IVRyが11/14に説明会開催 シリーズDで40億円調達

シリーズDで40億円調達

開催日:11月14日

シリーズDで40億円調達
IVRyって何する会社なの?
IVRyは対話型音声AI SaaS「アイブリー」を提供し、電話応対の自動化・通話解析で業務効率化を支援する企業。47都道府県・4万アカウント超の導入実績があり、通話データを経営資産化する取り組みを進めています。
今回の40億円は何に使うの?
調達資金はエンタープライズ領域の組織拡大、AIプロダクト(IVRy Data Hub)開発強化、ハルシネーション対策を含む技術向上、さらにグローバル展開やM&Aなどの事業拡大に充当する予定です。

IVRy、シリーズDで40億円調達──成長の現況とデータ活用への転換点

株式会社IVRyは、2025年11月6日付で実施したシリーズDにおいて、既存投資家および新規投資家を引受先とする第三者割当増資により総額40億円の資金調達を完了したと発表しました。今回の調達により、累計資金調達額は106.1億円に到達しています。発表日時は2025年11月6日 09時20分です。

IVRyは対話型音声AI SaaS『アイブリー』を中核に、電話という社会基盤の業務効率化・DXを推進してきました。導入実績は47都道府県、97業界以上、導入アカウントは40,000アカウント超と公表されています。人手不足・労働人口減少が進む日本の社会課題を踏まえ、同社は電話業務のAI化を通して現場の生産性向上に取り組んでいます。

IVRy、シリーズDで総額40億円の資金調達を実施 画像 2

成長ペースとT2D3の位置づけ

同社はプレスリリースの中で、自社の成長がT2D3(ARRが100万ドル到達後、2年で3倍、その後3年で2倍)を上回るペースで進んでいると説明しています。T2D3の注釈もプレスリリースで示されており、その成長速度が投資家の期待を集めた背景の一つとされています。

LLM(大規模言語モデル)の進化により、通話・メール・チャットといった非構造データの活用が可能になったことで、IVRyが保有する通話データや対話ログは、単なる効率化の手段にとどまらず「経営資産」としての価値を生み出すフェーズに移りつつあります。

  • 調達総額:40億円(シリーズD)
  • 累計調達:106.1億円
  • 導入実績:47都道府県・97業界以上・40,000アカウント超
  • プロダクト:対話型音声AI SaaS『アイブリー』
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調達資金の活用計画と「IVRy Data Hub」の位置付け

IVRyは今回の調達資金を、エンタープライズ領域の拡大、AIプロダクト開発の強化、およびM&Aなどの事業拡大に充当すると明記しています。これらを通じて、非構造データである通話やメール、チャットのAI解析・活用をいっそう推進する方針です。

中核となる新サービスは「IVRy Data Hub」であり、同社は本日付の別プレスリリースで詳細を公表しています。IVRy Data Hubは顧客の“声”を経営資産化するデータプラットフォームとして位置付けられ、企業の業務効率化とデータ活用による事業成長の両面で貢献することを目標としています。

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具体的な投資配分と施策

プレスリリースで示された調達資金の主な活用用途は下記の通りです。エンタープライズ領域の強化、AIプロダクトの高度化、事業基盤の強化という三つの柱が明確に提示されています。

  1. エンタープライズ領域の強化:エンタープライズ向けセールス人材の採用を加速し、従来のデジタルマーケティング施策に加えてエンタープライズでの認知拡大を目的としたマーケティング活動を強化する。
  2. AIプロダクト開発の強化:『IVRy Data Hub』を中核としたグローバル水準の開発体制を整備し、“ハルシネーションゼロ”にこだわるAI対話技術の向上、非構造データを活用したAIワークフローの拡張を推進する。
  3. 事業基盤の強化:安定した経営基盤の構築、グローバル展開やM&Aなど非連続な成長実現に向けた将来的投資を検討する。

IVRyは特設サイトを公開し、採用やパートナー募集を通じた組織拡大の意向も示しています。特設サイトURLは次の通りです:https://ivry.jp/lp-article/recruit/series-d

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投資家の顔ぶれとコメント、代表からのメッセージ

今回の第三者割当増資の引受先(順不同)は以下のとおりです。

  • ALL STAR SAAS FUND
  • Coral Capital
  • JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社
  • みずほキャピタル株式会社(みずほグロースパートナーズ 1 号ファンド)
  • SMBC ベンチャーキャピタル株式会社
  • フェムトパートナーズ株式会社
  • BRICKS FUND TOKYO
  • Boost Capital
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投資家からのコメント(プレスリリース掲載文)

ALL STAR SAAS FUND Managing Partner 前田ヒロ氏、Partner 神前 達哉氏
前回ラウンドに引き続き、今回もリード投資をさせていただきました。奥西さん率いる力強い経営陣が、IVRyを着実に成長させています。「音声 × AI」という競争の激しい領域において、プロダクトを磨き上げ、突き抜けた実績を達成してきた事実こそが、チーム全体のエグゼキューション力を物語っています。そして、その成長は止まること知らず。経営陣が描くビジョンが着実に経営数値として具現化されていく様を目の当たりにするたび、深い感銘を受けています。引き続き、”ALL STAR”な仲間たちとともに、IVRyが日本を代表する企業へと成長していく過程に伴走できることを、心から光栄に思います。

Coral Capital Founding Partner & CEO James Riney氏、Associate 片山 晴菜氏
日本では労働人口減少やDX推進が加速する一方で、未だに非効率な電話業務が多く、顧客との対話データの活用も進んでいません。IVRyはSMBでの絶大な支持を確立しつつ、既に年間契約1億円超の大手顧客を獲得するなど着実にエンタープライズ展開も進めています。AIの進化やインバウンド観光の増加といった追い風を背景に、単なる自動応答を超えて、電話を基盤とした法人コミュニケーション・データ活用の新たな標準となる世界線を楽しみにしています。

JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社 ベンチャーキャピタリスト 坂本 匠氏
人口減少や労働力不足が深刻化する中、限られた人材でいかに生産性を高めるかは、多くの企業が直面する社会課題です。IVRyは、効率化余地の大きい電話対応領域においてAIによる自動化を実現し、急速な成長を遂げています。業界や顧客課題に対する深い理解、高い技術力と提案力、そしてそれを支える優秀なチームが同社の成長を牽引しています。今回の出資を機に、弊社としてもIVRyのさらなる成長を支援しながら、社会全体の業務効率化と働き方改革の推進に貢献できることを期待しております。

代表取締役/CEO 奥西亮賀のコメント

シリーズDでの40億円、累計106.1億円の資金調達は、当社の技術力とプロダクトが、社会の基幹インフラである電話というコミュニケーションに、大きな変革をもたらす可能性を評価いただいた結果だと受け止めています。お客様をはじめ、これまで当社を支えてくださったみなさまに心より感謝申し上げます。創業以来、私たちはアイブリーを通じて、労働人口の減少という深刻な社会課題に対し、まずは社会インフラである電話のAI化による業務効率化を推進し、T2D3を上回る急成長を遂げてまいりました。

現在、LLMの進化を背景に、市場のニーズは従来の業務効率化に留まらず、電話やメールといった「顧客の生の声」を「新しい経営資産」として事業成長に繋げるフェーズへと急速に移行しています。今回の調達を機に、私たちは顧客の声を活用する「IVRy Data Hub」の開発に注力し、エンタープライズ領域展開の本格化を図ります。あらゆるコミュニケーションデータから新たな価値を創出し、お客様の事業成長そのものに貢献することで「最高の技術をすべての人と企業に届ける」というミッションの実現を目指します。

イベント案内と会社概要、最後に要点整理

IVRyは今回の調達を受けてオンライン説明会を開催します。代表の奥西が登壇し、資金使途やAIプロダクト戦略、事業・プロダクト・組織に関する説明および質疑応答を行います。開催日時は2025年11月14日(金)19:00-20:00で、会場はZoomウェビナー(事前にURL送付)です。参加申込は次のページから行えます:https://ivry.connpass.com/event/373450/

同社は特設サイトとプレスリリースのページも公開しており、詳細は以下で確認できます。IVRyのコーポレート情報や製品情報もあわせて掲載されています。

会社概要(プレスリリース記載の情報)

会社名
株式会社IVRy(アイブリー)
代表者
代表取締役/CEO 奥西 亮賀
設立
2019年3月
所在地
〒108-0073 東京都港区三田三丁目5-19 住友不動産東京三田ガーデンタワー10F
電話番号
050-3204-4610
企業サイト
https://ivry.jp/company/

アイブリーの特徴として、24時間365日の電話応答自動化、通話分析、ハルシネーションゼロ技術が挙げられており、企業のコミュニケーションデータを解析・活用することで成長支援を行う点が強調されています。

本稿の要点まとめ
項目 内容
調達ラウンド シリーズD(第三者割当増資)
調達金額 40億円(今回)、累計106.1億円
調達方法 第三者割当増資
主な出資者(順不同) ALL STAR SAAS FUND、Coral Capital、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、みずほキャピタル(みずほグロースパートナーズ1号ファンド)、SMBCベンチャーキャピタル、フェムトパートナーズ、BRICKS FUND TOKYO、Boost Capital
資金使途 エンタープライズ領域の強化、AIプロダクト開発の強化(IVRy Data Hub中核)、事業基盤の強化(M&A・グローバル展開含む)
プロダクト 対話型音声AI SaaS『アイブリー』、新サービス『IVRy Data Hub』
導入実績 47都道府県、97業界以上、40,000アカウント超
オンライン説明会 日時:2025年11月14日(金)19:00-20:00(Zoomウェビナー)/申込:https://ivry.connpass.com/event/373450/
関連リンク https://ivry.jp/IVRy Data Hubプレスリリース

本稿では、IVRyが発表したシリーズDの資金調達額と累計調達額、資金使途、主要出資者、提供するプロダクトや導入実績、代表および投資家のコメント、開催予定のオンライン説明会、そして会社概要を網羅的に整理しました。IVRyは非構造データのAI活用を通じて、電話を起点に企業のコミュニケーション資産の価値化を図る方針を明確にしており、今回の資金調達はその実行に向けた体制強化のためのステップと位置付けられます。

参考リンク: