自治医大発ベンチャー・キュアセル、3,060万円調達で臨床準備へ
ベストカレンダー編集部
2025年11月1日 05:58
シードで3060万円調達
開催期間:9月25日〜10月14日
シード期で3,060万円を調達 — 評価額はプレバリュー9.5億円、調達後約9.8億円に
自治医大発の創薬ベンチャー、株式会社キュアセルは、シード期(プレAラウンド・ファーストクローズ)において株式投資型クラウドファンディング(ECF)を通じて3,060万円の資金調達を実施しました。調達前のプレバリュー(評価額)は9.5億円、調達後の時価総額(ポストバリュー)は9億8,060万円と報告されています。
本リリースは株式会社キュアセルが2025年11月1日 00時10分に発表した情報を基にまとめています。今回の調達は同社が今後の研究開発、特に「アポエチルモルヒネ(アポモルフィン誘導体)」に関する毒性試験および臨床試験準備に充てられる予定です。
実施スキームとスケジュール
本ラウンドは、イークラウド社(大和証券グループ提携)を仲介として実施された株式投資型クラウドファンディングの第56号案件です。募集期間や約定日など、実務上のスケジュールは以下のとおりです。
- 募集期間:2025年9月25日(木)~ 2025年10月14日(火)
- 約定日:2025年10月24日
- 有価証券通知書提出日(関東財務局):2025年9月17日
- 適用税制(見込み):エンジェル税制A・B
また、募集はイークラウド社第56号案件として行われ、個人投資家向けと特定投資家向けでチケット(出資単位)が分かれていました。
- 個人投資家向けチケット
- 100,000円、200,000円、300,000円、500,000円ではなく、個人向けは10万円、20万円、30万円、50万円の各枠で募集
- 特定投資家向けチケット
- 100万円、200万円、300万円、500万円の枠を設定
研究開発の核心:フェロトーシス阻害薬とアポエチルモルヒネ(アポモルフィン誘導体)
キュアセルは「抗老化」を企業理念に掲げ、フェロトーシス阻害薬の研究・開発に注力しています。フェロトーシスは鉄依存性の過酸化物質の蓄積が原因で起こる細胞死であり、心筋梗塞、脳梗塞、パーキンソン病、アルツハイマー病、狭心症、心不全など100以上の疾患や症状に関連することが報告されています。
同社は、過酸化物質の蓄積を阻害することで病気の発症や進行を抑えることを目的とした薬剤開発を進めています。今回の資金調達は、アポエチルモルヒネ(文中ではアポモルフィン誘導体とも表記)に関する毒性試験を開始するための費用の一部として位置づけられています。
アポエチルモルヒネ(アポモルフィン誘導体)に関する説明
代表の中尾麻衣子氏のコメントによれば、アポモルフィン誘導体は細胞の活性を上げて再生を促進する作用があり、難病患者への治療的期待に加え、抗酸化・抗炎症作用から老化予防や美容分野への応用可能性が示唆されています。
同社はまず毒性試験を実施し、その後に臨床試験へ進む計画です。毒性試験は安全性評価の基盤となる工程であり、臨床試験(ヒト試験)に向けた重要なステップと位置付けられています。
自治医科大学との連携と企業体制の強化
キュアセルは自治医科大学認定ベンチャーとして位置付けられており、自治医科大学のオープンイノベーションセンターや研究推進課による支援を受けています。自治医科大学は1972年の設立以来、地方医療の充実と医学研究の推進に努めてきた歴史を持ち、学内シーズの実用化や企業導出を支援する制度を整えています。
今回のクラウドファンディング実施に際しては、イークラウド社の証券仲介業務のなかで審査が行われ、過去の会計帳簿、契約書、株主総会議事録などの提出や、承認フロー・コンプライアンス体制の確認、審査部門からのヒアリングへの対応を通じてガバナンスが強化されたと担当者は述べています。
経営陣のコメントと今後の資金調達方針
代表取締役 中尾麻衣子氏は、今回の支援に感謝を示すとともに、アポモルフィン誘導体の有する再生促進、抗酸化、抗炎症の特性を重ねて説明しました。中尾氏は臨床試験に向けて研究開発を積極的に進める意向を表明しています。
経営企画担当執行役員は、今回の審査過程を通じて組織のガバナンスが向上した点に触れ、臨床試験に合わせて大型の資金調達を予定していること、研究開発の進捗に応じて企業価値の向上に努める考えを示しました。
会社概要と問い合わせ先、関連リンク
以下はキュアセルの会社情報と本件に関する問い合わせ先、関連リンクです。設立は2022年8月1日で、本社は東京都中央区に所在します。
- 法人名:株式会社キュアセル
- 代表者:代表取締役 中尾麻衣子(橋本麻衣子)
- 所在地:東京都中央区築地2-12-8 大広ビル2階
- 設立日:2022年8月1日
- 事業内容:医薬品創薬開発
- URL:http://curecell-lab.com/
- 本件お問い合わせ:info@curecell-lab.com(株式会社キュアセル)
- 関連リンク(イークラウド案件ページ):https://ecrowd.co.jp/projects/56?prtimes_cu2_004
上記の通り、連絡先と公式URLはプレス公表情報に基づくものであり、研究開発や資金調達の進捗は今後の公表によって更新されます。
本記事の要点を表で整理
以下に本記事で触れた主要項目を表形式で整理しました。資金調達の数値、スケジュール、研究対象、会社情報などを一覧で確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| プレスリリース発表日時 | 2025年11月1日 00:10 |
| ラウンド | シード期(プレA 1stターム) |
| 調達金額 | 3,060万円 |
| 調達前評価額(プレバリュー) | 9.5億円 |
| 調達後評価額(ポストバリュー) | 9億8,060万円 |
| 実施スキーム | 株式投資型クラウドファンディング(イークラウド社、第56号案件) |
| 募集期間 | 2025年9月25日~2025年10月14日 |
| 約定日 | 2025年10月24日 |
| 関東財務局への通知書提出日 | 2025年9月17日 |
| チケットサイズ(個人投資家向け) | 10万円、20万円、30万円、50万円 |
| チケットサイズ(特定投資家向け) | 100万円、200万円、300万円、500万円 |
| 適用税制(見込み) | エンジェル税制A・B |
| 研究開発の主題 | フェロトーシス阻害薬の創薬、アポエチルモルヒネ(アポモルフィン誘導体)の毒性試験開始→臨床試験準備 |
| 企業形態・出自 | 自治医科大学認定ベンチャー |
| 代表者 | 中尾麻衣子(橋本麻衣子) |
| 所在地 | 東京都中央区築地2-12-8 大広ビル2階 |
| 設立日 | 2022年8月1日 |
| 問い合わせ先 | info@curecell-lab.com |
| 公式URL | http://curecell-lab.com/ |
本記事は、キュアセルが公表したプレスリリースの内容を忠実にまとめた報告です。資金調達の規模や評価額、募集の具体的なスキーム、研究開発の焦点であるフェロトーシス阻害とアポエチルモルヒネ(アポモルフィン誘導体)に関する今後の予定、ならびに会社の基本情報と問い合わせ先を整理して提示しました。
参考リンク: