対面証券NPS調査2025:SMBC日興が1位に

対面証券NPS調査2025

開催日:11月5日

対面証券NPS調査2025
NPSのスコアがマイナスでもSMBC日興証券が1位ってどういうこと?
NPSは顧客の推奨度を示す相対指標で、業界全体でスコアが低ければマイナスでも上位になり得ます。今回の-38.4は対象5社中で最も高く、手数料とサービスのバランス評価が順位に寄与しました。
今回の調査で投資家が注目すべきポイントは何?
市場急変時の案内やセキュリティ対策の周知、担当者のヒアリング力やアフターフォローがNPSと相関します。取引先選びでは情報提供の質や通知、二段階認証などの導入状況を確認するとよいです。

SMBC日興証券が首位に立った対面証券NPSベンチマークの結果

2025年11月5日11時、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社は「NPSベンチマーク調査2025 対面証券部門」の結果を公表しました。本調査では、対面での取引経験がある顧客を対象にNPS(Net Promoter Score®:顧客推奨度)を算出し、業界内のベンチマークとしてランキング化しています。

今回の調査で最もNPSが高かったのはSMBC日興証券(NPS:-38.4)でした。続いて2位は三菱UFJモルガン・スタンレー証券(NPS:-41.6)、3位は大和証券(NPS:-43.3)となっています。5社のNPS平均は-42.3で、トップ企業とボトム企業との差は5.9ポイントでした。対象となった対面証券は、SMBC日興証券、大和証券、野村證券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の5社です。

  • SMBC日興証券:NPS -38.4(1位)
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券:NPS -41.6(2位)
  • 大和証券:NPS -43.3(3位)
  • 野村證券:ランキング対象(NPS値は本公表で示された範囲に含む)
  • みずほ証券:ランキング対象(NPS値は本公表で示された範囲に含む)

本調査の詳細レポートは無償ダウンロードの対象となっており、レポートや関連資料はNTTコム オンラインの該当ページから入手できます。調査レポート内ではドライバーチャート等の詳細分析図表も提供されています(ダウンロード資料参照)。

対面証券を対象にしたNPS®ベンチマーク調査2025の結果を発表。NPSおすすめランキング1位はSMBC日興証券 画像 2

ランキング数値の注釈とNPSの扱い

NPSの値は小数点第2位を四捨五入して表示されています。同値の場合はランキングで同順位として扱われます。今回の数値は対面証券5社を対象とした結果であり、業界の傾向把握や企業間比較を目的としたベンチマークとして位置づけられています。

NPSは「友人や同僚に薦めたいか?」という単一の質問に基づいて算出される指標で、欧米では公開企業の多くが採用していることが知られています。日本でも顧客満足度に代わる指標として活用が進んでいます。

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ロイヤルティ分析:顧客に評価された点と優先的に改善が求められる点

対面証券全体について、ロイヤルティ(推奨度)を18項目で分解して分析した結果、ロイヤルティ醸成に寄与する主要因と、改善優先度が高い項目が明確になりました。顧客に寄り添う姿勢や問い合わせ時の応対の良さがロイヤルティの向上に直結している一方で、実務面での改善余地も複数見られます。

特に、資産運用の成果に対する期待に応える項目や、資産運用に有用な情報提供、アフターフォローの手厚さが優先的な改善対象として挙がっています。また、担当者のヒアリング力や提案力、商品の説明の分かりやすさといった対人サービス品質も今後の改善が期待されるポイントです。

ロイヤルティに寄与する主な項目
「お客様に寄り添う姿勢・大切にする姿勢」「問い合わせ時の応対のよさ」などが挙げられます。
優先的に改善が必要な項目
  • 資産運用に対する期待通りの成果
  • 資産運用に役立つ情報提供(世界経済、為替、税制、制度変更等)
  • アフターフォローの手厚さ(継続的な訪問や電話、再提案等)
  • 資産状況や投資方針、ニーズに対するヒアリング力
  • 自分に合った商品・サービスの提案力
  • 商品の特性、手数料、リスク等の説明のわかりやすさ
注意観察項目
昨年度は優先改善項目であった「手数料とサービスのバランスの良さ(コストパフォーマンス)」は、今年度はロイヤルティへのインパクトが低下し、注意観察項目に位置づけられました。

企業別には、SMBC日興証券が「手数料とサービスのバランスの良さ(コストパフォーマンス)」で評価を得て1位につながった点、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が「資産状況や投資方針、ニーズに対するヒアリング力」で良好な評価を獲得している点、大和証券が「お客様に寄り添う姿勢・大切にする姿勢」で高い評価を得ている点がそれぞれ示されています。

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市場動向急変時の案内とセキュリティ認知がNPSに与える影響

地政学的リスクの高まりや世界経済の不確実性により市場動向が急変しやすい環境の中で、2025年4月頃の株価急落など市場動向急変時における証券会社からの案内・通知が顧客の不安にどのように影響したかを分析しています。案内や通知の有無・内容と、不安の変化、さらにはNPSとの相関を詳細に確認しています。

ここでは、案内を受けた割合、案内の内容別割合、不安の変化、そして不安が解消された場合のNPSの傾向を示します。

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市場動向急変時の案内内容と不安の変化

「市場動向急変に関する案内や通知を受けたか」を確認したところ、受け取った割合は46.0%でした。案内内容の内訳は次の通りです。

  1. 株価が下落している旨の注意喚起のみの案内や通知:14.7%
  2. 上記に加えて、下落の要因や市場の動向に関する案内や通知:21.7%
  3. さらに上記に加えて、下落の際の対処方法や心構えに関する案内や通知:7.5%

案内を受けた顧客のうち「不安が解消された」と回答した割合は33.4%に達しました。一方で「不安が解消されなかった」は25.1%、「余計不安になった」は10.4%となっており、案内の内容や質によって受け取られ方が異なることが示唆されます。

重要な点として、株価急落に関する案内や通知を受けて「不安が解消された」と回答した人のNPSは13.9と、他の回答者と比較して高い値を示しました。NPS上位企業(SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券)では、市場動向急変に関する案内や通知を受けた割合が高い点も確認されています。

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セキュリティ対策の認知とNPSの関連

2025年初頭から証券口座の不正アクセス・不正取引が増加したことを受け、各社で多要素認証必須化や取引履歴通知、AI検知などの対策が進められています。これらの不正アクセス問題についての認知状況は次の通りです。

  • よく知っている:19.9%
  • ある程度知っている:45.3%
  • 聞いたことがある:25.1%

証券会社が実施しているセキュリティ対策や不正アクセス防止の取り組みについて、顧客が知っているものの上位は次の通りでした。

  • 多要素認証・2段階認証:58.2%
  • ログイン通知サービス:37.5%
  • 生体認証:31.7%

これらの取り組みについての認知がある顧客は、認知がない顧客と比べてNPSが高い傾向にあり、セキュリティ対策に関する情報提供や認知促進がロイヤルティ向上に寄与する可能性が示唆されました。

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調査概要、対象者属性、NTTコム オンラインのNPS提供サービスと調査要点の整理

本章では調査設計や回答者属性、NTTコム オンラインが提供するNPS関連サービスの概要を示します。調査設計の詳細や販売データの案内も同時に触れます。

本調査はNTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケートで、調査期間は2025年10月1日(水)〜2025年10月7日(火)、有効回答者数は1,858名です。対象は上記5社において過去1年以内に取引経験があるインターネットリサーチモニターです。

調査対象企業(アルファベット順・50音順)
SMBC日興証券、大和証券、野村證券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券
調査方法
NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
調査期間
2025/10/01〜2025/10/07
有効回答者数
1,858名
回答者属性(性別・年代)
  • 性別:男性70.0%、女性30.0%
  • 年代:20代以下12.6%、30代13.8%、40代17.8%、50代15.1%、60代以上40.6%
NPSの算出と表記
NPSの値は小数点第2位を四捨五入して表示しています。同値の場合は同順位扱いです。

NTTコム オンラインは、NPS®を活用した顧客ロイヤルティ向上のためのトータルソリューション(NPS®ソリューション)を提供しています。NPS有資格者によるコンサルティング、顧客体験プラットフォーム「クアルトリクスXM」の導入支援・調査設計・分析支援や、業界内でのポジショニング把握に有効な「NPS®リサーチ」などのラインナップがあります。関連情報は同社のサービスページ(https://www.nttcoms.com/service/nps/qualtrics/)で確認できます。

項目 数値・内容
発表日 2025年11月5日 11時00分(NTTコム オンライン発表)
調査対象企業 SMBC日興証券、大和証券、野村證券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券
調査期間 2025/10/01〜2025/10/07
有効回答者数 1,858名
主要ランキング(上位3) 1位 SMBC日興証券 -38.4、2位 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 -41.6、3位 大和証券 -43.3
NPS平均 -42.3
トップとボトムの差 5.9ポイント
市場動向急変時の案内受取割合 46.0%
案内内容の内訳 注意喚起のみ 14.7%、下落要因や市場動向説明 21.7%、対処方法等を含む説明 7.5%
案内を受けて不安が解消された割合 33.4%(不安が解消されなかった 25.1%、余計不安になった 10.4%)
不安が解消された人のNPS 13.9
不正アクセス問題の認知状況 よく知っている 19.9%、ある程度知っている 45.3%、聞いたことがある 25.1%
認知されているセキュリティ対策 多要素認証・2段階認証 58.2%、ログイン通知サービス 37.5%、生体認証 31.7%
回答者属性(性別) 男性70.0%、女性30.0%
回答者属性(年代) 20代以下12.6%、30代13.8%、40代17.8%、50代15.1%、60代以上40.6%
発表元(会社情報) NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長 稲葉秀司、URL:https://www.nttcoms.com/)

本記事ではNTTコム オンラインが公表した「NPSベンチマーク調査2025 対面証券部門」の主要な結果と調査概要を整理して伝えました。詳細な図表やドライバーチャート、企業別のより細かな分析は、公開されているダウンロード資料をご参照ください。なお、本文中に記載されているNet Promoter®、Net Promoter Score®、NPS®は関係各社の登録商標であることが明記されています。

参考リンク: