月30日 14時00分
サービス名(連携) 登下校ミマモルメ/学童ミマモルメ × NEC「Bio-IDiom Services for SaaS」
販売開始 2025年11月(ミマモルメによる販売・運用開始)
実証実験実施期間 2025年9月1日〜2025年9月30日
実施場所 奈良県香芝市の小学校が試験運行したスクールバス(マイクロバス2台)
利用対象 スクールバス利用の子どもとその保護者(任意参加)
主な検証項目 顔認証による乗降検知・通知精度、利用者満足度(保護者アンケート)
技術的特徴 NECの顔認証技術(NISTの1:N評価で世界上位実績)、SaaS提供、タブレット端末による後付け設置
特記事項 特許出願中(2025年10月30日時点)、国内初の事例として両社調べによる表明
問い合わせ先(プレス記載) NEC バイオメトリクス・ビジョンAI統括部 メール:dpf-pr@dpf.jp.nec.com

上表はプレスリリースに記載された情報を基に作成しています。掲載した日付、数値、名称、技術的説明および問い合わせ先は原資料のとおり記載しています。

以上をもって、今回発表されたスクールバス向け顔認証見守りサービスの要点を整理しました。導入を検討する自治体や施設は、運用形態、プライバシー保護・同意取得、タブレットの設置・管理方法などを踏まえた運用設計が重要となります。