ルイナール×ジュリアン・シャリエール展|海の記憶を聴く体験

失われた海の記憶展

開催期間:11月5日〜11月9日

失われた海の記憶展
これっていつどこでやるの?
2025年11月5日〜11月9日に開催。会場はAnnex Aoyamaと大倉集古館。Annex Aoyamaは入場無料、大倉集古館はアートウィーク東京のチケット提示が必要です。
展示ではどんな体験ができるの?
水中音や生物の声を用いたサウンド・インスタレーション、白亜やサンゴ由来の顔料を使った版画や写真で“海の記憶”を視覚・聴覚で体感。会場内にRuinart Barもあります。

ルイナールとジュリアン・シャリエールが描く「失われた海の記憶」

MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社が取り扱うシャンパーニュメゾン、ルイナールはアーティストJulian Charrière(ジュリアン・シャリエール)とのコラボレーションにより、個展「conversations with nature 2025」をAnnex Aoyamaと大倉集古館で開催します。本展の中心テーマは「失われた海の記憶」。シャンパーニュ地方の地層や、ルイナールの地下に広がる白亜質のセラー〈クレイエル〉を起点に、古代から現在へと連なる地質学的時間を通して自然と人間の関係を可視化する試みです。

本展では、古代の海の記憶と現代のサンゴ礁の状況を重ね合わせることで、海洋の危機や保存と喪失の問題を作品化しています。音と映像、版画、インスタレーションを通じて、訪れた人が「表面の下に隠されたもの」に耳を傾ける体験を促す構成になっています。

Ruinart x Julian Charrière “conversations with nature 2025” 個展の開催を記念した先行内覧イベントを実施 画像 2

作品の主題と表現手法

ジュリアン・シャリエールは、約4,500万年前に海に覆われていたシャンパーニュ地方の地層や、ルイナールの白亜質のセラー〈クレイエル〉をインスピレーション源とし、古代の化石と現代のサンゴ礁の音や映像を組み合わせて作品を制作しました。地層が重なり合う時間のスケールと、人間が生み出す文脈を重ね合わせて提示します。

具体的には、クレイエルのチョークの壁に眠る化石の“ささやき”を呼び覚ますサウンド・インスタレーション、世界各地のサンゴ礁を撮影したデジタル画像を白亜・石灰岩・サンゴ由来の顔料で再解釈した版画作品などが展示されます。版画の色調は淡く漂白されたような印象で、保存と喪失の狭間にある儚さを象徴しています。

Ruinart x Julian Charrière “conversations with nature 2025” 個展の開催を記念した先行内覧イベントを実施 画像 3

先行内覧イベントの模様と来場ゲストの声

個展の開催に先立ち、11月4日(火)に大倉集古館とAnnex Aoyamaで先行内覧イベントが行われました。イベントには多数のメディア関係者が出席し、ゲストとして森泉さんと三辻茜さんが来場、アーティスト自身も出席して作品や制作背景について語りました。

会場では展示の世界観を体感するとともに、ルイナールの提供によるシャンパーニュを通じて作品鑑賞の時間が演出されました。来場者は映像、音、版画を横断する表現を順に体験できるプログラム構成の中で、展示が目指す「自然との対話」を実感していました。

Ruinart x Julian Charrière “conversations with nature 2025” 個展の開催を記念した先行内覧イベントを実施 画像 4

来場者のコメント(抜粋)

Julian Charrière(ジュリアン・シャリエール)

「この度、ルイナールからのご招待でシャンパーニュ地方を訪れることができ、とても興味深い体験となりました。母がシャンパーニュ地方出身ということもあり、子供時代の記憶が鮮やかに蘇りました。特に秋になると畑が耕され、そこから現れる海の化石を集めていたことを覚えています。」

「Annex Aoyamaのインスタレーションでは、この場所を『生きている場所』として捉え、現代のサンゴ礁の水中音と海の生物の歌声を融合させました。来場者の皆さまにも水の中にいるような感覚になる空間をお楽しみいただきたいです。大倉集古館に展示した作品は、その音を録音した場所の『肖像画』であり、死んだサンゴを砕いて顔料とし、地層が積み重なるプロセスを再現しています。この作品が、皆さんが日常の中で見逃している“表面の下に隠されたもの”に耳を傾けるきっかけとなれば幸いです。」

森泉さん

「大倉集古館に展示されていたアート作品の繊細さに心を奪われました。ジュリアン・シャリエール氏に作品のお話を伺い、その制作工程の大変さや、ネイチャーに対してのリスペクトを感じました。」

「彼が幼少期に化石を集めていたという話は私にも共通点があり、子供心を大人になってもそのまま持ち続け、それを作品として昇華されていることに感動しました。ルイナールは、やはり特別な時に飲みたいシャンパーニュです。ボトルを持った時からワクワク感があり、香り、色、味わいのすべてが特別で、飲んだ時の至福な気持ちは、ルイナールならではのものだと感じます。」

三辻茜さん

「Annex Aoyamaでの展示は、暗い空間の中で耳から入る音に集中するという体験が非常に新鮮でした。普段サーフィンをしている私にとって、海の上ではなく、海の中の音を聴くというのはとても嬉しい体験で、『海ってこんな音をしているんだ』と新たな発見がありました。」

「大倉集古館の作品の表現は、あえてグレースケールに近い色合いで、色を排除して形だけで向き合う体験がすごく楽しかったです。今回の展示や写真を通じて、ルイナールというメゾンがいかにアートを大切にしているかを感じました。ルイナールのシャンパーニュは、フレッシュでありながらしっかりとしたボディがあり、その絶妙なバランスが魅力的です。この上品な味わいを、かしこまった場だけでなく、友人たちとカジュアルに、塩味のきいたおつまみと一緒に楽しみたいです。」

Ruinart x Julian Charrière “conversations with nature 2025” 個展の開催を記念した先行内覧イベントを実施 画像 5

展示の実施概要と会場での体験要素

本展はアートウィーク東京(AWT)への参画企画として、2025年11月5日(水)から11月9日(日)まで開催されます。会場は二会場体制で、Annex Aoyamaと大倉集古館で異なる表現が展開されます。

Annex Aoyamaでは主に体験型のサウンド・インスタレーションが設置され、水中音や生物の声を融合した聴覚中心の空間が用意されます。一方、大倉集古館では石造建築空間を生かした版画作品や、地層のプロセスを再現する作品が展示されます。

Ruinart x Julian Charrière “conversations with nature 2025” 個展の開催を記念した先行内覧イベントを実施 画像 6

開催情報(詳細)

開催期間 2025年11月5日(水) ~ 11月9日(日)
開催時間 大倉集古館 10:00~18:00
Annex Aoyama 11:00~20:00(最終日のみ18:00まで)
場所 大倉集古館(東京都港区虎ノ門2-10-3)
Annex Aoyama(東京都港区南青山3-1-26)
入場料 Annex Aoyama:入場無料
大倉集古館:アートウィーク東京のチケット提示が必要
アーティスト Julian Charrière(ジュリアン・シャリエール)
作品テーマ conversations with nature(失われた海の記憶)
内容 インスタレーション、版画、サウンド・インスタレーション、写真シリーズ、ルイナールバー
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会場内のサービス:Ruinart Bar

Annex Aoyamaには〈Ruinart Bar〉が設置され、会期中は会場の開催時間に準じて営業します。提供メニューにはルイナール ブラン・ド・ブランとルイナール ロゼのグラスおよびボトル販売が含まれます。

鑑賞と合わせて飲用体験ができる構成のため、展示を鑑賞しながらルイナールの特徴である「清らかさ」「繊細さ」「上品さ」を味わうことができます。詳細や最新情報は公式サイトでの確認が推奨されています。

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ルイナールの背景と作品制作に用いられた素材・技術

ルイナールは1729年創設の、世界最古のシャンパーニュメゾンとして知られます。コート・デ・ブランとモンターニュ・ド・ランスのブドウを選定し「シャルドネ ハウス」としての地位を築いてきました。ルイナールの熟成は1931年にフランス歴史的建造物として指定されたガリアローマ時代の白亜質の石切り場跡である〈クレイエル〉で行われ、安定した温度と湿度が確保されることで独特のスタイルを形成しています。

本展の制作では、現地で得た地質学的な情報や、サンゴ礁の撮影素材を用い、石灰質やサンゴ由来の顔料を版画に採用するなど、素材そのものに意味を持たせる手法が用いられました。死んだサンゴを粉砕して顔料とする手法や、白亜質のチョーク壁を想起させる色調の選択は、作品の主題と密接に連動しています。

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技術的・素材的なポイント

  • サウンド・インスタレーション:現地で録音した水中音や海洋生物の声を用い、会場空間で再構成。
  • 版画制作:デジタル撮影したサンゴ礁の画像を白亜・石灰岩・サンゴ由来の顔料で再解釈し、淡く漂白された色調に仕上げている。
  • 素材の意味化:死んだサンゴの粉砕など、材料そのものに歴史や環境の痕跡を含ませることで、作品に地層的な深みを与えている。

これらの手法は、展示全体を通じて〈時間の重なり〉や〈保存と喪失の両義性〉を表現するための技術的工夫といえます。

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展示概要の整理表と締めの言葉

以下の表に、本展の主要事項を整理してまとめます。会期・会場・入場情報・作品構成・提供サービスなど、鑑賞の際に参照しやすい情報を集約しています。

項目 内容
展覧会名 Ruinart × Julian Charrière “conversations with nature 2025”
開催期間 2025年11月5日(水) ~ 11月9日(日)
主催/取扱 MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社(ルイナール)
会場 大倉集古館(東京都港区虎ノ門2-10-3)/Annex Aoyama(東京都港区南青山3-1-26)
時間 大倉集古館 10:00~18:00/Annex Aoyama 11:00~20:00(最終日は18:00まで)
入場料 Annex Aoyama:入場無料
大倉集古館:アートウィーク東京のチケット提示が必要
アーティスト Julian Charrière(ジュリアン・シャリエール)
主な展示内容 サウンド・インスタレーション、版画(白亜・石灰岩・サンゴ由来顔料使用)、写真シリーズ、インスタレーション
会場サービス 〈Ruinart Bar〉(ルイナール ブラン・ド・ブラン、ルイナール ロゼのグラス/ボトル提供)
公式情報 https://www.mhdkk.com/brands/ruinart/

本記事は、先行内覧イベントとプレスリリースの内容に基づいて展覧会の意図と運営情報を整理しました。展示は、古代の地層に由来する素材と現代のサンゴ礁の記録を接続することで、自然と人間社会の時間的な関係を改めて読み直す機会を提供します。鑑賞や来場の際は開催期間・入場条件などを公式情報でご確認ください。

参考リンク: