学生×企業×団体で開発 つながるおにぎり5種公開
ベストカレンダー編集部
2025年10月31日 10:43
学生共創オリジナルおにぎり
開催期間:10月7日〜10月17日
学生と企業・団体がつないだ「つながる」おにぎりプロジェクト
日本発の国際的な食支援活動を行う特定非営利活動法人TABLE FOR TWO International(以下、TFT)が主催する「おにぎりアクション」において、2025年に初めて学生・企業・団体が協働して開発したオリジナルおにぎりが公開されました。企画段階から販売までを通じて「つながり」をテーマに据えた今回の取り組みは、アイデア出し、レシピ開発、試作、記者発表会でのお披露目、期間限定販売、そして家庭で作れるレシピ公開まで一連の流れが実施されています。
おにぎりアクションの期間はおにぎりアクション2025が10月7日(火)~11月15日(土)、おにぎりアクションFOR JAPANが11月18日(火)~11月30日(日)(目標枚数達成次第終了)です。今回のオリジナルおにぎりは記者発表会でのお披露目(10月7日)で140個を提供し、その後、10月8日(水)~10月17日(金)にかけてゲートシティ大崎の「雨晴食堂」で数量限定の販売を行い、合計250個を販売しました。
- 企画主旨: 「つながり」をテーマに学生、おにぎりフレンズ、協賛企業・団体が垣根を越えて協働
- 販売場所・期間: ゲートシティ大崎 ウエスト3F「雨晴食堂」 10月8日~10月17日
- 販売数量: 期間限定販売で合計250個(学生考案品は日替わりで計110個、いちほまれ・焼のり『極』は毎日提供で計140個)
- 記者発表会提供数: 140個(10月7日)
学生発アイデアが形になった4種の共同開発レシピ
実践女子大学の有志学生8名が国内グループとグローバルグループに分かれ、企業の協力を得て具体的なレシピ開発を行いました。学生が考案した4種類に、福井県のブランド米「いちほまれ」とニコニコのりの焼のり「極」を使ったおにぎりを加え、計5種をオリジナルおにぎりとして販売しました。
各おにぎりは素材や製法、見た目の工夫、それぞれの背景にある「つながり」の意図が織り込まれています。以下では4種それぞれの特徴と考案意図、家庭での再現に関する情報を整理します。
(1)にんじんしりしりと鮭のおにぎり — 日本各地をつなぐ一品
国内グループのテーマは「日本全体がつながるおにぎり」。北海道の定番食材でおにぎり人気具材ランキング1位の鮭を中心に、沖縄の郷土料理「にんじんしりしり」を組み合わせ、福井県産ブランド米「いちほまれ」を使用しています。
丸形に握ったおにぎりの上には鮭のほぐし身を配し、にんじんやごぼうなどは規格外野菜や廃棄予定の野菜を活用して食品ロス削減へも配慮。ゴマのプチプチした食感と風味をアクセントに加え、地域間のつながりとサステナブルな視点を両立しています。
(2)十六穀米使用ツナタルタルのせカツおにぎり — 健康・経済・嗜好をつなぐ工夫
十六穀米を用いることでビタミン・ミネラル・食物繊維を補い、カツを載せても罪悪感を抑えられる構成にしています。ソースはツナマヨ人気を踏まえ、タルタル風にアレンジしたツナタルタルを採用しました。
外側はニコニコのりの焼のり「極」でカツとご飯を帯状に巻くデザインとし、SNS映えする見た目にも配慮。経済性を意識する場面でも受け入れやすい雑穀米の活用で、健康面と嗜好をつなげています。
(3)だしとまいたけがやさしく香るトマニョタ炊き込みおにぎり — 日・アフリカの食をつなぐ発想
グローバルグループは「日本と支援先のアフリカを、おにぎりでつなぐ」をテーマに考案。アフリカで親しまれるトマトを使った炊き込みご飯(ジョロフライス)をヒントに、だしとまいたけの風味を組み合わせて日本人の味覚にも馴染む炊き込みご飯に仕上げています。
オクラを星型の断面として配し見た目の華やかさを演出。舞茸の秋らしい香り、ごま油の風味、だしとトマトの相性を活かした味付けで、異文化の食材を調和させた一品です。名称はトマト(ニョタ/スワヒリ語で星を意味する意匠)に由来します。
(4)さつまいもとカシューナッツ入り味噌焼きおにぎり — アフリカ食材と日本の技法を融合
東アフリカでよく栽培されるさつまいもと、西アフリカ特産のカシューナッツを組み合わせ、日本の焼きおにぎりの技法で仕上げました。バターとさつまいもの甘みが下支えし、カシューナッツの歯ごたえと香ばしさがアクセントになります。
仕上げに大葉を添え、香りと清涼感をプラス。焼き色による香ばしさとナッツの食感で、一度食べると記憶に残る味わいを目指した設計です。学生側の意図としては、支援先の食材と日本の調理法をつなげる点が重視されました。
開発の過程、協力企業・団体と販売の結果
今回の企画は8月1日のアイデア出しに始まり、学生内でのグループ分け、レシピ開発、中間発表、試作会を経て、10月7日の記者発表会でお披露目、続いて10月8日~17日に雨晴食堂で数量限定販売が行われました。プロジェクト全体はオフライン・オンラインを問わず多くの主体が連携して進行しました。
参加・協力の主な体制と役割は以下の通りです。役割分担によって企画は実現され、販売時には学生が考案した日替わり商品と毎日提供の2種類が並びました。
- 主催
- 特定非営利活動法人TABLE FOR TWO International
- レシピ開発
- 実践女子大学(有志学生 8名)
- 運営協力(販売受託)
- シダックスコントラクトフードサービス(雨晴食堂の受託運営)
- 商品・技術提供・アイデア協力(協賛パートナー)
- 日産セレナ、エプソン、オイシックス・ラ・大地、ニッスイ、ニコニコのり、福井県『いちほまれ』
- おにぎりフレンズ(アイデア協力)
- ボーイスカウト水戸第5団ビーバー隊、青稜中学校高等学校SDGs部、一般社団法人ガールスカウト東京都連盟、京都先端科学大学附属中学校高等学校
記者発表会(10月7日)では140個を提供、雨晴食堂での期間限定販売では合計250個を販売しました。学生考案の4種は期間中日替わりで提供され、合計110個の販売が行われました。一方、「いちほまれ」を使ったおにぎりと焼のり「極」を使った商品は毎日提供され、合計140個が販売されました。
関係者の声
実践女子大学参加学生代表は、企業や仲間の支えによって想像を超える試行錯誤を経て形になったこと、コンセプトである「つながる」を通じて日本国内および支援先とつながることを意図している点を述べています。また、家庭で作れる簡単なレシピを公開することで家庭内での参加促進を狙っていることを明かしました。
シダックスコントラクトフードサービスの保谷武彦様は、同社として初めての参加であり、食堂が“つながり”を生む場になったことに手応えを感じ、今後も同様の取組に協力したい旨を語っています。現場では来店者から「おいしい」「TFTの活動を理解できた」といった反響があったことが報告されています。
おにぎりアクションの仕組みとTFTの活動実績
おにぎりアクションは、おにぎりの写真にハッシュタグ #OnigiriAction を付けてSNS(Facebook、Instagram、X(旧Twitter))または特設サイトに投稿すると、協賛企業が寄付を行い、TFTを通じてアフリカ・アジアの子どもたちに給食を届ける仕組みです。写真1枚につき給食5食(100円相当)が寄付されます。
過去10回の開催で約214万枚の写真が集まり、累計約1,163万食を提供してきました。TFT自体は2007年10月に設立され、企業・官公庁・大学・病院など約700団体が参加。東アフリカと東南アジアの5カ国(ケニア、タンザニア、ルワンダ、ウガンダ、フィリピン)を中心に学校給食の提供や菜園・生産性向上プログラムの支援を行い、累計支援給食数は1億1000万食以上にのぼっています。
おにぎりアクションの詳細は特設サイトで確認できます:https://onigiri-action.com/
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 企画主旨 | 学生・企業・団体が協働して「つながり」を体現するオリジナルおにぎりを開発・販売 |
| 主催 | 特定非営利活動法人TABLE FOR TWO International(TFT) |
| レシピ開発 | 実践女子大学(有志学生8名) |
| 運営協力(販売受託) | シダックスコントラクトフードサービス(雨晴食堂受託運営) |
| 協賛・素材提供 | 日産セレナ、エプソン、オイシックス・ラ・大地、ニッスイ、ニコニコのり、福井県「いちほまれ」等 |
| 開発されたおにぎり(合計5種) | にんじんしりしりと鮭 / 十六穀米ツナタルタルのせカツ / トマニョタ炊き込み / さつまいもとカシューナッツ味噌焼き / いちほまれ+焼のり『極』 |
| 記者発表会提供数 | 140個(10月7日) |
| 雨晴食堂期間限定販売 | 10月8日~10月17日、合計250個(学生考案4種:計110個、いちほまれ・極:計140個) |
| おにぎりアクションの寄付ルール | 写真1枚の投稿ごとに給食5食分(100円)を協賛企業が寄付 |
| TFTの実績 | 設立2007年10月、参加団体約700、累計支援給食数1億1000万食以上 |
今回の企画では、企業や団体、学生がそれぞれの強みを持ち寄ることで、アイデアの発案から実際の販売までが短期間で実現されました。開発プロセスの公開や家庭での再現レシピの提供を通じて、おにぎりアクション本体の認知拡大と参加促進につながる構成となっています。関連情報やレシピの詳細はTFTの特設ページおよび公式noteで確認できます:https://note.com/tablefor2/n/n2f9d1542d156、https://jp.tablefor2.org/
参考リンク: