ワンピース×熊本の天然水、12月中旬発売『ヒノ国天然水』

熊本の“水”と復興の物語がボトルになった理由

2026年4月に熊本地震発生から10年を迎える節目を前に、熊本の自然資源と復興の歩みを結びつける新商品が発表された。『ONE PIECE 熊本復興プロジェクト』とくまもとの天然水によるコラボレーションによって誕生する「ヒノ国天然水～阿蘇の雫～」は、熊本が誇る“水の都”としての特性と、復興に向けた想いを商品という形で示す取り組みである。

熊本県は生活用水のほとんどを地下水で賄う地域で、日本の名水百選に選ばれた源泉地の数が日本で最も多い「水の都」である。こうした背景のもと、復興と備えのメッセージを担う製品として、天然水の中でも品質と保存性に配慮した形で商品化された。

地形と文化が育んだ熊本の水資源

熊本は阿蘇を中心とした火山地形と豊富な伏流水に恵まれている。南阿蘇の地下150メートルから汲み上げられる水は、土壌と長い時間をかけて濾過されることで独特のまろやかさを持つ。これが「ヒノ国天然水～阿蘇の雫～」の水源である。

この地域に根付く水文化は、日常生活の飲用にとどまらず、災害時の備蓄や観光資源としても重要だ。2016年の熊本地震以降、地域全体で“備える”意識が高まり、それを支える商品設計が求められてきた。

製品の仕様と品質管理—日常利用と備蓄の両立

製品は日常の飲用水としての味わいを重視すると同時に、災害時の備蓄水としても役立つことを目指している。具体的な仕様は明確に示されており、消費者が用途に応じて選びやすい形になっている。

生産面では採水方法と処理工程の詳細が公表されており、保存性と風味の両立を図る工夫が行われている。

採水と処理工程のポイント

採水は南阿蘇の地下150mからの伏流水を使用している。これにより地表の影響を受けにくい清澄な水源を確保している。

処理は4重の特殊フィルターによる濾過と、非加熱殺菌による仕上げを行うことで、天然水本来の澄んだ味わいとまろやかさを保っている。加熱殺菌を行わないことで風味の劣化を抑えつつ、安全性を確保している点が特徴だ。

製品スペック（主要仕様）

以下に製品の主要データを整理する。

• 商品名：ヒノ国天然水～阿蘇の雫～
• 規格：500ml
• ケース入数：24本
• 本体価格：200円（税抜）
• 賞味期限：製造日より5年
• 販売地域：熊本県内限定
• 販売開始：2025年12月中旬発売予定

賞味期限が5年であることから、日常の飲用に加え、災害時の備蓄としての利用価値が高い設計である点を明確に打ち出している。

販売計画とデザイン戦略—地域とファンを結ぶ流通網

販売は熊本県内を対象とし、観光地や交通拠点、宿泊施設、物産館などを中心に展開する。特に麦わらの一味の銅像設置地域の売店を旗艦店と位置づけ、復興の象徴と観光資源を結び付けることで地域振興につなげる計画である。

また、ONE PIECEファン向けのコレクション要素としてデザインボトルを11種用意し、購入体験に付加価値を与えている。

販売予定の主な店舗（2025年10月時点）

以下は発表された販売予定店舗の一覧である。販売方法や展開時期は一部調整中の箇所がある。

• 旗艦店舗：熊本県庁売店（ローソン）、道の駅阿蘇、俵山交流館 萌の里
• 高森駅内売店、熊本地震震災ミュージアムKIOKU、OKAGESAMA MOBA
• 古今堂（阿蘇ファームランド内）、阿蘇ファームランド自然健康館、ニュー草千里
• 旬彩館各店舗、菊陽町総合交流ターミナル さんふれあ、菊池観光物産館
• 司ロイヤルホテル、亀の井ホテル阿蘇パークリゾート内売店 仲屋、阿蘇プラザホテル
• 玉名PA（モテナス玉名 下り線） 等

なお、益城町総合体育館や熊本動植物園等については、現在販売方法を調整中であることが明記されている。

デザインボトルの構成と販売形態

デザインボトルは全11種で構成されており、内訳はONE PIECEの人気キャラクターである麦わらの一味10名に加え、レアボトル1種を含むコレクション仕様となる。

アソートBOXでの販売形態が採用され、ランダムで各キャラクターのボトルが封入される仕様である。アソートBOXには必ずレアボトルが1本含まれると発表されており、コレクション性が高い商品設計である。

プロジェクトの経緯と公表されている連絡先

本プロジェクトは、2016年4月に発生した熊本地震を契機に立ち上がった。地震直後の2016年4月17日に、熊本県出身の漫画家・尾田栄一郎氏から「必ず助けに行く」というメッセージが届いたことが、復興に向けた動きの起点となっている。

このメッセージを契機に、漫画『ONE PIECE』と熊本県が連携し、復興の象徴としての「ONE PIECE 熊本復興プロジェクト」が開始された。今回の天然水商品は、その延長線上にある取り組みであり、復興の歩みと教訓、未来への希望を次世代につなぐ役割を期待されている。

問い合わせ先（公表情報）

本商品の公表に合わせて、以下の連絡先が案内されている。

会社名

丸富産業株式会社

住所

〒861-3206 熊本県上益城郡御船町高木922

E-mail

takata@furukuma.jp

TEL

080-3221-1279

担当

高田 信太郎

また、著作権表示として©尾田栄一郎／集英社が明記されている。

要点の整理と記事まとめ

ここまで記した情報を整理すると、『ヒノ国天然水～阿蘇の雫～』は熊本の自然資源を活用し、復興と備えの両面を意識した商品設計になっている。販売は熊本県内限定で、観光地や交通施設など地域の拠点を中心に展開される予定である。

以下に本文で触れた主要項目を表にしてまとめる。表の後、本文の締めくくりとして簡潔な文を添える。

本商品は熊本の水資源の特性と復興の歴史を反映したものであり、日常の飲用と災害備蓄の双方で利用できる設計となっている。販売は熊本県内を中心に段階的に展開され、観光・地域振興と連携した流通設計が組まれている点が特徴である。